アクセシビリティ重視のウェブ制作

チャコウェブ

株式会社CyberCats

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中小企業のホームページ制作で事業の価値を引き出します。良いホームページの作り方や運営の方法、集客に役立つヒントをお届けします。

miChecker(エムアイチェッカー)を知っていますか?導入方法をご紹介

みなさん、miChecker(エムアイチェッカー)というツールをご存知ですか?
これは、総務省が開発、提供を行っているウェブアクセシビリティ評価ツールです。

ウェブアクセシビリティには、WCAG(Web Content Accessibility Guidelines)やJIS X 8341-3:2016のようなガイドライン、基準が存在します。
ウェブサイトがどれくらいウェブアクセシビリティに対応しているのかを検証する時にはこれらの基準を元にテストを行いますが、テスト項目がとても多いため検証作業は非常に大変です。

そんな大変なチェック作業の補助をしてくれるのが、このmiCheckerなのです。

今回の記事では、miCheckerをお手持ちのPC(Windows)で使用できるようにするための手順をご紹介します!

サイトのウェブアクセシビリティをチェックし、結果報告書をお渡しします

 

miCheckerとは?

miCheckerは、ウェブアクセシビリティ評価ツールです。
JIS X 8341-3:2016に基づくウェブアクセシビリティ対応の支援を目的として、総務省が開発、提供しています。
ウェブアクセシビリティ検証作業の支援を第一目的としたツールですが、関連する情報の参照がしやすいため知識の習得にも有効です。

JIS X 8341-3:2016には61項目の達成基準があり、それらが適合レベルA、AA、AAAの3つのレベルに分かれています。
適合レベルAは25項目、適合レベルAAは13項目、適合レベルAAAは23項目です。

この中には、機械的に評価できるものと実際に人が見たり使用したりして確認、評価しなければいけない項目があります。

miCheckerは、機械的に検証することができる箇所を自動で評価してくれます。
また、人力で検証することが必要な箇所の作業も支援してくれるため、効率的に検証作業を進めることができます。

参考:総務省|情報バリアフリー環境の整備|みんなのアクセシビリティ評価ツール:miChecker (エムアイチェッカー)Ver.3.0

ウェブアクセシビリティ対応のホームページ制作

 

miCheckerでできること

  • 問題がある、または問題がある可能性が高い箇所を特定して表示する
  • 人が判断すべき箇所を特定して表示する
  • 関連情報を参照しやすいようにリンクを表示する
  • 検証を支援する付属資料を提供する
  • 音声読み上げソフトを使用した時の読み上げ順や、コンテンツ到達までの予想時間を表示する
  • 高齢者や視覚障がい者の見え方をシュミレーションすることができる

 

miCheckerが活躍する場面

  • ウェブサイトやウェブページを公開する前にウェブアクセシビリティへの対応度をチェックする
  • 既存のウェブサイトやウェブページの対応度をチェックする
  • ウェブアクセシビリティに関連する知識の習得に活用する

 

注意点

miCheckerはJIS X 8341-3:2016に基づく検証を支援するツールです。
全ての検証を自動で行えるわけではなく、人が検証する必要がある箇所があります。
ツール任せにするのではなく、作業の効率化のため上手に活用することが大切です。

 

miCheckerを使えるようにするには

miCheckerをお手持ちのPCで使えるようにするために必要な手順は、大きく分けて3つです。
1つ目は環境の確認、2つ目はJavaの準備、3つ目はmiCheckerのダウンロードです。
それぞれ解説していきます!

※miCheckerの導入方法は、総務省より公開されているmiChecker導入手順書でも確認可能です。

 

環境の確認

miCheckerは以下の実行環境で利用できるようになっています。(2023年3月31日時点の情報)
まずは、お手持ちのPCが以下の条件を満たしているか確認してみてください。

【OS】Windows 10、11
【ブラウザ】Microsoft Edge
【メモリ】4GB以上
【HD空き容量】250MB以上(導入先フォルダにユーザーの書き込み権限が必要)
【Java実行環境】Java 64bit版 Version 17

なお、Javaは最初からダウンロード、インストールされているものではありません。
Javaの準備については次項でご説明します!

 

Javaの準備

miCheckerを使用するためには、Javaというプログラミング言語で書かれたプログラムを実行できる環境が必要です。
こう聞くとなんだか複雑な感じがするかもしれませんが、手順通りにやればそれほど難しくないので準備していきましょう!

なお、総務省より公開されているmiChecker導入手順書では、PCにJavaをインストールせず、Java実行環境を用いてmiCheckerを利用する方法が書かれています。
JavaをインストールせずにmiCheckerを利用したい方は、こちらを参考にしてください。

この記事では、PCにインストールする方法で進めていきます。

 

【Javaがインストールされているかどうか確認する】

場合によってはJavaがインストール済みのこともあるので、すでにインストールされているかどうかを確認しましょう。

1.タスクバー(画面下の部分)の虫眼鏡アイコンをクリックし、検索欄に「cmd」と入力して検索すると検索結果に「コマンドプロンプト」が表示されるので開く

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※WindowsロゴキーとRキーを同時に押すと「ファイル名を指定して実行」という画面が開きます。
その画面の入力欄に「cmd」と入力して「OK」をクリックすることでもコマンドプロンプトを起動することができます。どちらの方法でも構いません。

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2.コマンドプロンプトを開くと以下のような画面が表示されるので、この画面に「java -version」と入力してEnterキーを押す

コマンドプロンプトの画面 真っ黒な画面に白文字でWindowsのバージョン情報が書かれている

3.画面の内容を確認する

下記のように表示される場合はJavaがインストールされていないので、【Javaをダウンロードする】に進む

コマンドプロンプトの画面 真っ黒な画面に白文字で以下の文章が書かれている 「’java’は、内部コマンドまたは外部コマンド、操作可能なプログラムまたはパッチファイルとして認識されていません。」

