「いまさらホームページを作っても大して集客にならない」
「SNSだけで十分なのでは?」
このように考えている中小企業の経営者やウェブ担当者の方は少なくありません。
そして、こうした声を耳にするたび、私はもったいなさを感じます。
ちょっと厳しい言い方ですが、「その考え方が事業の成長機会を逃しているのでは?」と思ってしまいます。
なぜなら、ホームページは企業の「信用力」を伝える重要な情報源であり、SNSなどの他メディアと連携することで「集客の起点」として機能するからです。
今では、オンライン上での「第一印象」や「ブランドイメージ」が企業成長の要となっています。
ホームページをしっかり作り込み信頼を設計すると、広告・SNS・口コミ・営業をまとめて底上げする「信用インフラ」となります。
逆に、第一印象で「怪しい」「古い」と判断された瞬間、問い合わせボタンがいくら目立っていてもクリックされません。
本記事では、
「ホームページで特に集客できない」
「ホームページにはあまり意味がない」
と思っている方に向けて、ホームページの重要性を再認識していただくためのポイントや、SNS・Googleビジネスプロフィール・ブログとの組み合わせによって得られる相乗効果について詳しく解説します。
ホームページのリニューアルや新規作成を検討されている方や、ウェブ担当者として任命されたばかりの方の参考になれば幸いです。
1.ホームページが「必要ない」と思われてしまう理由
1-1.制作会社に丸投げして戦略がない
ホームページ制作を外部の制作会社に依頼し、その後は「できあがったから終わり」という企業も珍しくありません。
「デザインはきれいだけれど、どうやって使えばいいかわからない」
「誰が更新作業をするのか決まっていない」
内部ではこのような問題が起こり、結局更新されないまま放置される状態に陥ります。
残念なことに、ホームページに書かれている内容をスタッフが知らない、ということも少なくありません。
自社のメンバーが興味を持ち自信を持って他者に紹介できる状態ではない、ということなのでしょうか。
せっかくお金をかけてホームページを作っても、運用戦略や体制づくり、目標の設定が曖昧なままだと、集客効果を得ることは難しいでしょう。
丸投げではなく、自社としてどう活用していくかを考え、戦略的に運用していくことが成功の鍵となります。
1-2.古いホームページのまま放置している
「うちには一応ホームページがあるけれど、まったく更新していない」という声はよく聞きます。
2000年代に作ったデザインのまま、スマートフォン対応すらしていないホームページを放置している企業も少なくありません。
その結果、「全然集客につながらない」という印象だけが残り、「ホームページなんて役に立たない」と判断してしまいます。
- 情報が古い
- 今のユーザーが満足するほど情報が入っていない
- デザインが時代遅れで使いにくい
- 集客につながる設計になっていない
実際にはこのような理由で、ホームページの本来の価値を活かしきれていないために集客できていない可能性があります。
ホームページは正しくリニューアルし、情報発信を継続していかなければ、宝の持ち腐れになってしまいます。
1-3.SNSの手軽さと拡散力
昨今、個人や企業にとってSNSの存在は当たり前になってきました。
特に個人事業や小規模ビジネスの場合、InstagramやTwitter(現X)などでサービスや製品をPRし、実際にある程度の集客を実現できるケースも出てきています。
SNSは更新のハードルが低く、リアルタイムで顧客とやり取りができることから、魅力を感じるのは当然でしょう。
その手軽さゆえに「SNS一本で十分なのでは?」と考えてしまいがちです。
確かにSNSだけでも一定の集客効果はあります。
一方で、SNSでは企業としての公式情報を体系的かつ深く発信しにくいというデメリットも存在します。
プロフィール欄や投稿の制限があるため、会社概要やサービス詳細などを網羅して伝えるのが難しく、企業としての「公式感」や「信用度」を高めにくいという課題があります。
2.ホームページが「信頼感」を生む仕組み
2-1.企業の公式情報発信源としての役割
ホームページは、企業が公式に情報を発信するためのプラットフォームです。
「企業名」や「サービス名」で検索された際、公式ホームページの存在があるかどうかは大きな差となります。
SNSの場合、投稿の時系列や拡散性が強調される分、情報が埋もれやすくなっています。
情報が断片的に受け取られ誤解を生んでしまうこともあり、難しさを実感している方もいるのではないでしょうか。
一方、ホームページは会社概要やサービス説明、実績、問い合わせ方法などを包括的に整理し、体系的に届けることができるという強みがあります。
仮にSNSアカウントだけしか見つからない場合と比べて、公式サイトで細かい情報を確認できる方が「この企業はきちんと活動しているんだな」という安心感を与えられます。
2-2.ビジネスの第一印象をコントロール
例えば、飲食店を探すとき、Google検索でお店の名前を調べ、公式サイトや口コミサイトをチェックする方は多いでしょう。
もし公式ホームページが古かったり、スマホ対応していなかったりすると、利用者の第一印象はどうなるでしょうか?
