ビジネスを運営している中で、避けては通れないのがGoogleマップでの悪いクチコミへの対応です。
良いクチコミがあれば嬉しいのですが、1件でも悪いクチコミが入ってしまうと店側のショックは計り知れないものになるかもしれません。
たった1件の悪いクチコミでも、ビジネスの評価や集客に大きな影響を与える可能性があります。
実際、消費者の95%が購入を決める前にオンラインのクチコミを参考にするというデータもあります。
参考:2023 年に知っておくべきオンライン レビュー統計 – e コマース プラットフォーム
しかし、悪いクチコミが投稿されたからといって、慌てる必要はありません。
適切な対応を行うことで、むしろビジネスの信頼性を高めるチャンスとなることもあります。
このガイドでは、Googleマップでの悪いクチコミへの具体的な対処方法から、長期的な評価改善のための施策まで、詳しく解説していきます。
Googleマップは集客のチャンスが詰まっています。誰でもできる方法を徹底解説。
1. Googleマップのクチコミを理解しよう
1-1.クチコミの重要性と影響力
Googleマップのクチコミは、ビジネスの「顔」となる重要な要素です。
検索結果での表示順位に影響を与えるだけでなく、潜在顧客の意思決定に直接的な影響を及ぼします。
Googleマップを参考に来店を決める人が増えていることから、特に、飲食店やサービス業では、クチコミの評価が集客に大きく関わってきます。
チャコウェブでもGoogleマップの丁寧な管理を支援しています。
飲食店だけではなく、あらゆる「地域に密着した対面型のビジネス」が今ではGoogleマップは重要だと考えています。
1-2.Googleのクチコミポリシー
Googleは、以下のような内容のクチコミを禁止しています。
- スパムや偽装されたコンテンツ
- 攻撃的な表現や個人情報の掲載
- 利益相反(自社や競合への投稿)
- 違法な内容
- セクシャルな内容や暴力的な表現
- 著作権違反
参考:禁止および制限されているコンテンツ – マップユーザーの投稿コンテンツに関するポリシー ヘルプ
1-3.削除対象となるクチコミの条件
上記ポリシーに違反するクチコミは、削除申請の対象となります。
ただし、単に評価が低いことや、気に入らない内容というだけでは削除対象とはなりません。
2.悪いクチコミを見つけた時の初期対応
2-1.冷静になろう:感情的にならない重要性
悪いクチコミを見つけた時、最も重要なのは冷静さを保つことです。
気持ちが落ち込んだり、不満や怒りが込み上げたりすることもあるでしょう。
しかし、ここで逆上してしまってはいけません。
感情的な対応は状況を悪化させる可能性があります。
2-2.状況を正確に把握する
低評価なクチコミが入った時には、落ち着いて状況を把握しましょう。
具体的に何が問題となっているのか、詳細を確認し対処を考えます。
- クチコミの内容を詳細に読み込む
- 該当する出来事や状況を調査する
- 関係したスタッフから状況を確認する
- 問題の本質を特定する
2-3.悪いクチコミの種類とは
2-3-1.建設的な批判
サービスの向上につながる具体的な指摘や提案があるクチコミです。
問題点が指摘されており、顧客は事業者に対して向上を求めているものです。
企業が成長するための貴重な情報源となります。
例:
「料理は美味しかったのですが、スタッフの対応が少し冷たく感じました。もう少し笑顔があると良いと思います。」
「商品の品質は良いのですが、配送が遅れたため不便でした。改善を期待します。」
2-3-2.悪意のあるクチコミ
虚偽の情報や感情的な非難を含むものです。
具体的な問題点が示されていない場合が多く、感情的な言葉遣いや攻撃的な表現が含まれます。
例:
「最悪の店。二度と行かない。」
「ここは詐欺師の集まりだ。絶対に利用しない方がいい。」
2-4.なぜ悪いクチコミが投稿されるのか
悪いクチコミ(低評価)が投稿されるのは以下のような背景があります。
どれに該当するのかを検証してみましょう。
2-4-1.顧客満足度の低下
顧客が期待していたサービスや製品と、実際に提供されたものが異なる場合。
商品やサービスの質が低かったり、欠陥があった場合。
スタッフの態度や接客が不適切だった場合。
影響:
