アクセシビリティ重視のウェブ制作

チャコウェブ

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米国のアクセシビリティ関連資格 Trusted Tester認証を取得しました

米国のアクセシビリティ関連資格 Trusted Tester認証を取得しました

こんにちは!
チャコウェブ ウェブアクセシビリティマネージャーの山口です。
この度、アメリカのウェブアクセシビリティに関する資格である、Trusted Tester認証を取得しました。

Trusted Tester認定証の画像

そのご報告とともに、Trusted Testerの概要や私が取得を決めた理由について、簡単にご紹介したいと思います。

 

1.Trusted Testerについて

 

1-1.Trusted Testerとは

Trusted Testerとは、アメリカのアクセシビリティに関する法律、リハビリテーション法第508条(以下、Section 508)にウェブコンテンツが適合しているかを確認する際に利用されるテストプロセスのことです。

アメリカのこの法律はSection 508と呼ばれることもあります。
ウェブアクセシビリティに触れる中で、この言葉を耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか?

 

1-2.Trusted Tester認証とは

Trusted Tester認証は、正式名称をTrusted Tester for Web on Windows certificationといいます。
Trusted Testerについて正確に理解していることを示す資格で、アメリカ合衆国国土安全保障省(DHS)が提供するトレーニングプログラムを受講し、認定試験に合格することで取得できます。

また、Section 508に適合しているウェブコンテンツが要求される場合には、Trusted Tester認証を取得しているテスターが適合試験を行う必要があります。

診断からはじめる無理のないウェブアクセシビリティ対応

 

2.受けようと思った理由

私がこのトレーニングプログラムを受講し、認定試験を受験しようと思った理由は2つあります。
1つ目は、ウェブアクセシビリティへの理解をより深めたいと考えたからです。
2つ目は、自分の知識やスキルを証明できるものがほしいと感じたからです。

 

2-1.理由1:ウェブアクセシビリティへの理解を深めたい

ウェブアクセシビリティに取り組むとき、私はいつもWCAG 2.0 解説書とにらめっこをしています。
しかし、理解が難しい部分や、個人の解釈による部分が少なくありません。
ですから、自分の考え方や捉え方が合っているのか、勘違いはしていないか、そういったことを確かめたいと常々考えていました。

近年、ウェブアクセシビリティへの注目度はどんどん上がっています。
そのためか、ウェブアクセシビリティについて学べる場というのも、増えているように感じます。

とはいえ、実務的なことを体系的に学べる環境というのはなかなか多くありません。
どうしたものか・・・と考えていた際に見つけたのが、より実践に即した内容を学べるTrusted Testerのトレーニングプログラムでした。

 

2-2.理由2:知識やスキルを証明できるものがほしい

「◯◯について知識やスキルがあります」という場合、それを証明するものがあると信憑性が上がりますよね。
例えば、資格や免許などです。

自分の知識やスキルを裏付けるものを取得し、お客様を不安にさせてしまうことがないようにしたい。
これも、しばらく前から考えていたことでした。

しかし、日本にはウェブアクセシビリティの公的な資格というのが存在しません。
そこで、アメリカの資格ではありますが、Trusted Tester認証を取得しようと決めました。

 

3.実際に受けて感じたこと

前述の通りTrusted Tester認証は、Section 508というアメリカの法律に沿ったテストプロセスに関する資格です。

「日本で仕事をしているのにアメリカの資格が役に立つの?」と考える方もいるかもしれません。
確かに、日本でSection 508に適合しているウェブコンテンツを求められることはそう多くないでしょうから、直接的にTrusted Tester認証が必要となる場面はないかもしれません。

ただ、Trusted Testerのトレーニングプログラムは、WCAG 2.0をベースにした適合テストの進め方について学びます。
WCAG 2.0と同一ではない部分も多少はあるのですが、基本的には一致した内容になっています。
つまり、このトレーニングプログラムを受講することで、WCAG 2.0への理解がとても深くなるのです。

さまざまな例を通じて適合・不適合の判断方法や改善策を学ぶことで、解説書だけでは理解できなかった点も「なるほど、そういうことだったのか!」と納得できるようになりました。

トレーニングプログラムを受ける前と後では、WCAG 2.0への理解度が格段に深まったと実感しています。

 

4.今後の目標

この資格を通じて得た知識を、実践の場でしっかり活かしていきたいと思っています。
ウェブアクセシビリティに配慮したコンテンツ制作や品質チェックだけでなく、社内での情報共有にも今まで以上に取り組んでいくつもりです。

また、WCAG 2.0についての理解が深まったことで、より多くの情報を的確に伝えられるようになったと感じています。
例えば、自分が誤解していたり、理解に苦労した点をもとに、より正確な情報を伝えられるようになりました。

これは、社内にとどまらず、運用しているXやブログ、ポッドキャストなどでも発信できるものだと思います。
ですから、このような発信にも積極的に取り組んでいきたいと思います。

この資格をただの肩書きにせず、実践的なスキルとして活用し、ウェブアクセシビリティの重要性を一人でも多くの人に伝えていくことを目指していきたいと思います。

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          この記事を書いた人        
山口 ウェブアクセシビリティマネージャー
株式会社Cyber Cats ウェブアクセシビリティマネージャー。
コーダー、ディレクターを経験する中で「使いやすいホームページ」の重要性を強く感じ、ウェブアクセシビリティ向上に取り組み始めました。
最初は個人的に行っていた活動でしたが、少しずつチームに広がり、現在は組織全体の活動となっています。
自社ホームページのウェブアクセシビリティ監修の他、社内勉強会を開いてメンバーへの情報共有や意見交換を行っています。
また、ウェブアクセシビリティをテーマにブログ執筆を行っており、基本原則の解説や自社ホームページを例に挙げて改善例の紹介などを行っています。
最近はアクセシビリティに関わる施設への取材も開始し、そこで得た経験からウェブアクセシビリティを考える活動を行っています。
詳しいプロフィールはこちらから
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