MEOとは、地図検索を最適化させ集客につなげる取り組みのことです。
店舗運営や、訪問サービス、出張サービスをしている事業者の方、MEOに取り組んでいますか?
Googleマップで検索した人に見つけてもらい、集客につなげるのがMEOの目的です。
SEOよりも対策方法が明確で、効果を感じやすいのがMEO。
実店舗があるかないかに関わらず、顧客と顔を合わせて事業をしているなら、MEOが有効です。
しっかり取り組んでいない店舗が多いので、差別化するなら今です。
「Instagramはやっているけれど、MEOをする意味はあるの?」
「何をどう対策すればいいのかわからない」
このような方に、MEOについてわかりやすく解説します。
利益追求のプロが、中小企業ホームページを集客に導きます
1. MEOとは?マップエンジン最適化
MEOとは、地図検索を最適化させることです。
Map Engine Optimizationの略で、マップエンジン最適化とも呼ばれます。
Googleビジネスプロフィールなどのビジネス情報を充実させ、Googleマップなどの地図で検索したときに上位表示を目指す施策です。
MEOをする目的は、ずばり集客力の向上です。
2. MEOをしたほうが良い事業は?
地域に根差した事業であれば、ぜひ取り組むべきです。
直接顧客と接するタイプの事業であれば登録しておきましょう。
Googleのビジネスプロフィールでは、以下のように述べています。
ビジネス プロフィールは、特定の営業時間内に顧客と顔を合わせてサービスを提供するタイプのあらゆるビジネスに適しています。
参考:ビジネス プロフィールの利用が自社に適しているかどうかの見極め – Google ビジネス プロフィールへようこそ
2-1. 店舗がなくても登録できる
Googleビジネスプロフィールには、店舗がないサービスも登録できます。
「非店舗型」を選択肢、「サービス提供地域」を選択してサービスエリアを入力しましょう。
訪問サービスや、出張型の店舗がないビジネスでも登録できます。
3. なぜMEOをすべき?メリットとデメリット
3-1. 集客につながりやすい
Googleマップを見ている人は、「今行きたい店を探している」状態になっていることが多く、ダイレクトに集客しやすい傾向が強い人たちです。
潜在顧客よりも来店利用の見込みが高い人に訴求することができるため、MEOは集客しやすい取り組みです。
近隣情報などを探す際に、Googleマップで探す人は増加しています。
そのまま来店や予約をしてくれる機会が増えるため、Googleマップをいかに効果的に活用するかは集客力に反映すると言えるでしょう。
参考:Google マップで飲食店を探す、調べるときの意識・行動調査 ~飲食店がしておきたい対策とは
3-2. 無料で宣伝できる
Googleマップの管理は「Googleビジネスプロフィール」で行いますが、無料で利用することができます。
無料で店舗の宣伝ができる貴重な場所ということなのです。
見つけてもらいやすい情報媒体なのに無料なのは本当に嬉しいですよね。
活用しない手はありません。
3-3. 公式アカウントとして信頼獲得ができる
地図上に載っている情報として信頼されやすいのがGoogleマップの特徴の一つ。
一般の利用者は、Googleマップに載っている情報を信用できる情報源と考える傾向が強いため、重要度が高くなります。
3-4. 正しい情報を届けられる
Googleマップは、事業者本人でなくても情報掲載をすることができます。
ありがたいシステムなのですが、間違った情報が載っていることもしばしばあり、誤解を招きかねません。
ビジネスオーナーとして登録すると、正しい情報に編集することができます。
情報の正確さは信頼に直結しますから、自社で管理できるオーナー登録は必須といえます。
3-5. SEOより対策が簡単
MEOは、難しいとされる検索エンジンの最適化対策(SEO)よりも、取り組む内容がわかりやすく簡単です。
複雑な作業はほとんどありません。
Googleビジネスプロフィールを充実させること、クチコミ投稿を増やすこと、クチコミに丁寧に返信対応することが主な取り組みとなります。
3-6. しっかりMEOに取り組んでいる競合が少なく優位に立てる
実際にGoogleマップでライバルがどの程度MEOに力を入れているのか見てみましょう。
Googleマップ情報を充実させる取り組みをしている競合は、それほど多くありません。
特に地方はその傾向が強くなります。
競争率が低い今こそ、自社が率先して取り組むのに良いタイミングです。
3-7. 早く取り組めば取り組むほど良い
MEOも一日で効果が出るわけではありません。
しばらくは地道な取り組みが必要です。
ですから、今すぐ始めればそれだけ効果も早く得られます。
3-8. 手間と時間がかかる
すべての取り組みに言えることですが、手間と時間がかかるデメリットがあります。
通常業務に加えてやることが増えるため、大変だと思うかもしれません。
