「うちは小さい会社だから、ホームページにそこまで情報を載せなくても…」
「ホームページばかり立派にするのは気が引けるんですよね…」
中小企業の皆様の中には、こんな遠慮の言葉を口にされる方は少なくありません。
果たして「規模が小さい会社はホームページに力を入れなくて良い」、本当にそれが正解なのでしょうか?
私は、明確に「違います」とお伝えしています。
実際には、規模が小さい企業ほど自社ホームページに力を入れ、豊富な情報を発信することが重要です。
ポイントは以下を満たすこと。
- 見やすく使いやすいデザイン
- ホームページを見ればその企業のことがほぼ丸わかりになるほどの情報量
小規模な事業者がホームページをリニューアルしてイメージを刷新したところ、問い合わせが5倍になった事例もあります。
今回は、なぜ中小企業ほどホームページの内容充実が集客につながるのか、その理由と事例について解説します。
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1.中小企業に情報発信が欠かせない理由
名前が知られていない企業ほど、まずは存在を知ってもらうことが集客の出発点です。
私たちのような中小企業は、自分たちから情報を発信しなければお客様に見つけてもらうことが難しい状況だと認識しておくべきでしょう。
特に今は、インターネット上で会社の情報を見つけてもらえなければ、新規顧客との接点は生まれにくいと言えます。
最近では、検索エンジンだけでなく、AIで情報収集をする人も増えています。
情報発信をしていない会社は、今後ますます「存在していない」も同然の扱いになってしまうかもしれません。
なぜなら、検索エンジンもAIも拾える情報の中からしか答えを出せないからです。
つまり、会社概要やサービス内容、強みなどをネット上に出していなければ、そもそも候補に入れないということになります。
2.社名で検索してもらえる存在になるには、まず「課題を解決してくれる相手」として発見されること
「〇〇をするなら△△社」
このようにイメージがパッと思い浮かぶのは、多くの場合大企業です。
無名の中小企業の場合、最初から社名で検索してもらえることはほとんどありません。
人は通常、自分の課題を解決してくれるサービスや商品を検索します。
キーワード検索をしたり、AIでより具体的な言葉を入力しておすすめを確認したりするのが一般的な手順です。
キーワード検索の場合、お客様は「○○(地域名) △△(サービス内容)」のように探します。
そこでヒットするためには、ホームページ上に自社の事業内容や強み、地域名などユーザーが探しそうな情報をしっかり掲載しておく必要があるのです。
実際、不動産業界でも「自社の得意分野で検索されたときにピンポイントで選ばれるホームページづくり」が重視されています。
ホームページでの情報の見せ方・出し方が、これまで以上に重要になってきています。
3.ホームページの情報量を増やして問い合わせが5倍になった保育園
情報発信の効果を端的に示す例として、ある保育園の事例をご紹介します。
老朽化したホームページを全面リニューアルし、同時にInstagramも新たに開設しました。
ホームページには園の理念や日々の保育の様子など、豊富なコンテンツを掲載して「見える化」を図りました。
その結果、保護者や地域への伝わり方が大きく変わったといいます。
リニューアル後は、見学申し込みや入園に関する問い合わせが前年と比べて5倍に増加しました。
園長先生も「最初はネット活用に苦手意識があった」のですが、発信した情報が現代の保護者にマッチして好評だったことで積極的な姿勢に変わりました。
今ではInstagram発信者として園の雰囲気を積極的に伝えています。
4.街の不動産の強みを打ち出した情報発信ホームページで売買の問い合わせが増加
小さな街の不動産が「問い合わせが増えすぎて手が回らない」ほどになった事例もあります。
大手では取り扱いが難しいとされる案件でも、小回りが利く街の不動産ならではの強みを生かして顧客の悩みを解決する不動産会社です。
リニューアル前のホームページは、名刺代わりに近い簡単な業務説明と会社概要が分かる程度のものでした。
リニューアルでは、お客様からよく寄せられるお悩みを掲載し、解決の糸口や対応可能であることを情報として公開。
デザインも洗練させたところ、「売買の問い合わせが増えて忙しく、集客のためのSNS発信を後回しにしています」という近況報告をいただいています。
5.ホームページに加えSNSやブログ、Googleプロフィールの活用も重要
効果的な集客のためには、ホームページ単体だけでなく複数の情報発信チャネルを活用することも大切です。
ホームページは詳しい情報を掲載する拠点になりますが、SNSやブログで日々の情報発信を行えば、より多くの人の目に留まる機会が生まれます。
さらにGoogleビジネスプロフィール(Googleマップ)を充実させておけば、地図検索やローカル検索で見つけてもらいやすくなります。
特に、最近はGoogle検索の「AIモード」でGoogleマップの情報をよく参照されることから、Googleビジネスプロフィールにある情報の充実度はより発見されるための重要な要素となりました。
また、Instagramの投稿もGoogle検索に拾われるようになったため、投稿で「見つけてもらう」可能性がさらに高まっています。
6.まとめ
中小企業が集客力を高めるには、「自社が思っている以上に世間は自社のことを知らない」ことを前提に、積極的な情報発信を行う必要があります。
ホームページを充実させ、SNSやブログ、Googleプロフィールなどあらゆる手段で情報を発信し続ける企業こそが、これから選ばれる存在になります。
どんな情報を発信すべきかというと、自社の魅力や強みを言葉にして届けること、お客様が疑問に思うことを先回りして解決することです。
最初は「うちには大した情報はない」と感じるかもしれませんが、一度発信を始めてみれば周囲からの反応が変わり、その重要性に気付くことができるでしょう。
小さな会社だからこそ実現できる価値を世の中に発信してみませんか?
より多くの情報を出す企業が、より多く「発見される」機会を得られるのです。