「ちょっとここ、大丈夫かな?」と不安に感じてしまうかもしれません。
逆に、デザインが洗練され、最新情報が掲載されているホームページだと、まだ実際にサービスを利用したことがなくても「きっとしっかりした会社なんだろう」という印象を受けます。
これが「信頼感」の第一歩となり、問い合わせや来店へとつながる可能性を高めます。
2-3.事例や実績の公開による説得力
ホームページで事例紹介やお客様の声、受賞歴などをしっかりと示すことで、他社との明確な差別化を図ることができます。
特に中小企業の場合、大企業ほどの知名度はないため、見込み顧客に「どんなサービスをどう提供できるのか」を具体的に示すことが重要です。
オウンドメディア(自社サイトやブログ)の良いところは、自社の強みやストーリーを詳しく伝えられる点です。
SNSの短い投稿では伝えきれない内容を、ホームページで画像や動画を交えて発信することで、見込み顧客が具体的にイメージしやすくなり、信頼度を高めることができます。
3.SNS・Googleビジネスプロフィール・ブログとの相乗効果
ホームページだけで完結する時代は過去のもの。
現在は多くの企業がSNSやGoogleビジネスプロフィール、ブログなど、複数のオンラインチャネルを活用しています。
これらをうまく連携させることで、単体では得られない大きな相乗効果を生み出せるのです。
3-1.SNSとホームページの相互補完
SNSは拡散力が高く、ユーザーとのコミュニケーションがしやすいメディアです。
フォロワーに新商品の情報を素早く届けたり、投稿を何度も見られることで接点を増やしたりといった施策はSNSが得意とするところでしょう。
一方、ホームページには、商品やサービスの詳しい説明や企業としての理念、実績をまとめて掲載する場所としての役割があります。
SNS投稿 → ホームページの関連ページへ誘導
ユーザーに役立つ情報をSNSで発信し、さらに詳しく知りたいユーザーをホームページに誘導する。
ホームページの更新情報をSNSでシェア
新しいブログ記事や事例紹介ページを作成したら、SNSで告知することにより、アクセスを増やす。
このように、SNSを「入り口」として活用しながら、最終的にはホームページで詳しい情報を提供する流れを作ることで、より高い集客効果が期待できます。
3-2.Googleビジネスプロフィールで地域集客を強化
実店舗を構えているビジネス、特に飲食店やサロン、クリニックなどの場合、Googleビジネスプロフィールは非常に強力なツールです。
利用者が「地域名+業種」などで検索すると、検索結果の上部にマップとともに表示されます。
Googleマップは、目に留まりやすく存在感が高いというメリットがあります。
- 正確な住所や電話番号、営業時間を登録しておき、見込み客に「近くのお店」として認識してもらう
- 写真や最新情報を更新して、魅力的な印象を与える
- ホームページURLやSNSを設定して、詳細は公式サイトで確認してもらう流れを作る
- お知らせをこまめに更新し、サービスの状況などを通知する
Googleビジネスプロフィールは無料で使えるため、コストパフォーマンスは抜群です。
適切に運用していれば、地域検索での集客効果が飛躍的に高まります。
そして、気になったユーザーが公式ホームページで詳しい情報を得るために訪問してくれれば、問い合わせや予約へとつながる可能性が上がるのです。
3-3.ブログ運用で専門性・最新情報を発信
ホームページに併設する形でブログを運用することは、企業の専門性を示し、検索エンジン経由のアクセスを増やすために非常に有効です。
実際、多くのBtoB企業がブログを活用して、業界情報やノウハウを定期的に発信し、読者との接点を増やしています。
- ブログを書くことでキーワード検索に引っかかりやすくなる(SEO効果)
- コンテンツが増えるほど、検索経由のアクセスが累積的に増加
- 専門情報やノウハウを公開することで、見込み顧客との信頼関係を構築
「SNSでブログ更新を告知し、ブログからホームページのサービス案内ページへ誘導する」
この流れを作れば、ホームページを軸にしたオンライン集客がうまく回り始めます。
