ホームページで購入や利用の判断をするとき、人は「今すぐ知りたい疑問」を抱きます。
そこで役立つのがFAQ(Frequently Asked Questions/よくある質問)です。
FAQ(よくある質問)を作成しておくと、お客様にも企業にもメリットがあります。
FAQは単に問い合わせを減らす「便利機能」というだけではありません。
顧客体験の向上・業務効率化・事業改善という3つの大きなメリットをもたらす優秀な戦略コンテンツです。
チャコウェブでも、よくお客様に「よくある質問はとことん充実させましょう」とお伝えしています。
しかし、よくこんな声もいただきます。
「よくある質問コンテンツは別に必要ないのでは?」
「質問があれば問い合わせてもらったほうが良いのでは?」
「何を書けばいいのか、あまり内容が思い浮かびません…」
実は、よくある質問があるだけで顧客満足度が向上することもあるのです。
本記事では、FAQを設置する目的とメリットを理解し、だれでも作成できる具体的な作成手順を解説します。
1.FAQをホームページで作成する4つのメリット
1-1.顧客満足度が向上する
疑問を持ったらその場(ホームページ内)で解決できると、ユーザーのストレスが軽減し満足度が向上します。
たとえばECサイトで「返品はできるのかな?」と迷った時、FAQで「未開封なら14日以内返品OK」と明示されていれば、ユーザーはその場で不安を解消し購入へ進めます。
逆に、FAQがなく「ご質問はお問い合わせください」としているホームページならどうでしょうか?
ユーザーは、そこまで強く「欲しい」と思っていない場合、行動的ではありません。
「よくわからないからやめておこう」
「わざわざ問い合わせるのは面倒だな」
このように考えると、離脱してしまいます。
つまり、FAQは自己解決できる設計を提供していることになります。
ちょっとした疑問はすぐその場で解決したいですよね。
ユーザーのニーズを満たすなら、FAQは用意しておくべきです。
また、このような経験はありませんか?
- サービスや商品について問い合わせしようと思ったら営業時間外だった。
- 昼休みを利用して電話をしてみたが混雑していて電話がつながらなかった。
- メールで問い合わせを送ったがなかなか返事が来ない。
- 後で問い合わせようと思ったけれど、結局そのまま行動しなかった。
今、疑問や困りごとがあるお客様にとって、解決まで時間がかかる、対応の時間が限られていることはストレスになります。
問い合わせの内容の何割かは、FAQページを見るだけで解決する疑問は多いものです。
つまりは、FAQをしっかり作っておけばお客様のストレスは軽減されるということでもあります。
営業時間外でも知りたいことを知る事ができるというのはお客様にとって大きなメリットになります。
1-2.本来業務へリソースを集中できる
問い合わせ件数・対応時間を削減できる
問い合わせ対応にかける手間やコストが軽減すると、スタッフが本来の業務に集中できる時間や労力を増やせます。
コールセンター大手の調査によると、FAQ整備後は平均35〜40%の問い合わせが減少したケースもあります。
クレームを予防できる
FAQの充実は、クレームを防ぐ効果もあります。
「知らなかった」「聞いていない」という齟齬はクレームの温床。
つまり、説明や情報が足りないことでクレームに発展するのです。
FAQを充実させておけば、事前に伝えられるのでトラブルを減らせます。
1-3.事業の課題が可視化される
「よくある質問」は、ユーザーがつまづくポイントです。
ユーザーがつまずくポイントは、サービス設計や顧客体験の改善余地を示すシグナル。
「この質問は何度も受けるな」
このような時には、改善のチャンスと捉えることで商品・サービスが改善できるでしょう。
1−4.AI検索対策、SEO対策にも効果がある
FAQは、ホームページ内のポイントとなる有用な情報が詰まったコンテンツです。
ユーザーの利益となるコンテンツであるため、AIや検索エンジンなどのロボットが読み込んでくれ、情報表示に使用してくれます。
2.FAQ作成の3ステップ
