ホームページやSNSなどネットを利用した集客戦略に力を注ぎ、競合他社との差別化をねらう学習塾・予備校が増えています。
しかし、ただ単におしゃれなホームページを制作し、SNSを運用すれば生徒が集まるわけではありません。
この記事では、ホームページの必要性から集客に効果的なホームぺージ制作のコツ、ネットを利用した集客方法について解説します。
また、「ホームぺージでは何を発信すればいいんだろう?」と掲載する情報(コンテンツ)選びに悩んでいる方のために、さまざまな掲載事例も紹介します。
ぜひ自社のホームぺージ制作の参考にしてください。
「ここで勉強したい(させたい)!」と思ってもらえるホームページの作りかたを解説します
1. 親と子で違う学習塾・予備校を選ぶ基準
塾選びに悩む保護者は、何を基準にして学習塾・予備校を選んでいるのでしょうか。
大手学習塾や教育関係サイトでは、多くの保護者や生徒に塾に関するアンケートを実施しています。
その結果、保護者が塾を選んだ理由で多いのが、
- 自宅や学校から近い(※特に小中学校の子どもをもつ保護者)
- 子どもにあう学習システムがある
- 講師の質(授業方法やコミュニケーションの取りやすさ、信頼関係など)
の3つが主に上位にあげられています。
一方、実際に塾に通う子ども(生徒)が塾を選ぶ理由は、「友達が通っている」「近くにあって通いやすい」「先生の教え方がわかりやすい」などです。
アンケートの結果から、保護者や生徒が塾に関して何を知りたいのかがわかります。
【保護者や生徒が知りたい情報=ホームページに掲載するべき情報】です。
では次に、保護者や生徒が塾を知るきっかけは何なのでしょうか?
2. 塾を知るきっかけは【口コミ】ホームぺージを制作する意味
保護者が塾を知るきっかけは、ママ友や知人からの【口コミ】が多いのが特徴です。
その他に、
- 通りすがりで見つけた(近所)
- チラシ
- 子どもからの情報(子どもからの口コミ)
最近は、「ネット検索をしてみつけた」「インターネット広告」「比較・まとめサイト」などインターネットを活用し情報を収集する方が増えています。
塾を知ったきっかけが何であったにしても、最終的には自ら塾のホームぺージを確認し、体験会や入会の申し込みをするのが一般的な流れです。
口コミやチラシで塾を知ってもらったとしても、ホームページがなければ詳しい情報を得ることができず、他の塾を検討する可能性が高まります。
仮にホームページがあったとしても、保護者の知りたい情報が掲載されていなければ、見込み客を逃してしまうことにもなります。
学習塾・予備校においてホームぺージがある意味・役割りとは、
- 塾の教育方針や学習カリキュラムなどを知ってもらう
- 体験入学、資料請求、問い合わせの窓口になる
- 保護者や生徒の疑問や不安を解決するため
保護者や生徒の気持ちになって、知りたい・求めている情報(コンテンツ)を掲載することが大切です。
3. 学習塾・予備校の印象を左右するホームぺージデザイン
ホームぺージのデザインの違いによって、学習塾・予備校のイメージが大きく変わります。
「難関校を目指す大手の塾」や「地域密着型の個人経営の塾」など、塾の教育方針や強みに合ったデザインが必要です。
全体で使用する色合いは、読み手に心理的効果をあたえることができます。
例えば、寒色系の色(青~紫)は落ち着き・信頼・誠実さ、暖色系の色(赤・オレンジ・黄)は情熱・活力・楽しいイメージをあたえる効果があります。
使用する字体のフォントや大きさ、イラストや写真を工夫して、自社に合うイメージを作り出しましょう。
学習塾・予備校のホームぺージでよく見られるデザインは、
- 情報をしぼったシンプルでわかりやすいデザイン
- 体験談や口コミを有効活用して、入会後のイメージをふくらませる
- 塾の強みをアピールした魅力的なキャッチコピー
学習塾・予備校のホームページには、特に塾の強みをイメージさせるキャッチコピーが必要です。
保護者や生徒の心をつかむようなキャッチフレーズを考えましょう。
【スマホ最適化】必須の時代!
