「求人を出しても、応募が来ない」
「来てもミスマッチで続かない」
「採用にお金をかけ続けるのがしんどい」
中小企業・小さな会社の採用で、いま起きているのはこの悩みだと思います。
ここでお伝えしたいのは、採用は求人媒体の中だけで完結しないということです。
求職者は応募前に、ほぼ必ずあなたの会社を検索します。
そこで見た情報から「ここなら安心できそう」「自分に合いそう」を判断して、応募するかどうかを決めます。
だからこそ、採用の成果を変える近道は採用のためのWeb運用です。
サイトを作って終わりではなく、「見られるところを整え、伝えるべき情報を積み上げ、応募まで迷わせない」運用に切り替える。
これが、じわじわ効いてきます。
今回は、私たちチャコウェブが支援先で実感している「採用に効くWeb運用」をご紹介します。
応募を動機づけるページを作る戦略を公開中。実践的だから取り組みやすい解説書です。
1.採用に効くWeb運用とは「応募前の不安を消し、働くイメージを作る」こと
採用のWeb運用でやるべきことはこの2つです。
「この会社、大丈夫?」「どんな感じの会社なの?」をなくし、ここで働く自分を想像できるようにするのです。
- 本当に実在する会社?
- どんな仕事?忙しさは?
- 人間関係は?雰囲気は?
- 自分でもやっていけそう?
- そもそも、どこから応募すればいいの?
求職者は不安だらけ。
この不安を減らした会社ほど、応募につながり、面接もスムーズで、ミスマッチも減っていきます。
2.求職者が応募前に見ている場所を知ろう
まずは、求職者がどんなことを見ているのか、気にしている事柄をしりましょう。
採用でWeb運用を始めるとき、いきなり記事を量産する前に見られている場所について知っておけば、欲しい情報を提供できるからです。
2-1.会社名で検索した結果(指名検索)
「会社名+求人」「会社名+採用」「会社名+評判」などで検索されます。
ここで公式情報が出てこないとか、情報が薄いといったことがあると、それだけで不安が増えます。
公式ホームページは信用の基礎中の基礎と言える土台ですね。
採用ページがなくても、会社概要やサービス内容から判断されます。
採用ページがあるなら、更新が止まっていないかが大事です。
「あれ、今募集してないから応募しちゃいけないのかな?」
こんな風に思われてしまうのはもったいないですよね。
2-2.Googleの会社情報(Googleマップ等)
通うことになったら、場所を調べますよね。
そんな時よく使われるのがGoogleマップです。
マップ上の情報は正しく出ていますか?
営業時間、住所、電話番号が違うだけで「管理できていない会社なのかな…」と不安になります。
また、口コミも見られます。
Googleマップの口コミにはオーナーから返信ができるため、丁寧な応対をしているとイメージアップになりますよ。
オンラインビジネスの場合はGoogleマップ登録は不可です。
2-3.SNSプロフィール(会社アカウント/代表/現場)
SNSは「社風の空気感」を掴む場所になっています。
どんな人が働いているのか、そしてどんな発信スタイルをするのかで企業の雰囲気を感じ取ります。
2-4.募集要項が載っている場所(求人媒体・採用ページ)
自社が編集・管理できる求人の場所は必ず充実させましょう。
大手求人サイトは、当然比較される場所です。
そして、自社の採用ページは「求人サイトには載らない踏み込んだ情報」を期待してアクセスします。
募集要項の内容が薄い、条件が曖昧、仕事内容が想像できない。
このようになってしまうと、応募を控える大きな原因になります。
3.採用の成果が変わる、テコ入れすべき場所
Web運用をするにあたり、効果が早く出るテコ入れ場所をご紹介します。
3-1.応募導線を「1本」にしてわかりやすく表示する
応募用メールフォーム、LINE公式アカウント、電話など、応募の窓口を1つに決めましょう。
入口が多ければ多いほど良いと思われがちですが、実際には迷ってしまい「途中で離脱」が多い実感です。
そして、「応募はこちら」とパッと目に付くように配置します。
「良さそうだから応募したいのに、どこから応募できるのかよくわからない」
このようなホームページ、意外と多いのです。
機会損失になってしまって、とてももったいないですよね。
「探さなくても応募できる手軽さ」になるよう環境整備をしましょう。
3-2.募集要項を「条件表」から「仕事の説明書」に変える
募集要項が、給与・時間・休日だけの条件表になっていることがあります。
でも求職者が知りたいのは条件だけではありません。
- 1日の流れ
- 最初の1ヶ月は何をする?
- どんな人が向いている?向かない?
- どこが大変?(ここを正直に書けると信頼されます)
- 何が身につく?
- 職場にはどんな人がいる?