しかし、今はネットでの露出を演出することは重要な集客活動です。
「手が空いたら」「暇になったら」ではなく、営業の一環として作業に取り入れるようにすることをおすすめします。
4. Googleマップで上位表示される基準は?
Googleマップでの表示順位がどのような基準で決まるのかは、Googleが公表しています。
Googleが基準としているのは3つ。
「関連性」「距離」「視認性の高さ」などの要素を組み合わせて最適な検索結果が表示されるようにしています。
参考:Google のローカル検索結果のランキングを改善する方法 – Google ビジネス プロフィール ヘルプ
4-1. 関連性
関連性とは、検索語句とビジネスプロフィールが合致する度合いを指します。
関連性は、ビジネスプロフィールに登録しているビジネスカテゴリなどが参照されます。
4-2. 距離
距離とは、検索語句で指定された場所と店舗との距離の近さを意味します。
検索語句に地名が入っていない場合は、位置情報を読み取り現在位置からの距離を測って表示します。
例えば散策中にカフェでひと休みしたいと思ったとき、今いる場所から「カフェ」を検索すると、現在地に近い所在地のカフェを表示してくれます。
また、旅行先のをのレストランを探す場合は、地名の検索語句を入れて検索する人が多いことから、「検索語句の地名+レストラン」に合致する店舗を表示してくれます。
4-3. 視認性の高さ
視認性の高さとは、どれだけ広く知られているか、つまり知名度の高さを指します。
一般的に良く知られている博物館や美術館など、どれだけオフラインで知名度があるかを順位決定要因に取り入れているということです。
有名どころはGoogleマップでも優先されるので、新規事業は太刀打ちできないかというと、そうでもありません。
Googleマップのクチコミによって評価の高いビジネスは、ランキングが高くなるとGoogleは公表しています。
一般事業者が取り組むメリットの大きさはここにあるともいえるでしょう。
5. Googleビジネスプロフィールに登録しよう
5-1. Googleアカウントを用意する
管理用のGoogleアカウントを作成します。
Gmailを作成する手順と同じです。
個人のGmailを持っている場合でも、事業用に別途作成することをお勧めします。
理由は「ビジネスで使う公式なものだから」です。
詳しくは「個人のメアド使ってませんか?」ホームページ作成前に準備しておきたいことという記事でも説明していますので、ご参照ください。
5-2. Googleマップに店舗情報が載っているかどうかチェックする
自分で登録していなくても、情報が拾われて地図上に情報が載っていることがあります。
自店舗が掲載されているかどうか、検索して確かめてみましょう。
- Googleで自社店舗を検索
- 店舗の住所で検索
- Googleマップで検索
住所や位置情報が間違っていることもありますから、周辺もよく見てみましょう。
5-2-1. Googleマップに掲載されていた場合
掲載されていたら、「オーナーですか?」をクリックしてオーナー登録に移ります。
登録作業は、ビジネスで使うGoogleアカウントにログインしてから行いましょう。
5-2-2. Googleマップに掲載されていない場合
登録されていなければ、Googleビジネスプロフィールの登録ページから新規登録に移ります。
登録作業は、ビジネスで使うGoogleアカウントにログインしてから行いましょう。
下記URLの「開始」リンクから登録できます。
Google ビジネス プロフィールへようこそ
参考:ビジネス プロフィールに登録する
ビジネス名は店舗名や事業所名のことです。
正式な名称を入力します。
後述しますが、表記は統一しましょう。
オンラインでユーザーに見つけてもらうには、正確なビジネス名(店舗、ウェブサイト、ビジネスレターなどで一貫して使用し、
顧客に認知されている、実際のビジネスの名称)を使用します。
-中略-
ビジネス名に不要な情報を含めることはできません。含めると、ビジネス プロフィールが停止される場合があります。
参考:Google に掲載するローカル ビジネス情報のガイドライン – Google ビジネス プロフィール ヘルプ
5-3. オーナー確認
オーナー確認の方法はいくつか用意されています。
確認のために入力するコードを、どうやって手に入れるかが異なります。
- ハガキで郵送
- 電話番号(自動音声)
- テキストメッセージ
- メール など
選択できる種類は地域や業種により異なりますので、自店舗に合う方法を選択しましょう。
上記の中ですぐ確認できる方法は「電話番号」です。
選択できる場合はオススメです。
「確認コード」を入手したら、「今すぐオーナー確認」をクリックします。
コードを入力すればオーナー確認は完了です。
6. MEOで差がつく5つのポイント
6-1. ポイント1:正確な情報を入力する
真っ先にやることは、「正確な基本情報の入力」です。
