ブログを9年間運用してきた経験から実践的なアドバイスを得意とし、コンテンツ発信を活用して企業の価値を高めるサポートをしています。
400件を超える中小企業のホームページ制作に関わり、SEO、コンテンツマーケティング、ライティングの知識を使ったコンテンツ制作で利益につなげる制作ディレクションと利益獲得のアドバイスをしてきました。
ウェブの情報発信力を存分に活用する考え方を基礎からお伝えし、運用能力を身につけていただくお手伝いをしています。
詳しいプロフィールはこちらから
ヤマ編集長のXはこちら
前回の記事では、自社の商品やサービスを購入してもらうためにペルソナを設定する重要性についてお伝えしました。
しかし、現在のようにニーズが多様化している状況で、企業がペルソナを設定し、顧客に対してアプローチするだけでは商品はなかなか売れません。
ペルソナを設定した次に行うべきことが、「カスタマージャーニー」の作成です。
カルビー、全日空、Uber、Airbnbなど、カスタマージャーニーを作成しペルソナにアプローチすることで大きな成果を上げている大企業があります。
また、大企業だけでなく、中小企業・個人事業主の中にもカスタマージャーニーを活用することで成功している事例も出てきています。
今回は、コンテンツマーケッターの立場から、カスタマージャーニーについて説明していきたいと思います。
今回紹介するポイントを押さえれば、
設定したペルソナに対して、働きかけるべき行動が具体的に見えてきたり、マーケティングのよりよいアイディアが浮かんだりするはずです。
マーケティング初心者の方でも分かりやすいようにまとめていますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
「カスタマージャーニー」とは、顧客が商品を知って、購入し、さらに購入後の行動(リピート購入・評価・口コミなど)までの一連のプロセスを予測することです。
顧客の行動を旅に見立てて、「カスタマージャーニー」と呼ぶようになりました。
※カスタマージャーニーのプロセスを図式化したものをカスタマージャーニーマップといいます。
参照:弊社で使用するカスタマージャーニーマップ
カスタマージャーニーの具体例としては以下のようになります。
・気温が下がって寒くなる
↓
・冬用のアウターが欲しい
↓
・ZOZOTOWNで検索して3~4万円のものを何点か見つける(知る)
↓
・他のサイトで同じようなものやより安いものがないかを探す
↓
・結局、ZOZOTOWNの3万5000円のアウターを購入する
↓
・満足したので、春用のシャツもZOZOTOWNでリピート購入する
カスタマージャーニーがどういったものかおおよそのイメージがつかめたでしょうか。
カスタマージャーニーという手法が現在のマーケティングにおいて必要になった理由は、以下の2点からです。
では、詳しく説明していきましょう。
かつては、市場に物が足りていなかったことや顧客のニーズも均一であったため、テレビCMを流したり、チラシを大量に配ったりと人海戦術を行えば商品が売れました。
そのため、資金力がある大企業にとって有利な市場でした。
しかし、市場に同じような商品が溢れ、顧客のニーズが多様になってくると、今までの方法では商品が売れなくなりました。
顧客が情報を得る手段もインターネット、テレビ、SNS、雑誌など多岐にわたり、宣伝する媒体を限定することさえ難しくなっています。
小さい市場ではあるが的確にニーズ満たす企業や個人が求められるよう市場が変わってきたのです。
そのため、顧客の考えや行動を細かく分析し、顧客の状況に合わせた適切なアプローチができるカスタマージャーニーが必要になるのです。
カスタマージャーニーは、ペルソナの行動を予測するため根拠の伴った事例やデータが必要となります。
以前は、顧客の行動を把握する必要もありませんでしたし、顧客が取る細かい行動を予測できなかったり根拠やデータが揃っていなかったりと、カスタマージャーニーを行うにはあまり向いていませんでした。
しかし、スマートフォンが普及し、インターネット・SNSを使って商品を探したり、購入したりするようになると徐々に顧客の行動がつかめるようになってきます。
また、経済産業省が公開するビックデータを利用できるなど、カスタマージャーニーを使える状況が整ってきています。
参照:地域経済分析システム
実際に、カルビーもカスタマージャーニーの手法を活用して「フルーツグラノーラ」という朝食用食品の年間売り上げを35億円から143億円にまで伸ばしています。
根拠の伴った事例やデータが手に入る現在の環境において、カスタマージャーニーは非常に有効なマーケティング手法となっているのです。
では、実際にカスタマージャーニーを作成して、時系列に変化する顧客の行動・思考・感情を予測するとどんなメリットがあるのでしょうか。
詳しく説明していきたいと思います。
マーケティングの部署だけでも、広告の記事を書いたり、サイトを作成したり、販売促進の広告を考えたりと色々な役割があります。
時間をとって顧客への共通理解を深めないと、自分の仕事に追われて楽をしたり、評価につながったりすることを優先しがちになります。
その場合、最も大切な顧客視点に立った判断ができなくなってしまいます。
カスタマージャーニーを行い、顧客への理解を深めることができれば、顧客が満足してくれるかといった本来のゴールに向かった判断ができるようになります。
また、開発者目線になっている場合、時折カスタマージャーニーを行うことによって顧客目線に立っているかチームの方向性を修正することができます。
「商品を知る」「他の商品と比較する」などペルソナの置かれている状況によって、効果的なアプローチ法は変わります。
自社商品が認知されていない段階で、値下げやセールを打ち出すことは有効なアプローチとはいえません。
自社の設定したペルソナが購入のプロセスにおいてどの段階にいて、どんなアプローチをするべきか判断するのにカスタマージャーニーを行うべきです。
カスタマージャーニーマップを使って、過去の判断を振り返ることで、次にどんな手をうつべきかも見えてきます。
例えば、宣伝するためにSNSを使って反応がよかったから、値下げの時にもSNSを使ってみようというようにペルソナへのアプローチに一貫性が出てくるようになります。
カスタマージャーニーマップを使って打ち合わせを行うことで、チーム内において考えの共有が進みます。
また、普段からカスタマージャーニーマップを使ってペルソナについてチームで話す習慣ができると、それまで気付かなかったペルソナの考えや行動、自社商品の課題が見つかりやすくなるということもあります。
最後に再度まとめます。
カスタマージャーニーについて以下の通り、お話しいたしました。
今回紹介した内容で、カスタマージャーニーについて十分ご理解いただけたかと思います。
次回は、実際のマーケティングで活用するため、カスタマージャーニーのやり方やマップ作成の仕方を紹介していきます。