Googleで店名やサービスを調べたお客様が、来店や問い合わせの直前に必ず見ている場所はどこだと思いますか?
多くが、Googleの検索結果やGoogleマップに表示されるお店の情報です。
これがGoogleビジネスプロフィール(GBP)です。
この記事を読んでいる方も、何気なく星の数やレビュー、メニューの写真、営業時間などをチェックしていると思います。
Googleビジネスプロフィールは、無料で使えて地図にお店を出せる仕組みのことで、それらを編集や管理できるものです。
とはいえ、こんなふうに感じていませんか?
「管理なんて自分にできるの?」
「登録はしたけれど、そのまま放置している」
「MEO業者に頼んだほうがいいのか、自分でやれるのか分からない」
「AI検索が広がると、地図やお店探しはどう変わるの?」
2026年のいま、GBPは3つの役割を兼ねるようになってきています。
一つ目は、地図で見つけてもらう入口です。
二つ目は、AIにお店の情報を渡す窓口です。
三つ目は、指名検索したお客様が最後に確認する場所です。
この記事では、GBPで何を整えどう運用すればいいのかを、日本の最新データとGoogleの公式情報をもとに解説します。
設定の細かい話に入る前に、まずは「お客様が地図と口コミで何を確かめようとしているのか」から見ていきましょう。
1.2026年、お客様は「地図と口コミ」で来店を決めている
「ホームページを見てもらえれば、よさは伝わるはず」
そう思いたくなりますよね。
ですが、お客様の側に立つと、ホームページにたどり着く前に、地図と口コミで「行くかどうか」をほぼ決めている、という現実が見えてきます。
実際、調査でこんな数字が出ています。
過去3か月以内にGoogleマップでお店を探した人のうち、約73%が実際に来店した、という結果です。
参照:株式会社トライハッチ「73%のユーザーがGoogleマップ上での行動後に来店したと回答」(PR TIMES, 2024年6月14日/全国・1,090名・2024年5月調査)
しかも、比較したお店は「3店舗以内」が約68%でした。
お客様は、たくさんのお店をじっくり見比べているわけではないのですね。
短い検討のなかで「ここにしよう」と決めているわけです。
口コミの影響も大きく出ています。
口コミを読んで「行く」「やめる」と行動が変わる人は、約7割いるという調査があります。
参照:株式会社mov(口コミラボ)「Googleマップ・口コミの利用動向に関する消費者向けアンケート【2023年最新】」(全国・996名・2023年5月調査)
さらに、お店の星評価が3.5点以下だと、ネガティブな印象を持つ人が75%にのぼる、という結果もあります。
参照:株式会社トライハッチ調べ(662名・2024年4月調査)
これは、規模の大きいお店より、地域に根ざした中小のお店ほど効いてくる数字だと考えています。
1-1.お客様が見ているのは「順位」より「写真と口コミ」
「それなら、Googleマップで1位を取らないと意味がないのでは?」
そう身構えてしまう方も多いのではないでしょうか。
しかし、お客様の実際の行動を見るとそうではないようです。
飲食店を選ぶときに重視されているのは、料理写真が27.5%、口コミが26.2%、店内写真が15.6%でした。
一方で、表示順位を「あまり気にしない」という人は34.8%もいました。
参照:株式会社トライハッチ「飲食業界のGoogleマップ・MEO対策は順位より〇〇!?」(MEOチェキBLOG, 2023年)
つまり、無理に3位以内を狙うことより、検索結果の1ページ目に入りつつ、写真と口コミを充実させるほうが現実的だということです。
お客様は、失敗したくないから、写真と他のお客様の声で確かめているのですね。
1-2.中小企業こそGBPで戦える理由
GBPの良いところは、広告予算の大きさで勝負が決まらない点です。
無料で使えて、お店の中身そのもので選んでもらえる場所だからです。
実際、店舗集客の主戦場は地図へと移ってきています。
国内のMEO市場規模は、2024年度の108億円から、2028年度には196億円規模まで伸びると予測されています。
参照:矢野経済研究所「MEO市場に関する調査を実施(2025年)」(2025年9月16日/同社推計)
私たちチャコウェブでも、地図の情報を整えただけで「電話が増えた」というお声をいただくことがあります。
大きな広告費をかけなくても、できることから始められるのがGBPの良さだと思います。
2.Googleマップで見つけてもらう仕組みを知っておこう
