中小企業がSNSを運用するのは一般的になりました。
日々投稿を頑張っているけれど、いったい何のために?
疑問に思う瞬間がありませんか?
- とりあえず始めたものの、何を投稿すればいいか分からない
- フォロワーが増えなくて焦っている
- 告知ばかりになって反応がない
- 投稿ネタが尽きて止まってしまう
- AIで文章を作ってみたけど、手応えがない
もしこれらに当てはまるなら、運用する際の認識がズレているかもしれません。
2026年現在のSNSは、数年間で前提が大きく変わりました。
特にInstagramは、フォローしている人の投稿だけを見る場ではなく、興味関心に合わせておすすめ投稿が混ざる場になっています。
ThreadsやXも同様に、見つけてもらう仕組みが強くなりました。
つまり、フォロワーだけを追いかけていても、なかなかうまくいきません。
今回は、InstagramとThreadsを中心に、XとTikTokも含めて、企業アカウントで起きやすい間違いと、どう直せばいいかを順番つきでまとめます。
最後に、プロフィール文や固定投稿、投稿カテゴリの決め方など、今日から手を動かせるテンプレも用意しました。
これから運用を始める方にも、今運用していて見直したい方にも向いている記事です。
1.SNSのアルゴリズムは数年間で前提が変わっている
SNS運用が難しく感じるのは、あなたの能力のせいではありません。
ルールが変わったからです。
このルールに対応しつつ、ユーザーに向き合うことで光が見えてきます。
1-1.フォロー型からおすすめ型に変わっている
フォロワーに届けるだけではなく、興味関心に合う人へおすすめで届く割合が増えています。
実際、フォローしている人の投稿だけが毎回表示されるわけではないですよね。
Xのタイムラインは「フォロー」「おすすめ」と分かれていますが、「おすすめ」の表示に力を入れています。
Instagram最高責任者のアダム・モッセリ氏も、フォロワー数はあまり重要ではなくなってきたと述べています。
フォロワーが少なくても伸びる投稿は伸びますし、フォロワーが多くても反応が薄い投稿は伸びにくいのですね。
1-2.いいねより保存、シェア、視聴維持、DMが重要になった
「いいねが多ければ良い投稿」という、わかりやすい指標はもう終わっています。
見て終わりではなく、あとで見返したい、誰かに送りたい、最後まで見たい、DMで友人にシェアしたい。
このように思われる投稿が評価されやすい流れになっています。
1-3.生成AIで投稿が量産できる時代になった
文章も画像も、それっぽいものは誰でも作れます。
日々進化していて、それはもう「すごい」としか言いようがありません。
だからこそ、差がつくのは現場から得られる一次情報になっています。
実例、数字、人の空気感など。
現場間をいかに出せるか、中小企業はここが強みとなるでしょう。
これらを踏まえて、ありがちな間違いを見ていきます。
2.間違い1:フォロワー数がとにかく大事
間違っているのは、フォロワーを増やすこと自体が目的になっている点です。
「フォロワー数が多いと良くない」という意味ではありません。
フォロワーを増やすだけなら、やり方はいくつかあります。
たとえば、手当たり次第にフォローしたり、フォローで応募できるキャンペーンをしたりといった方法です。
しかし、こうして集めたフォロワーは、あなたの商品やサービスに興味がある人でしょうか?
