集患力向上のために、歯科医院はホームページで何ができるのでしょうか?
「そろそろホームページをリニューアルしなきゃ」
「近隣に新しく開院した歯科クリニックに、実は患者様が取られているかもしれない…」
「知り合いのドクターにSNSを勧められたけれど、どうすればいいのかわからない…」
このように、そろそろネットを何とかしようと思い立ったはいいものの、イマイチどう行動すれば良いのか悩んでいませんか?
全国の歯科医院数は約67,000件(厚生労働省調べ)にのぼり、一方のコンビニエンスストアは約56,000店ほど。
参照:令和5(2023)年医療施設(静態・動態)調査・病院報告の概況|厚生労働省
【2024年版】コンビニエンスストアの店舗数ランキング|日本ソフト販売株式会社
これだけ多くの歯科医院が存在すると、当然ながら患者の取り合いは激化しています。
そして、歯科医院を探す際には「まずはネットで情報収集」の流れが一般的になりました。
ホームページやSNSを活用し、オンライン上で効果的に情報発信できるかどうかが、新患の獲得や既存患者の維持に大きく影響を与える時代です。
しかし、ネットで十分に情報を露出している歯科医院は必ずしも多くありません。
「ネットで情報収集」された時に、選ばれるようなパフォーマンスをすることが集患に結び付きます。
「なんとなくわかるけれど、どうすればいいの?」
そんな疑問や不安を持つ方のために、今回はホームページ・SNS(特にインスタグラム)の活用メリットと具体的な取り組みを解説します。
集患力向上に役立てば幸いです。
お役立ち資料 集客できるホームページ作成の方法を解説
コンバージョンに差がつくトップページの作り方をご紹介
1.集患が難しくなっている歯科医院
2023年10月時点で、日本の歯科診療所は約67,000件とコンビニよりも多い水準です。
一方で人口減少が続いており、競争は激しくなっています。
また、歯科治療ニーズも減っています。
歯や口の状態は良くなっており、「治療」を必要としなくなってきたからです。
参考:令和4年 歯科疾患実態調査結果の概要
今後は、これまでと同じ方法で集患できる状況にはならないことが見て取れます。
2.中高年層もネットで歯科医院を選ぶ
ホームページを持つことによる患者数の違いは、来院経路のデータからも伺えます。
ある調査で中高年層(ここでは45歳以上とします)の新患827名について来院のきっかけを分析したところ、「ホームページを見て来院」が108人で全体の約13%を占めました。
参照:中高齢者の新患を集めるには? | 歯科医院経営ブログ
この数は「紹介による来院」(109人)とほぼ同じで、「通りがかり」(124人)に次ぐ主要経路となっています。
さらに、「Google検索」(70人)を含めると、ネット経由の集患は中高年層でも多いのです。
ホームページの有無や充実度によって新患獲得数に明確な差が出るといえます。
3.ホームページを活用する集患のメリット
3-1.患者の来院経路の多様化を促す
上述したように、ネット上でのパフォーマンスの高さは集患経路を増やすことに直結します。
特に、ホームページはオンラインの顔ともいえる場所。
選び放題のように存在する歯科医院選びで、しっかり露出していなければ「選択肢に入る」こともできません。
3-2.医院の強みを的確に伝えられる
どのようなことを大切にし、診療方針としているのか。
ホームページは、オンライン上で自ら発信する公式情報です。
医院の強みを伝える場を自ら作れるのです。
そして、患者様は初めて訪れる医院に対して不安を感じやすいため、事前に雰囲気や治療方針を把握できることは安心感につながります。
4.検索で自院のホームページを表示させる
ホームページでは簡単にでもSEO(検索エンジン最適化)を行い、検索結果に表示されるようにします。
先の結果で「Google検索」経由の集患が多かったように、検索エンジンからの集患はとても重要です。
AIの利用が活性化している現在、検索の形は変わるかもしれません。
しかし、「検索する」行為自体は変わらず残ると考えると、とにかくネット上でホームページが適切に表示されることは引き続き重要な意味があります。
検索エンジンに認識され、Google検索やGoogleマップ、AIによる検索で自院の情報が適切に表示されるようになります。
「地名+歯科」や「インプラント+地名」など、キーワードが入るようにします。
制作の時には、制作会社の担当者とキーワードを相談してみましょう。
5.インスタグラム活用のメリットとポイント
歯科治療が減る傾向にある歯科医院は、集患の方法を多様化させる必要があります。
ウェブにおける集客経路はさまざまあり、SNSもその一つです。
なかでもインスタグラムは日本全国で利用者数の割合が増え、歯科医院の集患手段として注目されているSNSです。