小さな不満が積み重なり、悪いクチコミとして表面化します。
顧客からの信頼が低下し、リピート利用が減少します。
2-4-2.誤解やコミュニケーション不足
サービス内容や価格、利用条件についての説明が不足していた。
広告や宣伝で過度な期待を持たせてしまった。
多言語対応が不十分で、誤解を招いた(外国からの訪問客が増加している現在は発生しやすい状況にあります)。
影響:
実際には問題がないのに、誤解から不満が生じてしまいます。
他のクチコミレビューを参照するユーザーにも誤った情報が伝わる可能性があります。
2-4-3.競合他社や悪意のある第三者による投稿
競合他社が自社の評判を下げるために、虚偽のクチコミを投稿する。
元従業員やトラブルを起こした顧客が嫌がらせとして投稿する。
匿名性を利用して悪質な投稿を行うユーザー。
影響:
事実無根の情報によって信頼が損なわれます。
悪いクチコミを見た潜在顧客が利用を避ける可能性があります。
2-5.社内での情報共有と対応方針の決定
悪いクチコミの分析と実態の把握をおこなったら、スタッフと情報を共有し、再発防止策や改善点を話し合います。
- 関係部署との情報共有
- 対応責任者の決定
- 返信内容の検討と承認プロセスの確立
3.クチコミへの返信は必ずしよう
Googleマップに投稿されたクチコミレビューには、店側・オーナー側からコメントを返すことができます。
良い評価をしてくれたクチコミだけではなく、悪いクチコミに対しても必ず返信を行いましょう。
返信することで、他の顧客に対して誠実さや改善意欲を示すことができます。
コメントは公開されていますから、大勢の人がやり取りを目にします。
そのうち、真摯な対応をしているオーナーや事業者に対して良いイメージを持つ人が出始めます。
丁寧な返答は、新しいファンを増やす可能性があるということを心に留めておきましょう。
また、明らかに悪意のあるものや利用していないとわかるクチコミに対しても返信しましょう。
「社内で調査いたしましたが、ご投稿内容に該当するものがございませんでした」
等の事実を丁寧に述べることで、他のユーザーが「このクチコミは参考にすべきものかどうか」判断してくれるようになるからです。
注意点としては、悪意あるクチコミに対して感情的になってはいけないということです。
丁寧でプロフェッショナルな対応が求められます。
3-1.クチコミへの返信方法
3-1-1.効果的な返信の基本原則
- 迅速な対応(24-48時間以内が理想)
- 投稿してくれたことへの感謝を示す
- 謝罪と共感の姿勢を示す
- 具体的な改善策の提示
- 敬意を持った言葉遣いを心がける
- 個人情報やセンシティブな情報への言及を避ける
3-1-2.具体的な返信テンプレート
文章に自信がない場合や、誤解を防ぐ表現で丁寧に返信したい場合、店舗でテンプレートを何種類か用意しておくのがおすすめです。
3-1-3.NGワードと表現
以下のような表現は返信に入れないように注意しましょう。せっかくの信頼回復の場を台無しにしてしまいます。
- 言い訳がましい表現
- 攻撃的な言葉
- 感情的な表現
- 責任転嫁
- 過度に形式的な対応
担当スタッフが投稿する前に、社内で返信内容を一度吟味する機会を設けると安心です。
4. クチコミ削除代行業者に関する注意事項
クチコミ削除代行業者には、原則「依頼しない」ようお勧めしています。
理由は、Googleのポリシーに違反する可能性が高いからです。
実は、費用を支払っても、確実に削除される保証はほとんどありません。
不正な手段での削除は、法的な問題を引き起こす可能性がありますし、最悪アカウントの永久停止をされてしまうこともあります。
ホームページやSNSアカウントは、何とか作り直しができますが、Googleマップのオーナー登録アカウント(Googleビジネスプロフィール)は唯一のアカウントです。
作り直しが効かないため、慎重に行動しましょう。
5.不適切なクチコミへの対処
悪質なクチコミや事実無根の内容については、Googleに削除依頼を行うことができます。
報告できるのは、Google のポリシーに違反しているクチコミのみです。
申請は一つのクチコミに対し一度しかできませんので、申請作業は慎重に行いましょう。