下記の赤枠のようにJavaのバージョン情報が表示される場合はJavaのインストールが完了しているので、「miCheckerのダウンロード」に進む

コマンドプロンプトの画面 真っ黒な画面に白文字でJavaのバージョン情報が書かれている

 

【Javaをダウンロードする】

Javaの入手先はいくつか存在しますが、ここではOracle社のホームページよりJavaをダウンロードします。

1.下記のリンクにアクセスする
Oracle社のJavaダウンロードページ

2.上のタブで「JDK 17」を選択、その中の「Windows」を選択し、「x64 installer」の行にあるURLをクリックして、Javaのインストーラーをダウンロードする

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3.ダウンロードした場所(通常はダウンロードフォルダ)に以下のファイルが表示されていれば、正常にダウンロードされている

ダウンロードされたJavaインストーラーのアイコン ファイル名は「jdk-17_windows-x64_bin.exe」

 

【Javaをインストールする】

1.先ほどダウンロードしたJavaインストーラーをダブルクリックし、起動させる

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※以下のような画面が表示される場合があります。その時は「インストールする」をクリックしてください。

メッセージボックスが表示されており、以下の文章が書かれている 「インストールしようとしているアプリは、Microsoft検証済みアプリではありません」 下部にボタンが2つある 左は「アプリをMicrosoft Storeから入手」 右は「インストールする」

2.下記画像の画面が表示されるので「次」をクリック

Javaインストーラーの最初の画面 「インストール・ウィザードへようこそ」と書かれている 下部にボタンが2つある 左が「次」 右が「取消」

3.次の画面でも「次」をクリック
※インストール先を変えたい場合は「変更」をクリックして変更してください。今回は変更せず進めています。

インストーラーの画面に以下の文章が書かれている 「ハード・ドライブに420MBが必要です。インストール・フォルダを変更するには、「変更」ボタンをクリックします。」 その下に「変更」ボタンがある さらにその下に3つボタンがある 左が「戻る」 中央が「次」 右が「取消」

4.Javaのインストールが始まるので、完了するまで待つ

5.下記の画面が表示されたらインストール完了、「閉じる」でインストーラーを閉じる

インストーラーの最後の画面 「正常にインストールされました」と書かれている さらに画面中央に以下の文章が書かれている 「次のステップをクリックしてチュートリアル、APIのドキュメント、開発者ガイド、リリース・ノートなどにアクセスすると、JDKを初めて使用する際に役立ちます。」 文章の真下に「次のステップ」というボタンがある さらにその下に「閉じる」ボタンがある

 

miCheckerのダウンロード

Javaの準備も完了したので、残るはmiCheckerのダウンロードです。

1.総務省が提供するmiCheckerのダウンロードページを開く

2.「miCheckerのダウンロード」という項目の「miChecker_v3.0(zip形式圧縮ファイル、約75MB)」というリンクをクリックし、フォルダをダウンロードする

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3.「000874839.zip」という圧縮フォルダがダウンロードされているので、右クリックして「全て展開」を選択する

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4.展開が終わると「000874839」というフォルダができているのでそれを開き、さらにその中にある「miChecker_v3」というフォルダも開く

5.「miChecker_v3」というフォルダの中にmiCheckerが入っているので、試しに起動してみる

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6.このようにmiCheckerが起動されれば、ダウンロードは完了

miCheckerの最初の画面 「miCheckerへようこそ」というタイトルがあり、利用ガイドなどのリンクが張られている

 

免責事項

miCheckerをダウンロードした際に同梱されている「3_利用条件.pdf」では以下の記述があります。

3.免責事項について
miCheckerおよび動作に必要なJavaの実行環境を、インストールまたは使用したことにより生じた、直接的または間接的な損失、損害等について、いかなる場合においても一切の責任を負わないものとします。

全て各利用者の責任において、本ソフトウェアのインストールまたは使用を行ってください。

参考:総務省:みんなのアクセシビリティ評価ツール:miChecker (エムアイチェッカー)Ver.3.0

チャコウェブでも同様に、miCheckerおよび動作に必要なJava実行環境のインストール、使用において生じた直接的または間接的な損失、損害等については、いかなる場合においても一切の責任を負わないものとします。
インストールや使用については自己責任で行っていただきますよう、ご了承ください。

 

まとめ

今回の記事では、miCheckerをお手持ちのPCで使用できるようにするための手順について解説しました。

ウェブアクセシビリティを検証する時には、非常に多くの項目をチェックする必要があります。
全てをツール任せにできるわけではなく、目視での確認が必要な箇所もたくさんありますが、こういったツールを上手く活用して、効率的にウェブアクセシビリティ対応を進めていきたいものですね。


          この記事を書いた人        
山口 ウェブアクセシビリティマネージャー
株式会社Cyber Cats ウェブアクセシビリティマネージャー。
コーダー、ディレクターを経験する中で「使いやすいホームページ」の重要性を強く感じ、ウェブアクセシビリティ向上に取り組み始めました。
最初は個人的に行っていた活動でしたが、少しずつチームに広がり、現在は組織全体の活動となっています。
自社ホームページのウェブアクセシビリティ監修の他、社内勉強会を開いてメンバーへの情報共有や意見交換を行っています。
また、ウェブアクセシビリティをテーマにブログ執筆を行っており、基本原則の解説や自社ホームページを例に挙げて改善例の紹介などを行っています。
最近はアクセシビリティに関わる施設への取材も開始し、そこで得た経験からウェブアクセシビリティを考える活動を行っています。
詳しいプロフィールはこちらから
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