前回の「問い合わせが増えるホームページは構成が違う。ホームページに載せる内容の決め方1」では、ホームページ全体をどんな役割で考えるか、ページごとにどんな目的を持たせるかを整理しました。
今回は、その続きです。
構成という箱が決まったら、次は中に入れるコンテンツを選ぶ番ですね。
とはいえ、こんな風に迷ってしまう方も多いと思います。
「どんな情報をどれくらい載せればいいの?」
「何から用意すればいいのかわからない…」
今回の記事では、最初に用意したいコンテンツの考え方と、代表的なコンテンツの種類を整理してお伝えします。
自社のケースに当てはめて考えやすいので、ホームページを作る時、リニューアルの時にぜひ参考にお使いください。
お役立ち資料 ホームページ作成からマーケティングのことまでよく分かる
問い合わせから納品まで流れを知り、素敵なホームページ作りをしましょう。
1.そもそも「コンテンツ」とは?
「コンテンツ」という言葉は、少し広い意味で使われています。
ホームページ全体を見たときのページ単位もコンテンツですし、その中に書いてある文章や写真、図、動画などもコンテンツです。
この記事では、次のようなものをコンテンツとして解説に使用していきます。
「ホームページを開いたときに、目に入る一つ一つのまとまりがコンテンツ」
載せるコンテンツは、ホームページトータルで以下の2つ両方を満たしている必要があります。
どちらか一方に偏ると、うまくいきません。
会社が言いたいことだけ並んでいても、お客様が知りたい情報が抜けていれば、問い合わせや来店にはつながりにくくなります。
逆に、お客様の質問には答えているけれど、会社の強みや考え方が何も載っていないと、比較の中で埋もれてしまいます。
2.最初はスターターセット、次に育てるコンテンツで揃えていく
ホームページに載せられるコンテンツはたくさんあります。
全部を最初から完璧に用意しようとすると、準備の段階でヘトヘトになってしまいますよね。
自社だけで作っていく場合は難しいでしょう。
チャコウェブでは、次の2つに分けて考えることをおすすめしています。
- 最初に必ず用意するスターターセット
- 運営しながら増やしていく育てるコンテンツ
スターターセットは、お客様にとっても会社にとっても、土台となる情報です。
ここがないと、ホームページの信頼が成り立ちません。
育てるコンテンツは、実際に運営しながら「こういう情報もあったほうが良さそう」や「お客様からよく聞かれる質問が増えてきた」という気づきをもとに、少しずつ追加していくものです。
最初の段階では、スターターセットとしておよそ5から10個程度のコンテンツを用意できれば十分です。
そこから育てていきましょう。
3.目的別に見るホームページのコンテンツ
ここからは、ホームページによく登場するコンテンツを目的別に整理していきます。
自社のホームページで何を実現したいか、目的に合わせて取捨選択していきましょう。
3-1.信頼の土台をつくるコンテンツ
最初に見た人が「誰が、どこで、何をしているのか」を確認できる情報です。
基本情報として多くの場合スターターセットに入ります。
事業概要・会社概要
会社の所在地、代表者名、事業内容、沿革などの基本情報をまとめたページです。
まずは基本に沿って必要情報をきっちり載せましょう。
運営している人や会社の姿が見えてきます。
基本情報(所在地・営業時間・対応エリア)
店舗や事務所の住所、電話番号、営業時間、休日、対応エリアなどです。
Googleマップや口コミサイトと情報をそろえておくと、検索する側にも、将来のAI検索にも誤解されにくくなります。
プライバシーポリシー
問い合わせフォームや資料請求フォームがある場合は、個人情報の扱いについて明記しておくと安心感につながります。
難しい専門用語を並べるよりも、できるだけ平易な言葉で、自社が守ろうとしていることを説明するのが理想です。
3-2.サービスを理解してもらうコンテンツ
次に、お客様が「どんなサービスなのか」「自分に合っているのか」を判断するために必要な情報です。
こちらもスターターセットに含まれることが多いカテゴリーです。
サービス・商品紹介
提供しているサービスや商品の中身を紹介する部分です。
誰のどんな悩みに対して、どんな変化を目指すものなのかを最初に書いてから、詳細を説明すると伝わりやすくなります。
メニュー・料金
料金は多くのお客様が真っ先に知りたい情報です。
toC事業、いわゆる個人向けビジネスは料金を公開するサービスが多いと思います。