「そもそも、Googleマップの表示順位ってどう決まっているの?」
ここが分からないと、何を頑張ればいいのか見えてきませんよね。
Googleは公式に、ローカル検索の順位が3つの要素で決まると説明しています。
「関連性」「距離」「知名度」の3つです。
参照:Google ビジネス プロフィール ヘルプ「Googleでのローカル検索結果の掲載順位を改善する」
関連性は、お客様が探しているものと、お店の情報がどれだけ合っているか。
距離は、お客様の今いる場所からの近さ。
知名度は、口コミの数や評価、ほかのサイトからの紹介や、どれだけ広く知られているか、です。
大事なのは、Googleは「お客様の質問に一番ふさわしいお店」を出そうとしている、ということです。
順位対策とは小手先のテクニックではなく、お客様の探し方に正直に応えることだと考えています。
2-1.カテゴリを適切に選ぶ
お店の情報のなかでも、最初に整えたいのがカテゴリです。
主カテゴリを1つと、追加カテゴリを最大9つまで設定できます。
参照:Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ビジネス プロフィールを編集する」
このとき、主カテゴリはできるだけ具体的に選ぶのがおすすめです。
たとえば飲食店なら「レストラン」とぼかさず、「寿司店」のように、お客様が実際に検索する言葉に寄せます。
なお、検索にひっかけたいからとキーワードを詰め込む使い方は、Googleのルールで禁止されています。
関連性の低いものを選択してはいけません。
2-2.知名度は「口コミ」で育つ
知名度を上げると聞くと難しそうですが、その大きな部分を占めるのが口コミです。
口コミの数と評価が、順位にも影響してくるからです。
ですから、口コミをどう集めて、どう返信していくかが次の鍵になります。
私自身は、基礎を固めたらあとは口コミを育てるのがGBPの重要な施策だと考えています。
この口コミの運用については、このあとの章でも触れていきます。
3.GBPはAI検索の「事業者情報の引用元」になってきている
「AIにお店を紹介してもらう存在になりましょう」
私たちは、最近このようにお客様にお話しています。
普段AIを使わない方は「ん?それってどういうこと?」と思われるのですが、最近は検索エンジンを使わず、AIチャットでお店やサービスを探す人が増えているのです。
GoogleのAI Overviews(検索結果の上に出る、AIによる要約)は、日本でもすでに使えるようになっています。
参照:Google 検索ヘルプ「AI Overviews」(200以上の国・地域、日本語を含む50以上の言語で提供)
このAIは、地域に関する質問にも複数の情報源を参照しながら答えています。
では、その情報源にお店の情報を渡すには、どうすればいいのでしょうか。
その窓口になるのがGBPです。
Googleは公式に、お店の情報を整理した「ナレッジグラフ」には、事業者から直接受け取った情報も組み込まれる、と説明しています。
参照:Google ナレッジパネル ヘルプ「ナレッジグラフの仕組み」
GBPは、お店が自分でGoogleに正確な情報を渡せる、数少ない窓口なのですね。
お客様がAIに「この辺でおすすめは?」と聞いたとき、AIはこうした情報を見ています。
なぜかというと、AIは実際に街を歩き回って良いお店を比べるわけではないため、地図上にある情報を頼りにしているからです。
GBPを整えることは、お客様の質問にAI越しでも答える準備をすることだと考えています。
なお、AI検索が日本のお店探しにどこまで影響するか、はっきりした数字はまだ出そろっていません。
ここは今後変わってきそうな分野なので、動きを見ながら備えておくくらいがちょうどよいと思います。
3-1.屋号・住所・電話の表記などの基本情報を揃える
Googleマップ、自社サイト、外部の情報サイトなど、様々な場所にお店やサービスのことが掲載されているはずです。
そのような環境で、AIに「これは同じお店だ」と正しく理解してもらうために重要なのが情報の統一です。
GBP、自社サイト、外部の情報サイトで、屋号・住所・電話番号の表記を揃えましょう。
表記がバラバラだと、Googleが別のお店と判断してしまうことがあるからです。
このあたりは、会社概要ページの情報を整えることともつながってきます。
3-2.説明文とサービス内容はAIが読む手がかりになる
GBPには、お店を説明する文章を750文字まで書ける欄があります。