ネット環境の普及が広がり、誰でもどこにいても、思い立ったときに情報が得られる時代になりました。
令和4年総務省のデータによると、スマートフォンの世帯保有率は88.6%と年々高くなり、パソコンは69.8%。
塾のターゲットである10代から40代の生徒と保護者に関しては、80%以上の方が情報をインターネットから得ています。
【スマホ最適化】とは、スマートフォンの画面にも対応したホームぺージを作ること。スマホ対応とも言います。
最適化がされていないと、文字が見にくかったり、申し込みなどのボタンが押しにくかったり、さまざまな弊害が生じます。
読みにくいホームページは、離脱の原因となり、最後まで読んでもらうことができません。
スマートフォンの利用者が増えている今、ホームぺージ制作をする際の【スマホ最適化】は必須です。
参照:総務省|令和4年版 情報通信白書|データ集(第3章第8節) (soumu.go.jp)
4. 具体的な【ストーリー】で保護者・生徒の心を動かす
お客様の心にメッセージを届ける手法に、【ストーリーマーケティング】があります。
サービスや商品の強みばかりを押し付けるセールスではなく、ストーリー(物語)を通してお客様に共感や興味を持ってもらうマーケティング方法です。
同じような悩みを抱えている保護者や生徒のストーリー(物語)を掲載することで、読み手の心をゆさぶる心理的効果が期待できます。
入会し同じような悩みを解決した保護者や生徒のコメント、マンガやイラストを使った目標達成への道のりストーリーなど。
よくあるストーリーと思われるかもしれませんが、押しつけの強いセールストークよりも、お客様の心にスッと入り込み記憶に残るのがストーリーマーケティングの特徴です。
保護者や生徒に「自分も頑張れば、そうなれるかもしれない!」という成功へのイメージをあたえることが大切です。
5. 比較・検討に役立つ情報(コンテンツ)とは
学習塾・予備校のホームぺージには、塾の基本情報のほかに、他社との比較・検討に役立つ情報(コンテンツ)を載せましょう。
保護者や生徒は、【自分が求める条件をクリアーしている塾なのか】を確認するためにホームページを訪れます。
保護者と生徒、それぞれの気持ちになって、何を知りたくてアクセスしてくれたのかを考えます。
参考事例すべてを載せるのではなく、塾の方針やホームページの目的に合わせて、必要な情報を選び掲載しましょう。
塾の強みやキャッチコピー
他社との違い、大手にはない個人や中小経営の塾だからこその魅力をアピールします。
塾の教育方針や強みは、ただ文字で説明するのではなく、キャッチコピーが効果的です。
「まだ間に合う!〇〇学校を目指すなら〇〇塾」「個人指導で苦手科目を克服」など、ホームぺージを見てすぐに目に入るように配置します。
塾の強みや特徴を表す言葉は、保護者にとって他社との比較・検討材料になります。
合格実績
過去の合格実績は、保護者にとって塾を検討する際の大きな目安です。
どのようなレベルの学校に、何名合格した実績があるのか、授業や講師陣の質の高さが証明できます。
レベルの高い学校への合格実績だけではなく、塾に入会することでどれだけ偏差値が上がったのかなども保護者が重要視する要素です。
選ばれる理由
なぜ多くの生徒に貴社の塾が選ばれているのか。たくさんの塾を検討し選び悩んでいる保護者にとって、とても役立つ情報です。保護者や生徒の口コミと同時に掲載するとより効果的です。
費用
多くの保護者の方が気になるのが費用です。
さまざまな学習方法があり、コースの組み合わせによって費用は異なり、明確な記載は難しいかもしれません。
通常のコースとの組み合わせ例など、人気のコース費用などを掲載し、費用に関する安心感をあたえましょう。支払い方法の説明もあると親切です。
学習コース
代表的な学習コースや選べるコースなどを掲載します。
個別やクラス講習などどのような指導方法をしているのか、使用する教材の情報なども保護者にとって比較・検討の参考になります。
「うちの子どもでも通えるコースがあるだろうか?」と考えながら見ている保護者の方には、1週間のスケジュール表があるとわかりやすく便利です。
また、学力テストや志望校合格へ向けての年間スケジュールがあれば、入会後のイメージがわきやすくなります。
講師陣の紹介
顔写真とあわせて講師陣を紹介します。講師陣の印象が塾のイメージに直接つながります。塾のイメージに合った紹介と写真を掲載しましょう。在籍している生徒や保護者からのコメント、動画で授業の様子を公開する塾が増えています。親しみ感や授業のイメージを持ってもらうために効果的な方法です。
学習風景、施設案内、設備
休憩所や自主学習室、パソコンルームや図書貸し出し、トイレの清潔感など。授業以外の設備を重視する保護者の方も多くいます。写真や動画を使用して、わかりやすく紹介します。
セキュリティ
最近は、セキュリティに関して気にする保護者の方が増えています。
ちゃんと塾に行ったのか、帰りが遅いけれど何かあったのではないか、不安を抱えている保護者が多くいます。