おそらく違うはずです。
上述したように、フォロワーの数が多ければ「顧客になる」「たくさん見てもらえる」わけではないのです。
フォロワー数獲得を目指すこと自体が、あまり意味がないという認識にアップデートしましょう。
興味関心を持つ人にたくさん投稿が届くようになり、結果としてフォロワー数が増えていった、という結果が望ましいですね。
2-1.フォロワーが増えても集客できるわけではない
フォロワーが増えても反応が増えず、一向に問い合わせが増えない。
こうした状態は珍しくありません。
特に、「フォロワー数獲得」を目的に数字だけを増やすと、このような状態になってしまいます。
SNSは、フォロワー全員に投稿が必ず届く仕組みではないからです。
特にInstagramはその傾向が強いとされています。
また、フォローしなくても気に入った投稿が表示されるのが当たり前になったので、わざわざフォローしなくなったことも原因です。
実際、私が普段良く見ている投稿は、フォローしていないのに表示されるアカウントがいくつもあることに気付きました。
必要なのは、興味や関心があなたの事業に向いている人に投稿が届くこと。
フォロワー数は参考でOKです。
最初に育てたいのは、見つけてもらう力と、信頼される投稿です。
3.間違い2:バズる投稿を狙わないと意味がない
バズれば注目を浴びて集客できるイメージがあります。
しかし、こちらも正しくありません。
バズは一時的な現象です。
一時的に人が集まっても、その後さっといなくなってしまうことが多いのです。
祭りのようなものですね。
3-1.バズで増えるフォロワーには注意が必要
パッとフォロワー数も伸びますが、ここで獲得するフォロワーには注意が必要です。
本当に普段の投稿にも興味を持ってくれる人であれば、バズった後も継続して投稿見たり反応したりしてくれるでしょう。
そうではない場合、エンゲージメントの低い、つまり投稿に対して反応の薄いフォロワーを数多く抱えてしまうことになります。
これが危険なことで、反応が薄い投稿が続くと、SNSでは評価が下がってしまうのです。
そのアカウントは「ユーザーに喜ばれていない」と判断され、表示機会が減ってしまうのです。
SNS運用をする人は、バズには慎重になります。
4.間違い3:公式アカウントはキャラ立ちさせなければならない
有名な企業公式アカウントは、面白い投稿をしていたり、ゆるい雰囲気で親しまれていたりします。
つい見習いたくなりますよね。
しかし、キャラ立ちは必須ではありません。
SNSの支援をしていると、お客様からよくこんなコメントをいただきます。
「うちは気の利いた面白キャラとかできないのですが、大丈夫ですか?」
「キャラ立ちさせるのは悪くないのですが、企業イメージのバランスを取るのが難しそう…」
「社長に『ゆるキャラやってよ』と言われて困ってます…」
面白い投稿をしなくても、伸ばすことはできます。
Xの前身、Twitterの時代に著名な企業が特徴あるキャラクターを打ち出し、話題になったことから日本では「公式アカウント=キャラ作りが必須」のイメージがあります。
しかし、ユーザーは企業に面白キャラを求めているのではないのです。
普通の文体や画像でも、欲しい情報は得られるので問題ありません。
4-1.投稿から伝わるのは面白さより信頼
SNSでは、投稿から人となりを感じます。
それは、笑わせることではありません。
- 丁寧に返信する会社
- 現場を大事にしている会社
- お客様のことを考えている会社
- 安全や品質に真面目な会社
こうした姿勢が、文章の端々に出ます。
Threadsは特に会話が起きやすいので、気取らず、誠実にやり取りするだけでも十分に信頼が積み上がります。
文体は、ですます調が良いでしょう。
ビジネスメールのように堅すぎず、でも軽すぎずといった感じです。
読んだ人が安心するトーンを選びたいですね。
5.間違い4:集客のためには商品紹介、キャンペーン投稿をたくさんすればよい
すべての投稿が商品紹介やキャンペーンになっているアカウントがあります。
しかし、この運用方法はおすすめできません。
そもそもSNSは、好きな話題で楽しんだり、気になる情報を調べたり、コミュニケーションしたりする場です。
そこに売り込みだけが続くと、見ている側は疲れてしまいます。
延々と売り込み投稿のアカウント、あなたは見続けたいですか?
私は「いいえ」と答えます。
5-1.店頭では見られない裏側、深い話題が喜ばれる
では、どんな投稿が喜ばれるのでしょうか。
ポイントは、提供者だから語れる深い話題です。
たとえば、こんな投稿です。
- 製造工程の一部
- 品質管理で見ているポイント
- よくある誤解と正しい選び方
- 不良を減らすための工夫
- 現場の道具や検査の紹介
- 安全対策の習慣
- 繁忙期の工夫
- 新人育成の考え方
商品紹介や告知はあっていいのです。
ゼロにしろ、というのではありません。
割合を減らして、役立つ情報や裏側の情報を増やした方が、結果的に信頼が育ちます。
6. 間違い5:プロフィールと固定投稿が整っていない
「投稿は頑張っている」で終わっていませんか?