Googleが公表している「関連性」の判断基準にとっても重要な指標となります。
「当たり前だろう」と思ってしまうのですが、気を抜いてはいけない重要ポイントです。
意外と細かい所に間違いがあることで、ユーザーに誤解されてしまうことがあります。
特に住所が違う、営業時間が違うなどは、せっかくの集客の機会を逃すことにつながりかねません。
「地図で営業中と出ているから出かけたのに休みだった…」
このような経験があるとユーザー体験が下がり、店舗へのイメージが落ちてしまうのです。
以下の情報が正確に表示されているか確認し、必要に応じて修正します。
既存の情報に間違いがあることも多いので、すべての項目をチェックしましょう。
- ビジネス名
- 住所
- 電話番号
- ホームページURL
- 営業時間
- 休業日
- 業種の選択
6-1-1. ビジネス名(店舗・事業所名)は表記を統一しよう
要注意なのが「店舗名(事業所名)の表記ゆれ」です。
具体的には、英語表記、カタカナ表記、漢字表記など、名称の書き方を統一します。
例えば「CHACO-WEBクリニック」と「チャコウェブクリニック」、人間ならなんとなく両方同じクリニックだと想像することができますよね。
しかし、Googleは機械が認識するため、「CHACO-WEB」と「チャコウェブ」は別の存在だと認識します。
統一していない名前はすべてバラバラに認識し、情報が集約しないことになってしまいます。
「CHACO-WEBクリニック」と「チャコウェブクリニック」なら、どちらを採用するか決めましょう。
そして、決めたらGoogleマップやホームページで表記を統一させましょう。
6-1-2. ビジネス名にキーワードを詰め込むのはガイドライン違反
ビジネス名には、名称のみ入力しましょう。
検索対策の目的でキーワードを詰め込んだり、売り文句を含めたりしてはいけません。
ガイドライン違反と判断され、アカウントや情報を停止・削除される危険があります。
6-2. ポイント2:写真を充実させる
写真はオーナーが提供できる有力情報の一つです。
特に外観は1枚だけ載せるのではなく、角度を変えたり、日中と夜間両方を撮影したりしましょう。
さまざまな環境のお客様が「見つけやすい」ように工夫する配慮が有効です。
初めて来店する人、土地勘のない人にとっては、Googleマップに載っている外観が目印となることも多いのです。
商品も、できるだけすべて載せておきます。
メニューの画像は注目されることが多いため、ユーザー投稿に頼らずオーナーが載せておきます。
- 外観(さまざまな角度から)
- 駐車場
- 店舗内部(できるだけ詳細に載せる)
- 商品(できるだけすべて載せる)
- メニュー(できるだけすべて載せる)
6-3. ポイント3:最新情報を更新する
お知らせやイベント、キャンペーンを積極的に更新します。
たまたま目に留まったお知らせが気になって来店や予約につながることもあります。
最後の更新が2年前など、古い情報はユーザーの印象に悪影響を与えます。
店舗を改装していなくても、できるだけこまめに最新の写真を載せましょう。
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6-4. ポイント4:クチコミを積極的に集める
MEOで特に重要度の高い取り組みがクチコミです。
Googleが評価する「視認性の高さ」には、クチコミの数と高い評価が含まれるため、良い評価をしてくれるクチコミを積極的に集めることが、上位表示につながるからです。
上位表示ができれば、集客の機会が増えることになり、好循環を生み出せます。
しかし、黙って待っているだけではクチコミは増えません。
わざわざGoogleマップを開いてクチコミをしてくれる人は貴重な存在です。
特に、「良かった」というプラスの経験を自発的に投稿するケースは少なくなります。
一方でマイナスのクチコミは増えやすいため、放っておけば低評価のクチコミ投稿ばかりになってしまいます。
満足していただいたお客様の声を届けるために、店舗は積極的にクチコミをしてもらう働きかけを続ける必要があります。
6-5. ポイント5:クチコミに返信する
クチコミ投稿に丁寧に返信をしていきます。
返信の効果はプラスに働きます。
クチコミ投稿に返事がくれば、嬉しいと感じるものです。
そして、投稿した本人ではなくても返信の影響を受けます。
Googleマップのクチコミ投稿と返信は、誰でも見ることができるからです。
丁寧に対応している様子を見れば、その店舗に対し良い印象を抱くのが自然ではないでしょうか。
クチコミへの返信をきっかけに来店する人が増えるかもしれません。
クチコミ投稿へのハードルを下げるかもしれません。
オンラインでも、やることは接客やおもてなしと同じです。
7. クチコミを増やすための4つの工夫
ここからは、最も力を入れていくべきクチコミ集めのアイデアをご紹介します。
7-1. 工夫1:満足度の高いリピーターさんに直接依頼する