塾施設内でのセキュリティや、アプリやLINEなどを使った到着・帰宅通知システムの導入など、セキュリティへの取り組みは保護者の安心材料になります。
体験会、説明会の案内
ホームページ制作の大きな目的は、ホームぺージを窓口に1日体験会や説明会への申し込みをしてもらうことです。
はじめて体験会や説明会に申し込みをする保護者や参加する生徒は、参加することに大きな不安を抱えています。過去に開催された体験・説明会の雰囲気がわかると参加しやすくなります。イラストを使って当日の流れをわかりやすく説明しましょう。
在籍生徒、保護者の声
実際に在籍している生徒や保護者の声は、入会を検討している保護者や生徒の心にダイレクトに響きます。
口コミと同じく、在籍者の声を参考にする方が多くいます。授業や成績のことだけではなく、講師とのコミュニケーションや事務の対応の良さのアピールも重要です。
よくある質問
今までよく聞かれた質問をQ&A方式で掲載します。
事前に掲載すると、同じような質問に対する応答事務を減らすことに役立ちます。
保護者にとっても、問い合わせせずにその場で疑問が解決できるのでとても便利です。
問い合わせ、資料請求
質問があっても、直接電話での問い合わせはしにくいものです。
メールやLINEでの問い合わせがあれば、気軽に質問ができます。
都合で説明会に参加できない方のために、資料請求ができると便利です。
会社の概要
代表取締役の氏名、設立年月日や資本金などを記載します。
どのような会社が運営しているのかを掲示することで、保護者の方からの信頼感が高まります。
アクセス
住所だけではなく、Googleマップと連動して、はじめての方でもわかるように塾への道のりを掲載します。
最寄り駅からの距離、交通機関、近隣のお店や施設情報もあると親切です。
6. 学習塾・予備校におすすめのネットを活用した集客方法
ホームぺージのほかにも、学習塾・予備校ができるネットを活用した集客方法があります。
6-1. 学習塾・予備校専門のポータルサイト
ポータルサイトとは、ネット上にあるさまざまな情報の入口(ポータル)となる大きなWebサイトのことです。
学習塾・予備校のサイト情報が集まったポータルサイトがあります。
大きなサイトとして、「塾ナビ」「塾シル」「学習塾ガイド」などがあげられます。
ポータルサイトのメリットは、塾を検討している多くの見込み客に見つけてもらえること。ホームページへ誘導できる、窓口が増えます。
デメリットとしては、初期費用や月額料金などの費用がかかること。
評判や口コミが少なかったり、自社ぺージでのアピールが上手にできなかったりすると、掲載されている多くの塾に埋もれてしまう可能性があります。
6-2. ネット広告
ネット広告とは、Web上で掲載される広告。YouTubeやTwitterなどで表示される動画広告もネット広告のひとつです。
学習塾・予備校におすすめのネット広告は、【リスティング広告】です。
Googleなどの検索サイトでキーワード検索をした際、検索画面の上位に表示されるネット広告です。
例えば塾を検討している保護者や生徒が、「埼玉県いわき市 学習塾 個別指導」と検索したとします。
検索キーワードと関連のある広告が検索サイトの上位に表示されます。
すでに検索したキーワードに興味・関心があるユーザーの目にとまるので、セールス効果が期待できます。
6-3. SNSでの情報発信
SNSで情報を発信し、集客効果を得ている学習塾・予備校が増えています。
さまざまなSNSの中から、学習塾・予備校との相性がよい3つを解説します。
【Twitter】
SNSの中で特に、情報拡散力が高いのがTwitter。140文字の短文で投稿するSNSです。
画像や動画の投稿も可能です。
すでに在籍している生徒に短期講座や新規学習コースの告知ができます。また友達紹介キャンペーンなど新規入会情報の拡散に役立ちます。
【Facebook】
実名登録を原則としているFacebookは、信頼性が高く、ビジネス利用で登録している企業が多いのが特徴。写真や動画、文章を使っての投稿が可能です。
Facebookは、登録者とのつながりを広げるのに適したSNSです。
保護者や生徒に有益な情報を投稿、コミュニティを形成し、信頼感を得ます。
信頼関係からサービスへとつなげていくことが目的です。
【YouTube】
講師の授業風景やためになる内容を、YouTubeで投稿する学習塾・予備校が増えています。
文字や写真よりも、イメージがしやすくなるため、記憶の残りやすいメリットがあります。
YouTubeでの発信内容は、塾や講師への信頼感をアップさせるためのQ&A動画から、「ゼロから始める受験対策」「英単語・熟語の暗記法5選」など興味・関心を持たれる動画までさまざまです。 ユーザーとコメントのやり取りでコミュニケーションを取り、ユーザーをファン化、塾の認知度をあげる集客方法です。
6-4. オウンドメディア(企業ブログ)
オウンドメディアとは、企業が運営するブログのようなサイトです。