4.戦略的なホームページ作りのポイント
ホームページで成果を出すためには、単に作るだけでは不十分です。
明確なゴール設定と運用戦略が欠かせません。
ここからは、戦略的なホームページ作りを進めるうえで重要となるポイントを解説します。
4-1.目的との明確化
ホームページを作る目的は企業によってさまざまです。
- 問い合わせを増やしたい
- 商品をオンラインで直接販売したい
- ブランディングを強化したい
- 採用を強化したい
例えばこのような目的があると思います。
そして、目的によって必要な設計や機能、コンテンツが変わってきます。
まずは自社の経営戦略と照らし合わせて、ホームページの役割を明確にしましょう。
4-2.ターゲット視点の情報設計
見込み顧客が「何を知りたいのか」「どのような情報があれば安心して問い合わせできるのか」を徹底して調査しましょう。
そこからページ構成やコンテンツを考える必要があります。
- Q&A形式でよくある質問をまとめる
- サービスページで料金や納期、具体的な事例を提示する
- 実績紹介やお客様の声を通じて、第三者評価を示す
このような構成をしっかり行うことで、ユーザーが自分の知りたい情報に素早くアクセスでき、結果的に滞在時間が増えたり、問い合わせ率が上がったりする効果を狙えます。
4-3.デザインとユーザビリティ
ホームページを訪れたユーザーがスムーズに情報を得られるよう、デザインや導線の設計も重視しましょう。
派手さを追求するだけでなく、読みやすくわかりやすいUI/UXを目指すことがポイントです。
- モバイルフレンドリー対応(スマホ・タブレットでの表示最適化)は必須
- メインカラーやフォントなど、ブランドイメージを統一して企業の顔としてのホームページを作る
- CTA(問い合わせボタンなど)をわかりやすい位置に配置する
4-4.運用体制と更新スケジュール
ホームページは作って終わりではなく、継続的な更新が求められます。
新サービスのリリース情報、キャンペーン情報、最新の事例などを随時追加し、常に鮮度を保つことでユーザーの信頼を得やすくなります。
- 社内で誰が担当し、どのくらいの頻度で更新するのかを明確化
- 更新情報はSNSで告知し、定期的にアクセスを集める
- Googleアナリティクスやサーチコンソールなどを活用し、アクセス状況を可視化しながら改善を進める
お役立ち資料 集客できるホームページ作成の方法を解説
コンバージョンに差がつくトップページの作り方をご紹介
4-5.外部リソースの活用
中小企業の場合、社内に十分なウェブ運用の人材がいないケースも多いでしょう。
その場合は、制作会社やコンサルタント、フリーランスライターなど外部の専門家をうまく活用し、運用ノウハウを学びながら進めることをおすすめします。
大切なのは、完全丸投げではなく「自社の戦略を踏まえて協力してもらう」姿勢を持つことです。
5.成功事例から学ぶ
5-1.成功事例:リニューアルで問い合わせ数が倍増
ある中小企業では、古くなったホームページを全面的にリニューアルし、以下のポイントを押さえた結果、問い合わせ数が大幅に増えた事例があります。
- モバイルユーザーを意識したデザインに変更
- 事例紹介ページを充実させ、写真や導入効果を具体的に掲載
- SNSアカウントを開設し、ブログ更新や事例紹介を継続的に発信
結果として、リニューアル前は月数件だった問い合わせが、リニューアル後には月数十件へと増加。
売上の伸びにも直結し、「やはりホームページはしっかり作って運用するべきだ」という社内認識が高まったといいます。
6.ホームページは「丸投げ」ではなく「戦略的に運用する」からこそ意味がある
繰り返しになりますが、ホームページは作って終わりではありません。
むしろ、作った後の運用こそが重要なのです。
SNSやGoogleビジネスプロフィール、ブログなどと連動し、常に最新情報を発信し続けることで、ホームページは「企業の成長を牽引する資産」へと育ちます。
6-1.ホームページを「企業の中核」と捉える
「ホームページはネットに構えた本店の営業所ですよ」
こんな風にお伝えすることがあります。
ホームページの営業力は、事業に影響を及ぼします。