参照:Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ビジネス プロフィールを編集する」
ここは、割引やセールの話ではなく、「どんなお店で、誰の役に立つのか」をお客様の言葉で書くのがおすすめです。
提供しているサービスの登録もあわせて整えておくと、AIが内容を読み取る手がかりになります。
Google公式が含めると良いとしている情報は次のとおりです。
- 提供している商品やサービス
- 他社と差別化されるポイント
- 事業年数
- ユーザーが参考にできるようなその他の情報
4.いますぐ整えておくべきGBP設定はどこか
「結局、何をどこまで埋めればいいの?」
ここが一番知りたいところですよね。
難しく考えず、お客様が確認したい順に埋めていきましょう。
お客様が知りたいのは、このようなことです。
- 開いているか
- どこにあるか
- 何があるか
- 評判はどうか
4-1.基本情報は常に最新にしておこう
まず整えたいのが、営業時間・電話番号・住所・属性です。
祝日の特別営業時間も設定できますし、駐車場・Wi-Fi・バリアフリー・キャッシュレス対応などの属性も登録できます。
なかでも気をつけたいのが営業時間です。
古い営業時間のまま放置していて、お客様が来たのに閉まっていた、というのは、信頼をいちばん損なう場面だからです。
営業時間、休業日の設定は正確にしておきましょう。
費用はかかりませんので、まずここだけでも合っているか確かめておきたいですね。
4-2.写真は「店内・商品・外観」を載せよう
写真は、お客様が来店前にいちばん見たい情報のひとつです。
先ほどの飲食店の調査でも、料理写真や店内写真が重視されていました。
きれいに撮ろうと気負わなくても、スマホで店内や商品を撮るだけでも印象は変わります。
なお、写真の反映には24〜48時間ほどかかります。
はじめて来店する人にとっては、外観が頼りになります。
綺麗に見せる一方向からだけの写真のみではなく、各方面からの来店を意識して写真を撮りましょう。
つまり、Googleビジネスプロフィールに載せる外観写真をアクセス案内として利用してもらうのです。
駐車場、駐輪場や目印となりそうな看板もお勧めです。
暗い時間帯には印象も変わりますから、夜間の外観も載せると親切です。
参照:Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ビジネス プロフィールの写真や動画を管理する」
4-3.投稿は月1〜2回で「営業中のサイン」になる
GBPには、お知らせやイベントを投稿できる機能があります。
この投稿は6か月で自動的にアーカイブされます。
参照:Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ビジネス プロフィールで投稿を作成、管理する」
裏を返すと、長く投稿がないお店は「今も営業しているのかな?」と見えてしまうこともあります。
月に1〜2回でいいので、新メニューやキャンペーンを投稿しておくと、ちゃんと動いているお店だと伝わります。
毎月イベントや新メニューを出すことがない場合は、季節の挨拶や営業日カレンダーを載せておく、活動報告をしても良いと思います。
4-4.認証は動画での認証が標準
GBPを使い始めるには、お店が本物であることを確認するため、登録しているアカウントの本人確認認証が必要です。
最近は、スマホで店内などを撮影する動画認証が標準的な方法になっています。
認証には最大5営業日ほどかかります。
参照:Google ビジネス プロフィール ヘルプ「Googleでビジネスを確認する」
つまずきやすいところなので、最初に時間に余裕を持って進めておくと安心です。
5.業態別に見るGBP活用の勘所
ひとくちに中小企業といっても、業態によってお客様が確認したいことは違いますよね。
「自分のお店ならどこに力を入れればいいのか」を考えられるよう、5つの業態に分けて整理します。
お客様が来店前に何を不安に思うかを、業態ごとに想像してみましょう。
5-1.飲食なら、メニューと料理写真と予約導線
飲食店では、メニューを価格つきで登録し、料理写真をしっかり載せるのが基本です。
ランチメニュー、ドリンクメニュー、コースメニューなども載せましょう。
日替わりのおすすめなどを投稿で出していくと、来店のきっかけになります。
観光地やインバウンド需要のあるお店なら、英語の説明を添えておくのもおすすめです。