リピーターになってくれている顧客は、商品やサービスに満足していることが多く、高評価をしてくれる可能性が高い存在です。
3回ほど来店してくれた方には「よければGoogleマップに評価を投稿していただけませんか?」と直接お願いしてみましょう。
お願いする際には、顧客の手間がかからないようにする工夫も必要です。
7-2. 工夫2:QRコードを作成し、投稿しやすい環境を作る
投稿をお願いする時には、上記で述べたように、お客様の手間を軽減する配慮があるとハードルが下がります。
QRコードのようにすぐにアクセスできる仕組みを用意して、お客様が操作する手間を減らしましょう。
- 会計時にQRコードが載せた紙を渡して投稿をお願いする
- 問診票やアンケート記入と一緒にQRコードを渡して投稿をお願いする
7-3. 工夫3:具体的に良かった点などを会話でヒアリングした後に投稿を依頼する
商品・サービスに満足しているけれど、書くことに困るというお客様もいます。
「何をどう書けばいいのかわからない」
こんな風に悩んでしまうと、お客様は書き込む前に止めてしまうかもしれません。
その前に「書きやすい環境づくり」でお客様をサポートしましょう。
具体的に言葉にしてもらうと書きやすくなります。
接客しながら以下のような質問をしてみましょう。
「どんなところが気に入りましたか?」
「知り合いに勧めるならどう伝えますか?」
「スタッフの対応はいかがでしたか?」
自社の商品・サービスに対するフィードバックをもらえる機会にもなり、得るものが大きいのではないでしょうか。
7-4. 工夫4:クチコミに返信する
クチコミ投稿を増やす取り組みは、コツコツと積み重ねが効いてきます。
クチコミへの返信もコツコツ努力の一つです。
クチコミへの返信は、最初のうちは何の反応も得られず苦しい時が続きます。
誰の目にも留まらないような気持ちになるかもしれません。
しかし、不思議なことに誰かが必ず見てくれるものです。
信じて続けましょう。
8. クチコミを増やす際にやってはいけないこと
クチコミはどんな手法で増やしても良いというわけではありません。
Googleが禁止していることがあります。
場合によってはアカウントが削除されてしまうことがあります。
違反行為がないよう、社内に周知しておきましょう。
- 店舗備え付けのスマホやタブレットを使って投稿させる
- 「クチコミしてくれたらプレゼント」など特典と引き換えにする
- スタッフが「さくら」として投稿する
9. 低評価のクチコミへの対応
低評価やクレームを投稿されることがあります。
ショックを受けたり、落ち込んでしまったりしてしまうかもしれません。
しかし、感情的な反応や攻撃的な反応をすることは控えましょう。
やるべきことは「誠実な対応」です。
クチコミは公の場。
クチコミ投稿者だけではなく、多くの人が見ています。
ネガティブな投稿に対する姿勢も事業者の評価につながるのです。
真摯に受け止め、これからどう対応していくのか誠実な言葉を紡ぎましょう。
実際に行動に移すことも忘れてはいけません。
10. 明らかに顧客ではない不適切なクチコミ投稿への対応
不適切なコメントがされることもあります。
明らかに顧客ではない場合などは、「削除申請」対応をしましょう。
削除申請ができるのは1回だけです。
申請が通らない場合には残念ながら削除は諦めることになります。
10-1. 不適切なクチコミ投稿にも返信をする
明らかに悪意があったり、利用者ではなかったりすると思っても、Googleが申請に応じず確実に削除してくれないことがあります。
その場合の対応も「クチコミに返信する」のが妥当な対応です。
例えば、明らかに来店した様子がない投稿に対し、以下のように返信します。
「コメントありがとうございます。店舗スタッフに確認しましたが、お客様がご利用いただいた形跡を確認できませんでした」
こうすることで、他の閲覧者に「このクチコミ投稿は正確ではないかもしれない」という情報を伝えるきっかけになります。
しかし、返信前に本当に悪意があるのか、顧客ではないのか確認を忘れずにやりましょう。
思い込みで投稿してはいけません。
11. クチコミは顧客満足度を上げるための貴重なフィードバック
ここまで解説すると、集客のためにクチコミを増やすことが目的のように思うかもしれませんが、そうではありません。
お客様に商品・サービスを通じて価値を提供するのが本来の目的であるはず。
SEOもMEOも、手段の一つであり目的ではありません。
特にクチコミはお客様からの貴重なフィードバック。
どこに満足し、逆にどこに不満があるのかを顧客視点で見直すきっかけをいただける大切な意見です。
フィードバックを参考に、商品・サービスの質を高めていきたいですね。
12. まとめ
MEOは、クリニック・歯科医院・店舗の集客に欠かせない施策です。
取り組みを続けていけば、費用対効果の高さを実感できると思います。
正しい情報を入力し、最新情報を更新するなど、MEO対策のポイントを押さえて、効果的な集客を目指しましょう。