ただし、削除されるかどうかはGoogleの審査によりますので、必ずしも削除されるわけではありません。
5-1.Googleへの削除申請方法の例
削除申請や報告の方法はいくつかあります。
具体的な方法はGoogle公式のガイドを参照してください。
- パソコンでログインしてビジネス プロフィールを管理します。
- 報告するクチコミを選択します。
- 管理するプロフィールを開きます。
- 左側のメニューで [クチコミ] をクリックします。
- クチコミで、その他アイコン 次の操作 [不適切なコンテンツとして報告] をクリックします。
参考:Google のビジネス プロフィールからクチコミを削除する – パソコン
6.悪いクチコミの再発防止と評価改善
悪いクチコミが入った時は、商品やサービスを向上させる良い機会と受け止めることもできます。
悪いクチコミの投稿を予防し、良いクチコミが増える施策を紹介します。
6-1.顧客満足度向上を目指して商品やサービスの品質改善
そもそも、期待に応えられていない場合には不満が蓄積し悪いクチコミにつながります。
がんばっているつもりでも、顧客が不満を抱えている場合があるかもしれません。
誤解を招いている点については、わかりやすい説明をするなどの改善ができます。
また、提供サービスと顧客との不一致がある場合は、ターゲットの設定が合っていない可能性があります。
どのような顧客に訴求するのかも含めて見直す良いタイミングです。
- スタッフ教育の強化
- サービス品質の定期的な見直し
- 顧客フィードバックの収集システム構築
- クレーム対応マニュアルの整備
6-2.良いクチコミを増やす努力をする
良いクチコミを増やす努力も重要です。
良いクチコミがたくさんあり、オーナーからの返信もしっかりついている環境ができていると、いやがらせ目的のクチコミは入りにくくなります。
顧客に直接クチコミを書いてもらうよう依頼したり、クチコミを書きやすい環境を整えることで、ポジティブな評価を増やすことができます。
コツコツ「よろしければクチコミを投稿していただけませんか?」と声掛けを続けましょう。
商品やサービスに満足した人は気分よく書いてくれます。
そもそも、お願いをしなければクチコミの投稿なんて気が付かないものです。
ここで注意点があります。
あくまでも善意でクチコミを書いてもらうようにしてください。
景品や割引など、何らかの特典を引き換えにクチコミを投稿してもらうことはGoogleポリシー違反となります。
過去のクチコミで改善して欲しい点があった場合、サービスを改善したらそのことを返信でお知らせするのも良いでしょう。
事業の姿勢が伝わります。
- 優良顧客への適切な感謝の表現
- サービス改善の可視化
- クチコミ投稿の促進(強制はNG)
- 特典を引き換えにしない
- クチコミ投稿に必ず返信をする
7.まとめ
悪いクチコミは、ショックを受けてしまいますし嫌な気持ちになりがちです。
しかし、冷静に対処することでポジティブな方向に変えていくこともできます。
事業の見直しを行う素晴らしい機会となるかもしれません。
とはいえ、身に覚えのないネガティブなクチコミをされてしまうと本当に精神的にキツイものであることを私たちは知っています。
普段サポートしている方々の様子を見ていると、まじめに事業に取り組んでいる方ほどショックを受けてしまうのも良くわかるのです。
まずは以下の点をおさえて対処していきましょう。
- まずは冷静になること
- クチコミについての分析をする
- ポリシー違反の場合は削除申請ができる
- 口コミへの返答でイメージの回復もできる
- ポジティブなクチコミの総数を増やす心がけをする
- Googleビジネスプロフィールを充実させる
良好なオンライン評価の維持は、一朝一夕には実現できません。
しかし、ご紹介した方法を着実に実施することで、徐々に評価を改善することが可能です。
重要なのは、クチコミを「問題」としてではなく、「改善の機会」として捉える姿勢です。
いずれビジネスの継続的な成長と、顧客満足度の向上につながっていくでしょう。
クチコミ対応は、あなたのビジネスの「顔」となる重要なコミュニケーション手段です。
誠実で前向きな対応を心がけることで、むしろビジネスの信頼性を高めるチャンスとなることを忘れずにいたいですね。