つまり、「入社後の不安」を減らす説明が必要です。
文章はシンプルで構いません。
大切なのは、きれいな言葉より具体です。
3-3.「会社の空気」が伝わる一次情報を積み上げる
派手な実績よりも、日々の一次情報が採用では好まれます。
- 現場の写真(安全配慮・道具・整理整頓も伝わる)
- 仕事の工夫(品質、納期、ミス防止など)
- 社内のやりとりや学び(勉強会、振り返り)
- 新人が育つ過程(教育の仕組みが見える)
- お客様対応の姿勢(誠実さが伝わる)
これらは会社をダイレクトに感じられるので、「綺麗に作られたヨソイキの情報」よりも喜ばれるのです。
このような一次情報を積極的に発信している企業は、透明性を感じられ、求職者にも顧客にもイメージが良くなります。
チャコウェブの支援先でも、一次情報を出すようになってから採用応募が増えたお客様がいます。
応募者は、やはり「SNSを見て良い感じだと思った」とコメントしています。
面談の時点で話が早くなったり、価値観が合う方と出会いやすくなったりと、ミスマッチを減らし自社に合う人からの応募が増えるのです。
4.採用ページに載せたいコンテンツ
「そうはいっても、何を書けばいいかわからない」
このようなことで悩んでしまう方向けに、採用に直結しやすいコンテンツをご紹介します。
- 1日の流れ(朝〜終業まで)
- 先輩インタビュー
- この仕事に向いている人、向かない人
- よくある質問(残業/休日/未経験/服装/資格など)
- 仕事のこだわり(品質、安全、段取り、道具)
- 仕事の大変なところと、それに対しどう向き合っているか
- 最近の改善事例(クレームが減った、ミスが減った等)
- 代表のメッセージ
- 企業が大切にしている理念
- キャリアプラン
5.SNSで発信するコツは1つのネタを丁寧に展開すること
採用のためのWeb運用は、「発信を続けること」が重要です。
「ネタが思いつきません」
よくネタ切れのご相談をいただきますが、「すべてのネタをゼロから考える」必要はありません。
- 先輩インタビューを短くQ&A形式でショート動画配信
- 一日の流れを画像でまとめてInstagram配信
- 向いている人、向かない人の特徴をブログ記事にまとめる
- よくある質問をショート動画で配信
- 代表メッセージをYouTubeで配信
上記は一例ですが、これらをInstagramからブログ記事に文章として変えて投稿してみるなどしてみましょう。
それぞれブログ記事に変えてみたり、Instagramの投稿に変えてみたり、同じネタをさまざまなSNSコンテンツに作り替えて丁寧に発信することができます。
採用ページに載せたいコンテンツでご紹介した内容は、SNSに落とし込んで発信しても良い内容です。
6.Web運用は担当者への協力が成功のカギ
Web運用は、一朝一夕でパパっと終わるものではありません。
短期集中では効果が出ないため、担当者は長い期間コツコツと投稿を続ける必要があります。
ですから、Web運用は協力体制が成功のカギです。
あまり言われないことかもしれません。
しかし、本当に重要なことなので強調します。
任せきりにせず、社内の多くの人たちで協力するプロジェクトと認識しましょう。
- 担当者を孤独にしない
- できるだけ1人ではなくチームで取り組む
- 撮影やネタ出しはみんなで協力する
- 月に1度、振り返り会をして担当者以外も発信状況を知っておく
- 長期的に根気強く続けることが大事だと全員で理解しておく
チャコウェブの経験上、公式ホームページを見て、さらにSNSを見て応募をする流れは定着しています。
6.実際に応募してくれた人へのヒアリングもおすすめ
求職者は、応募先を探す際にかなりウェブ上の情報を頼りにしています。
実際に応募してくれた人(最近入社した人でもOK)に、どんな経緯で自社を選んだのか、ヒアリングをしてみましょう。
- 何社か見てきたが、社長の言葉が心に残ったから
- SNSで社員の皆さんの雰囲気が良かったから
- ずっとやりたかった仕事で、熱意を持って仕事をしている感じが良かったから
- お客様の声で評価が高かったから
- 良いことばかりではなく、キツイ業務もちゃんと公開していたから
- 自分の働き方に合ってそうだと思ったから
聞いてみると、さまざまな場所で情報収集をしてから応募を決めていることがわかると思います。
そして、「こういう点に着目されるのだな」という発見もあるはずです。
ぜひその辺りを伸ばしていきましょう!
7.まとめ
採用に効くWeb運用は、派手なテクニックではありません。
- 応募まで迷わせない導線をつくる
- 仕事内容の具体的な説明をして不安を消す
- 会社の空気が伝わる一次情報を発信し続ける
- 小さくても続く運用ルールをつくる
実際、これだけでもかなり効果が出ます。
今回の記事は、制作会社と一緒に協力し合いながら行うものも多いのですが、自社予算をうまく活用しましょう。
採用を強化することで得られる利益は長期的にはかなりのものです。
消費行動ではなく投資行動として、ぜひ前向きに捉えてみてください。
採用がうまくいく会社に体質改善していきたいですね。