企業の売りたいサービス・商品をお客様に向けて、お客様が知りたい・役に立つ情報(コンテンツ)を発信します。
学習塾・予備校であれば、
「子どもに合った学習塾を選ぶポイント」
「自主勉強を習慣化させるコツ」
「ベテラン塾講師だからわかる!タイプ別子どもに合った勉強法」
「個別指導に向いている子、向いていない子」
「小学校から大学までかかるお金はいくら?」
など、塾に関することから子育てや教育費など、保護者の目線になって興味を持たれるような情報を発信します。
オウンドメディアの大きな役割りは、集客の窓口を増やすことです。
さまざまなキーワードを使った情報(コンテンツ)は、今は塾を検討していない見込み客に届き、塾を知ってもらえるきっかけになります。
7. 最低限知っておきたい【SEO】と【MEO】対策
「SEOはよく聞くけれど、MEOってなんだろう?」と思われる方も多いでしょう。
どちらもホームぺージを制作する際に、知っておきたい重要なワードです。
7-1. SEO対策とは
【SEO対策】とは、Googleなどの検索サイトでユーザーが検索したとき、できるだけ上位に表示されるようにする対策のこと。
いくら素晴らしいホームぺージを制作しても、検索上位に表示されなければ多くのユーザーに発見すらしてもらえません。
上位に表示させるためには、検索エンジンに「このサイトは、検索者の悩みを解決し役立つ情報が掲載されているぞ!」と認識してもらう必要があります。
検索エンジンとは、ネット上に存在する情報を検索する機能・プログラムです。
本格的なSEO対策は奥が深く難しいため、大手や予算のある企業の多くは、Web制作会社やSEO専門業者に依頼しています。
しかし、大きな予算がかけられない個人や小中規模の学習塾・予備校でも、できるSEO対策があります。
7-2. MEO対策とは
【MEO対策】とは、Googleマップ上で「Googleビジネスプロフィール」が上位に表示されるように対策をすること。
Googleマイビジネスとは、Googleが運営しているサイトに企業や店舗の情報を表示できるサービスです。登録は無料です。
Google検索サイトで「地域名+学習塾」「地域名+塾+小学生」などのキーワードで検索をすると、上位3枠まで検索結果画面に表示されます。
スマートフォンで検索した場合は、マップと共に画面全体に企業・店舗情報が掲載されます。
「地域」を限定したキーワードでの検索がされやすい学習塾・予備校は、とくに集客に効果的な対策です。
SEO対策と同じく、Web制作会社や専門業者に依頼し対策をおこなっている企業もいますが、多くはありません。
SEO対策に比べ、企業でも取り組みやすいのがMEO対策です。
8. ホームぺージ制作会社に依頼するときのポイントと注意点
簡単なホームぺージ作成ソフトを使えば、制作技術や知識がなくても自社のホームページは作れます。
しかし、以下のような高度な技術が求められるホームぺージの制作は、プロのWeb制作会社に依頼することをおすすめします。
- おしゃれでオリジナリティのあるホームぺージ
- 商品やサービスの販売を目的としたホームぺージ
- アニメーションや動きのあるホームぺージ
- SEO対策がされた、検索上位に表示されるホームぺージ
学習塾・予備校のホームぺージ制作を得意とする制作会社の選ぶポイントは、
- 学習塾・予備校のホームぺージを制作した実績がある
- 希望のイメージデザインやシステムを得意としている
- 制作会社のホームページに、制作料金やフォロー体制について説明がある
- 担当者からの説明がわかりやすく、親身になって対応してくれる
- お問い合わせに対する、レスポンスが早い
ホームページ制作にかかる費用は、目指すホームページのボリュームや使用するシステムの難易度によって、数十万から数百万と大きく異なります。
また、ホームぺージにかかる費用は制作費用だけではなく、公開後の毎月の維持・管理費、更新による費用がかかる場合もあります。
ホームページの制作費用は、けして安いものではありません。
高い費用をかけたのに思ったような成果が出なかったり、後々になって見積もり以上の費用を請求されたり、制作会社と企業とのトラブルが増えています。
手間はかかりますが、複数の制作会社からの見積もりを比較することも大切です。見積もり請求に対する対応も、制作会社を選ぶ際の比較・検討材料にしましょう。
9. まとめ
学習塾・予備校を知るきっかけは、ママ友や子ども同士のつながりによる【口コミ】です。
口コミにより興味・関心を持ってくれた保護者や生徒が、情報を求めて塾のホームぺージにアクセスしてくれます。
保護者や生徒が知りたい・求める情報を掲載し、塾の魅力をわかりやすくアピールしましょう。
どのようなホームページが良いのか迷ったときは、大手学習塾・予備校のホームぺージの掲載情報やデザインを参考にすることをおすすめします。
ホームぺージ公開後は、ホームページへと導く窓口を増やすことが重要です。
SNSやオウンドメディアなどのネットを活用し、できることから少しずつ挑戦してみてはいかがでしょうか。