2023年11月時点、国内月間アクティブアカウント数は6,600万以上となっており、2019年の公表時点から倍増しました。
参照:【2025年2月版】人気SNSのユーザー数まとめ|X(Twitter)、Instagram、LINE、TikTokなど
かつては「若い世代」向けのSNSというイメージがありましたが、30代68%、40代57.2%、50代51.7%と全世代に利用者が広がっています。
女性ユーザーの割合も高いため、審美歯科やホワイトニングなどの施術に興味を持つ層と非常に相性が良いといえます。
5-1.インスタグラムだけで検索する層に届く
ホームページだけではリーチできなかった層にも、SNS投稿によって医院の存在を知ってもらえる可能性があります。
最近はSNSで検索をする層も増えているため、ホームページだけでは十分に集患の機会を生み出しているとはいえません。
インスタグラムは、視覚でもテキストでも見やすいため公式アカウントとして運用しやすく、近年は信頼されるSNSです。
弊社のお客様でも「インスタグラムを見て来院を決めた」と患者様から言われ、SNSをがんばる意欲につながったと嬉しい声をいただいています。
5-2.フォロワー数よりも「地域性」「ターゲット層の質」が重要
SNSを始めようとするとき、ついこのように考えがちです。
「たくさんフォロワーを獲得しなければ失敗なのでは?」
実際はそうでもありません。
たとえフォロワー数が多くなくとも、ターゲットが地域の患者層であれば、高い集患効果が期待できます。
ほとんどの歯科医院は周辺地域に住む方が対象です。
その地域住民に届けば良いのです。
影響力が強くなれば他の地域からも訪れる患者様はいますが、最初から地域外からの集患を目指すケースは多くないでしょう。
6.ホームページとSNS連動して集患につなげる具体ステップ
6-1.ステップ1:医院の基本情報・強みをホームページで打ち出す
ホームページに医院の基本情報と特徴や強みをわかりやすく打ち出します。
また、地名も忘れずに取り入れ、検索されやすいキーワードを意識して地域の患者様に見つけてもらえるホームページにします。
- 診療内容(保険適用内・適用外)
- 治療方針
- 医院理念
- スタッフ紹介
- アクセス情報
6-2.ステップ2:インスタグラムで医院の魅力を伝える
実際の治療例や医院の日常風景など、写真や動画を交えて発信します。
ホワイトニング体験や、子ども向けの設備や対応についての紹介など、患者様が気になる情報を積極的に投稿しましょう。
投稿の際にクリニックの位置情報を設定し、地域のユーザーに気づいてもらえるように工夫します。
6-3.ステップ3:ホームページからSNSへ、SNSからホームページへ導線をつくる
ホームページにはSNSリンクを設置し、インスタグラムへスムーズに誘導します。
投稿が連動して表示されるWordPressのプラグインを活用しても良いでしょう。
そして、インスタグラムのプロフィール欄にはホームページURLを記載して、初診予約フォームや問い合わせフォームへのアクセスを促します。
双方向でスムーズに移動できると集患の機会を逃しません。
6-4.ステップ4:データ分析と改善
ホームページもSNSも、「作って終わり」「投稿して終わり」ではありません。
必ず振り返り分析をしてより良い改善を目指しましょう。
Googleアナリティクスやヒートマップ
ホームページへのアクセス数や検索キーワードを分析します。
ヒートマップは、離脱している場所や熟読している場所などが可視化され、改善のヒントになります。
Instagramインサイト
どの投稿がよく見られているか、リンクをクリックしているのはどの層かを把握しましょう。
定期的な分析と改善を繰り返すことで、お問い合わせ数や予約数につながりやすい運用に近づけていきます。
7.今後はよりウェブ活用が進む
歯科医院にとってウェブ活用は今や必須といえます。
人々が情報収集に利用する媒体は多様化し、「みんなが同じものを見る」時代ではなくなったからです。
ネット上で情報収集するといっても、ヤフー検索やGoogle検索とは限りません。
むしろSNSの情報に信頼の重きを置く人もいます。
「ホームページだけあれば良い」時代でなくなった分、発信するチャネルは数が多いほど効果があります。
幸いなことに、SNSやGoogleマップなどは無料で利用することができ、予算に限りのある医院にとっても十分活用の見込みがあります。
8.まとめ
歯科医院のデジタルマーケティングは、「今から始めても遅くない」どころか、この先さらに必要不可欠なものになっていくでしょう。
ホームページやインスタグラムなど、まずはできるところから実践し、改善を繰り返すことで、確実に新患獲得や医院ブランディングにつなげられます。
「とにかく一歩踏み出してみる」ことが大切。
ぜひこの記事を参考に、自院のホームページやSNS運用を見直してみてください。