プロフィールの内容が足りなかったり、固定投稿がなかったりしている公式アカウントをたまに見かけます。
これは非常にもったいないことです。
おすすめで見つけてもらっても、プロフィールであなたの会社について理解されなければ終わりです。
プロフィールは集客の入り口。
この入口が弱いと、努力が成果につながりにくいのです。
6-1.プロフィール文のテンプレ
プロフィールは名刺であり、ミニ営業所です。
ここでは紹介文の作り方を簡単にご紹介します。
3行の箇条書きで作ってみましょう。
まずは、何の会社か一瞬で分かることを優先してください。
- 1行目:誰向けに何をしている会社か
- 2行目:強み、特徴、実績
- 3行目:次の行動(リンク、DM、見学、資料請求など)
例:BtoB製造
・小ロット多品種の金属加工、試作対応
・短納期と品質管理の工夫を発信
・相談はDMかプロフィールリンク問い合わせから
例:保育園
・地域の認可保育園、安心と挑戦を大切に
・園の1日、安全衛生、先生の想いを発信
・見学案内はプロフィールお電話、LINEから
6-2.固定投稿3本の作り方(Instagram向け)
Instagramは固定投稿を最大3つ置けます。
固定投稿はプロフィールの延長として利用できる会社案内と捉えましょう。
次の3本のような投稿を作ります。
- はじめまして(会社紹介、理念、誰向けか)
- 事例、実績(できることの証拠)
- 案内(サービス内容、相談方法、よくある質問)
固定投稿が整うと、新しく来た人が迷わず理解できます。
結果としてフォローや問い合わせにつながりやすくなります。
詳しいプロフィールの作り方は、チャコウェブが発行しているニュースレター記事で詳しく紹介しています。
ぜひご覧ください。
7.間違い6:投稿がバラバラで、何のアカウントか分からない
思いつきでの投稿はラクに見えますが、続きません。
ネタ切れしますし、投稿の方向性がブレます。
毎日「今日は何を投稿しよう?」と追われるように投稿するのは付疲れてしまいますよね。
そして一番の問題は、このアカウントは何の専門なのかが伝わらないことです。
ユーザーにも、おすすめ表示の仕組みにも、理解されにくくなります。
7-1.投稿カテゴリの決め方
そこで、公式アカウントでどんな投稿をしていくのか、カテゴリーを決めてしまいます。
投稿カテゴリは3〜5つに絞るのがコツです。
カテゴリが決まると、ネタ出しが一気にラクになりますよ。
おすすめの基本カテゴリ
- 現場の工夫(品質、安全、効率)
- よくある質問(Q&A)
- 事例(ビフォーアフター、利用例)
- 人(スタッフ紹介、1日の流れ)
- 告知(採用、見学、キャンペーン)
8.間違い7:投稿して終わり、交流しない
公式アカウントだから、投稿を見てもらえればそれで十分とばかり、ひたすら投稿するだけで、特にコメントが入ってもそのままになっているアカウントがあります。
SNSは交流のためにある場です。
積極的にコミュニケーションを取りましょう。
「匿名アカウントが多いSNSで、企業アカウントが交流する意味はあるの?」
疑問に思う方もいらっしゃると思います。
交流する意味は十分あります。
理由は2つで、信頼を育てることができること、SNSプラットフォームからの評価が高まることです。
- コメントをくれた人に返す
- 質問に答える
- お礼を伝える
これらは、リアルの接客とあまり変わりません。
公式の場ですから、その反応の仕方もさまざまなユーザーに見られています。
コメントに反応を返してもらったら、嬉しくなりますよね。
それを見て、さらに嬉しいコメントや応援コメントが入るかもしれません。
このように、交流が活発になっているアカウントは、SNSの評価を上げることになります。
より表示機会が増えて、見込み顧客に届くようになるのです。
9.間違い8:生成AIに任せれば伸びる
AIで投稿文を作る。
これは悪いことではありません。
むしろ、忙しい中小企業には強い味方です。
ただし、AIに任せきりはおすすめしません。
なぜなら、AIが作る文章は平均点になりやすいからです。
どこかで見た内容になり、会社の色が出にくくなります。
最近、「なんか良いこと言っているような気がするけど、ふんわりしていてよくわからない」投稿が増えました。
メッセージが凡庸といいましょうか。
生成AIが作った文章をそのまま使っているのでしょう。
たしかに量産はできますが、見る人の心に響かない投稿をいくら大量にしても、効果は出ません。
「自分は文章力がないから、AIのほうが作文が上手で全部任せきり」
こんな方が多いかもしれません。
その場合は、せめてたっぷりの一次情報を生成AIに渡してから作文してもらいましょう。
10.まとめ
SNS運用で多い失敗は、投稿が下手なことが理由ではありません。
間違った知識を前提としたままで運用してしまうからです。
SNSは、日々ユーザーの行動を見ながらアルゴリズムを変えています。
ただし、その一挙手一投足に合わせることが良いのではなく、SNSを利用する「人」の存在を意識しながら運用するのが最善の方法です。
今回ご紹介した数々の街がいがちな認識は、人ではなくSNSアルゴリズムをハックしようとして生じます。
アルゴリズムだけを追うのではなく、信頼される情報を積み上げていくことが大切です。
ここまで整うと、発信が続くようになります。
SNSは派手な一発より、地味な積み上げが一番長持ちする協力な手段です。
コツコツ続けていきましょう。