ステップ1:よくある質問項目を網羅的に収集する
お客様から受けた問い合わせメモを残しているなら、洗い出してみましょう。
以下を見直してみるのもおすすめです。
メール
チャット
電話メモ
SNSのコメント
社内でヒアリングも実施します。
営業やサポート担当者は、お客様からよく質問されることがあるはずです。
これらで十分に集まらない場合や、開業前でお客様からの問い合わせを受けた経験がない場合、生成AIによくある質問れいをいくつか出してもらうのもおすすめです。
自社に合致する内容をピックアップしたり、編集したりすることで、お客様が抱くであろう疑問を解決するコンテンツを作成できます。
ステップ2:お客様目線での回答づくり
質問に対する回答文は、お客様が理解しやすい設計を心がけます。
回答は結論を先に伝えます。
「◯◯はできますか?」
「◯◯はありますか?」
といった問いに対しては、冒頭で「はい、あります」「いいえ、ありません」とひと目で理解できるようにします。
否定文がキツい印象になりそうで気になる場合は、以下のような表現をしてみてください。
「申し訳ございませんが、◯◯はできません/ありません」
また、専門用語は極力使わず、わかりやすい表現を心がけましょう。
疑問を解決する場ですから、とにかく「わかりやすさ」が大事です。
ステップ3:探しやすい仕組みづくり
FAQは、ユーザーが自分の抱えている疑問に該当する問いを探しやすく設計するようにします。
正解は一つではないため、いくつかのアイデアをご紹介します。
「購入前」「配送」「利用中」「トラブル時」「支払いについて」などシーン別にグルーピング
サービス全体の流れに沿って時系列に並べる
もっとも多い質問を上の方に配置する
また、ホームページのトップページにFAQのダイジェスト版を少し掲載しておくのもおすすめです。
トップページをさっと眺めているうちに浮かぶ疑問などをトップページで紹介し、さらに詳しくは下層ページにボタンリンクをつけて誘導しましょう。
疑問を解消する助けになり、より申し込みや購入などのコンバージョンに近づきます。
3.FAQの活用と問い合わせ誘導
FAQで解決できなかった読者は「問い合わせチャネル」へ送客します。
また、個別具体的な対応が必要なことについても同様です。
「◯◯の対応をご希望のお客様は、お問い合わせフォームよりご連絡ください」
などの案内文とともに、問い合わせフォームへのボタンリンクをつけるなどします。
問い合わせフォーム
電話
LINE公式アカウント
チャット など
4.FAQは定期的にブラッシュアップする
FAQは、一度作って終わりではありません。
内容が古くなることがあるため、定期的に見直してブラッシュアップが必要です。
新しく追加することもあるでしょう。
最近聞かれることが増えた質問を追加する
情報を新しくする必要が出てきた項目を書き換える
すでにあるFAQの項目がわかりにくいと感じたものを修正する
不要な項目を削除する
FAQはこまめに更新できるよう仕組みを作っておく
ホームページのコンテンツの中でも、FAQは比較的こまめな更新が必要になります。
ですから、ホームページを作成する際、自社で更新や削除、書き換えができるような仕組みにすることがおすすめです。
もしくは、制作会社と定期更新やメンテナンスを契約をして依頼する場合、FAQの更新についても想定しておくと良いと思います。
技術的なことなので、ホームページ制作の担当者に相談してみましょう。
5.まとめ
FAQは、ホームページを制作したりリニューアルしたりする際にあまり注目されていませんが、重要なコンテンツです。
顧客満足度を左右し、業務効率も向上させられるなら、充実させない手はありませんよね。
ゼロから作る時には少し手間がかかりますが、お客様がよく抱く疑問や課題を可視化できる良い機会でもあります。
商品・サービスのかいぜんについても意識しつつ、FAQを作り上げていきましょう。
一度作成すれば、メンテナンスは難しくありません。
鮮度を保てば、離脱を防ぎ集客に貢献します。
既にFAQを作成済みの企業でも、ぜひ見直してみてください。