たとえばSNSなどは「間口を広げる媒体」としての役割が強く、一方でホームページは「情報を深く、体系的に伝える場所」です。
SNSで興味を持った見込み顧客をホームページで確実に取り込み、コンバージョン(問い合わせ・購入など)へつなげる流れを作ることが、戦略的運用のゴールといえます。
6-2.社内の意識改革をする
- 経営者自身が、ホームページを活用した集客の可能性を理解し、優先度を上げる
- 担当者をはっきりと決め、定期的に更新・運用を行う
- 外部パートナーと連携し、ノウハウを吸収しながら内製化を進める
これらの意識改革が進めば、ホームページとその他のオンラインチャネルが有機的に繋がり、「ネットで情報を得たお客様が問い合わせしやすい仕組み」が完成します。
6-3.中長期的な視点で成果を測る
SNSのフォロワー数やホームページのアクセス数だけに一喜一憂せず、実際の問い合わせや売上につながったかどうかを指標に中長期的な視点で取り組むことが大切です。
SEO対策をはじめ、ブログなどのコンテンツマーケティングには時間がかかる場合もありますが、積み上げるほどに効果が高まり、強固なビジネス基盤を築けるようになります。
7.今すぐ取り組むべき行動とは
最後に、今から取り組める具体的な行動をいくつか提案します。
少しずつでも着実に進めていくことで、「やはりホームページが重要だ」ということを社内外に実感していただけるはずです。
7-1.ホームページ制作・リニューアルの目的を再確認
目的・目標を明確にします。
これらを経営者含む関係者で共有しましょう。
7-2.社内の運用体制を整える
担当者やチームを決め、どのような頻度と方法で更新するかの基本ルールを策定します。
必要に応じて、制作会社やコンサルタントに協力を仰ぐことも考えます。
予算はかかりますが、完全に社内だけで運用するよりも早く成果を出せる可能性が高まります。
また、一度知見を得ることで長期的な運用スキルが身につけられるでしょう。
7-3.SNSやGoogleビジネスプロフィールとの連携方針を決める
SNSの投稿内容や頻度を定め、ホームページへの誘導を意識した運用を行います。
Googleビジネスプロフィールを整備し、住所や連絡先、営業時間を最新の状態に保ちます。
お客様に口コミ投稿をお願いすることもやっていきましょう。
7-4.ブログや事例紹介などのコンテンツ拡充
見込み顧客にとって役立つ情報ブログ記事を定期的に作成し、検索エンジンからの流入を狙います。
導入事例や成功実績も有効です。
成果が出るまでに時間はかかりますが、継続が何より重要で、蓄積していけば資産となります。
7-5.アクセス解析を導入し、データを見ながら改善
Googleアナリティクスやサーチコンソールを設定し、アクセス数・検索キーワード・滞在時間などをチェックしましょう。
ユーザーがどのページから離脱しているのかなどを分析し、導線を最適化する改善を繰り返します。
8.まとめ
ホームページは、企業にとって「オンライン上の顔」であり、「信頼感」を生み出す基盤です。
SNSやGoogleビジネスプロフィールを活用することで、ホームページへの流入を増やし、より深い情報を伝えることで顧客との関係を強化できます。
そこから問い合わせや売上につながれば、ホームページが単なるデジタル名刺ではなく、ビジネスの成長エンジンとして機能するようになるでしょう。
「ホームページでは集客できない」
このようにあきらめるのはまだ早いのです。
正しい戦略を立てて運用を継続すれば、確実に成果は積み上がります。
ホームページの重要性を改めて見直し、具体的な戦略と運用体制づくりに着手しましょう。
そうすれば、これまで感じられなかったオンラインプレゼンスの力を、きっと実感できるようになるはずです。
もし「自社内だけでは運用が難しい」「戦略の立て方がわからない」と感じたら、遠慮なく専門家や制作会社に相談するのも一つの手です。
大切なのは丸投げするのではなく、あくまで自社の戦略に沿ったパートナーとして協力してもらうこと。
そして、中長期的なビジョンをもって取り組めば、ホームページが企業の大きな武器になる日はそう遠くありません。