一目で全体感が分かるように整理し、金額だけでなく、含まれている内容や条件などもできる範囲で添えておきます。
サービスの流れ
申し込みから完了までの流れを、数ステップに分けて説明するコンテンツです。
初めて利用する方は、どのタイミングで何が起きるかが分かるだけでも安心します。
こだわりや特徴
同じようなサービスがたくさんある中で、選ぶ理由をつくりやすくなるのがあなたの事業ならではの事柄です。
- 何を大切にしているのか
- 自社ならではの工夫はどこか
これらを言葉にして伝えることは大切です。
3-3.不安を減らすコンテンツ
サービス内容が理解できても、不安が残ると申込みまで進めません。
不安を減らすための代表的なコンテンツが、次のようなものです。
よくある質問(FAQ)
料金、契約期間、キャンセル、対応エリア、サポート範囲など、お客様からよく聞かれる質問と答えをまとめたページです。
AI検索やチャットボットに参照される情報にもなるため、丁寧につくっておく価値が高いコンテンツです。
お客様とのやり取りの中で問われやすいポイントが見えてきたら、育てるコンテンツとして増やしていきましょう。
保証・サポート
修理やメンテナンスが必要な商品、継続的なサービス提供が前提のビジネスでは、どの程度まで対応してもらえるのかを明記しておくと安心感につながります。
ルール・注意事項
キャンセルポリシーや遅刻時の対応、利用のルールなど、あらかじめ共有しておきたいこともここに含まれます。
少し言いにくい内容ほど、丁寧な言葉で先に説明しておくと、トラブル防止にもなります。
3-4.行動を後押しするコンテンツ
信頼と理解がある程度整ったら、次は行動につながるコンテンツです。
ここでようやくお客様とつながる接点づくりとなります。
どのようなコンテンツを作るにしても、「お客様が行動しやすい」仕組みと雰囲気づくりが鍵となります。
ビジネスのゴールとなる行動なので、スターターセットの中でも特に重要なコンテンツです。
お問い合わせ・相談フォーム
気軽に相談できる窓口を用意しましょう。
どんな内容を歓迎しているのか、相談の段階では料金がかからないこと、返信までの目安などをフォームの上に一段添えておくと、心理的なハードルが下がります。
資料請求・ダウンロード
すぐに相談するのはためらう方に向けて、資料やチェックリスト、テンプレートなどを提供するページです。
事前にじっくり検討したいお客様にとっての入り口になります。
来店予約・体験申込
店舗や教室、クリニックなどでは、予約や体験申込の専用ページがあると便利です。
電話、フォーム、LINEなど複数を用意すると、行動しやすくなります。
3-5.信頼を重ねるコンテンツ
初めての方は、他の人の声や実績も参考にします。
最初からすべてを揃えなくても構いませんが、「育てる」意識でコンテンツを作る用意をしましょう。
ひとつずつでも増えていくと、信頼の積み重ねになります。
信頼を重ねるためのコンテンツには、次のようなものがあります。
お客様の声
実際にサービスを利用した方の感想です。
どんな悩みを持っていた人が、どんなところを評価してくれたのかが分かると、同じ悩みを持つ人の背中を押してくれます。
事例・実績
導入事例や施工例など、写真や数値を交えて紹介するコンテンツです。
ビフォーアフターの流れでまとめると、読み手のイメージがしやすくなります。
スタッフ紹介
人が関わるビジネスでは、誰が対応してくれるのかも重要な要素です。
顔写真や簡単なプロフィールがあるだけでも、安心感が違います。
3-6.継続的な発信コンテンツ
最後に、日々の発信を担うコンテンツです。
ブログや新着情報は、育てるコンテンツの代表格です。
スタート時に枠だけ用意しておき、更新頻度は無理のないペースから始めると継続しやすくなります。
ブログ・コラム
専門的な情報や、お客様の役に立つ解説、社内の取り組みなどを継続的に発信するページです。
AI検索や通常の検索が参照する一次情報としても、大きな役割を果たします。
新着情報・お知らせ
臨時休業や営業時間の変更、キャンペーン、メディア掲載など、公式な告知を載せる場所です。
ここが一年以上更新されていないと、ホームページ全体の印象にも影響します。
4.AI検索や口コミサイトから見られる今、特に大切なコンテンツ
現在は、Google検索だけでなく、AI検索、口コミサイト、地図アプリなどからホームページが見られる機会が増えています。
その中でも、特に重要性が増しているのが、次のようなコンテンツです。
- 基本情報(会社概要・所在地・営業時間・対応エリア)
- FAQや料金表など、よく聞かれる質問に答えているページ
- 事例やお客様の声など、実際の利用者の声が載っているページ
こうしたページは、検索エンジンやAIがホームページの内容を理解する際の手がかりにもなります。
言い換えると、ホームページにある一次情報が、そのまま外のサービスにも影響しやすくなっている、ということです。
最初のスターターセットを決めるときは、このあたりのコンテンツを優先度高めに考えてみてください。
5.ビジネスタイプ別のスターターセット例
ここまでの内容を踏まえて、ビジネスタイプごとに、スターターセットの例を簡単に挙げておきます。
あくまで一例なので、自社の状況に合わせて足したり引いたりしながら見てみてください。
5-1.BtoBビジネス(製造業・運送業・ロードサービス・産業廃棄物処理など)
法人からの問い合わせや見積もり依頼が中心のビジネスでは、「どんな業務を」「どのエリアで」「どのうような設備や体制で行っているのか」が、相手企業にとっての判断材料になります。
スターターセットの一例は、次のようなイメージです。
- トップページ
- 事業案内(業務内容・対応範囲)
- 保有設備・車両、対応エリア、許認可などの基本情報
- 主要取引先や実績の紹介(書ける範囲で)
- 安全・品質への取り組みや体制
- 会社情報(所在地・沿革・代表あいさつなど)
- お問い合わせ・見積もり依頼
製造業であれば設備や製造能力、運送業やロードサービスであれば保有車両や対応エリア、産業廃棄物処理事業であれば許可番号や対応廃棄物の種類などは必ず載せましょう。
「この会社に任せて大丈夫か」を判断するための情報は、少なくとも一度はホームページ上で確認されます。
トップページから事業案内と会社情報、お問い合わせに迷わず行けるようにしておくと、検討段階がスムーズになります。
5-2.店舗ビジネス(飲食店、サロン、小売店など)
来店を前提としたビジネスでは、初めての方が安心して店舗に足を運べるかどうかが鍵になります。
このあたりが揃っていると、初めての方が不安なく来店を検討しやすくなります。
- トップページ
- メニューやサービス紹介
- 料金やコース
- 店舗情報とアクセス
- スタッフ紹介(必要に応じて)
- お問い合わせや予約
5-3.サービス業・士業(コンサル、税理士、社労士など)
専門知識や経験を提供するビジネスでは、「どのような課題に強いのか」「どんな考え方で支援しているのか」といった部分がポイントになります。
専門性が高い業種ほど、サービス内容と料金、事例の三点が判断材料になります。
- トップページ
- サービス紹介
- 料金の考え方(できる範囲で)
- 事例やお客様の声
- 会社情報
- お問い合わせ
5-4.採用も重視したい場合
上記のスターターセットに加えて、採用向けのコンテンツがあると、求職者にとって情報が集めやすくなります。
- 採用情報
- スタッフ紹介
- 働き方や社内の雰囲気を伝えるコンテンツ
6.コンテンツを選ぶときに意識したいこと
コンテンツを選ぶときに意識しておきたいポイントが3つあります。
6-1.ポイント1:顧客視点が大事
1つめは、載せるか迷ったときは、お客様側の目線で考えてみることです。
自分が初めてこのサービスを利用するなら、何を知っておきたいか。
その問いに対する答えが、コンテンツの候補になります。
6-2.ポイント2:リリースを早くする
2つめは、最初にやり過ぎないことです。
あれもこれもと欲張りすぎると、準備に時間がかかりすぎて、公開時期がどんどん延びてしまいます。
スターターセットを5から10個に絞ることを目安に、まずは公開してしまうほうが、結果的には改善もしやすくなります。
6-3.ポイント3:育てる前提で作る
3つめは、コンテンツは一度決めたら終わりではない、という前提でいることです。
運営していく中で、お客様からの質問や反応が変わっていきます。
その変化を見ながら、足りないコンテンツを足し、役目を終えたコンテンツを整理していくことで、ホームページも育っていきます。
7.まとめ
今回は、ホームページに載せるコンテンツの考え方と、代表的な種類を整理しました。
- 全てを一気に完璧にしようとしない
- 自社とお客様の両方にとって必要な情報から優先して載せる
- 時間をかけて育てていく前提でコンテンツを選ぶ
これらのポイントを軸に、自社に必要なスターターセットを決めてみましょう。
既にホームページを持っている場合でも、今から載せるべきコンテンツや、強化していくべきコンテンツが見えてきます。
定期見直しにもお使いください。