5-2.美容なら、価格込みのメニューとスタイル写真
美容サロンでは、「カット〇〇円から」のように、料金の目安を載せておくと安心されます。
スタイル写真や、予約のリンクも整えておきたいところです。
「メンズ対応」「お子さま連れOK」といったよくある質問は、先回りして載せておくと親切です。
5-3.医療なら、診療科目と診療時間と院内の様子
クリニックでは、診療科目をカテゴリで網羅し、診療時間や休診日を正確に載せます。
院内の写真や、バリアフリー・駐車場などの情報も、来院前の不安をやわらげます。
口コミへの返信は、患者さんのプライバシーに配慮した定型の文面を用意しておくと運用しやすいです。
5-4.士業なら、業務分野のメニュー化と対応エリア
士業では、「相続相談」「会社設立」のように、対応できる業務をサービスとして登録します。
対応エリアや受付時間も明確にしておきましょう。
説明文に資格や登録番号を載せ、制度改正の解説などを月1回ほど投稿すると、専門性が伝わってきます。
5-5.小売なら、取扱ブランドと属性とお得情報
小売店では、取扱ブランドや商品写真、駐車場・キャッシュレスなどの属性を整えます。
週末のセールなどはお得情報として投稿できます。
レビューを依頼するQRコードを、店頭やレシートに用意しておくのもよい方法です。
6.口コミの「お礼」はGoogleポリシー違反、さらにステマ規制違反に
「★5の口コミを書いてくれたら割引します、ってよく聞くけど、あれってどうなの?」
口コミを書いたら何らかの特典を付けることはしないようにしましょう。
Googleのポリシー違反となります。
ここは、知らずにやってしまいがちなので、しっかりお伝えしておきたいところです。
Googleは、口コミの見返りに金銭や割引、無料の商品・サービスといった特典を渡すことを、ポリシーではっきり禁止しています。
これは「インセンティブ付きの口コミ」として、削除の対象になる行為です。
違反が続くと、その口コミが消されたり、お店のプロフィール自体が停止されたりすることもあります。
参照:Google マップ ユーザーの投稿コンテンツに関するポリシー「禁止または制限されているコンテンツ」
そして、これはGoogleのルールだけの問題ではありません。
2023年10月から、いわゆるステマ規制(景品表示法のルール)が始まりました。
そして、この規制が始まってから初めての行政処分が、まさにGoogleマップの口コミに関するものでした。
2024年6月の事例で、インフルエンザの予防接種に来た患者さんに、Googleマップへ高評価の口コミを書くことを条件に、接種料金を割引していた、というケースです。
これが「事業者によるものだと分かりにくい表示」、つまりステマにあたると判断されました。
参照:牛島総合法律事務所「ステマ規制に基づく行政処分事例」(消費者庁の公表内容を整理)
私たちは弁護士ではないので、法的な細かい判断はお伝えできません。
ただ、お客様の側に立つと、「やらせ」の口コミにはとても敏感だ、ということは言えると思います。
短期間で口コミの数を稼ごうとすると、信頼という、いちばん大事な資産を削ってしまうことになりかねません。
6-1.報酬や割引と引き換えに高評価をお願いするのは避けよう
先ほどの事例のように、割引や特典と引き換えに「いい口コミを」とお願いするのは、リスクが高い行為です。
お礼のつもりでも、口コミの内容と引き換えにしてしまうと、問題になりやすいからです。
6-2.正しい口コミの集め方は、見返りなしでお願いすること
おすすめなのは、見返りをつけずに、フラットにお願いする集め方です。
「もしよろしければ、感想をお聞かせいただけますか?」と声をかけるだけでも十分です。
そして、良い口コミにはもちろん、厳しい口コミにこそ、誠実に返信していきたいですね。
返信の仕方については、別の記事でくわしく解説しています。
7.放置されたプロフィールはお客様にはイメージダウン
「ちゃんと整えてから公開しないと、かえって印象が悪いのでは?」
完璧にしてから、と考える方は多いと思います。
でも実は、中途半端さより、放置のサインが残っているほうが、お客様の信頼を削ってしまいます。
お客様は、完成度より「ちゃんと運営されているか」を見ているからです。
しかも、わざわざ電話して確かめてはくれません。
その場で、別のお店に移ってしまうだけなのですね。
来店直前のお客様が引っかかりやすい、放置のサインをいくつか挙げてみます。
- 営業時間が古いままだと、「今日は開いているの?」と不安になります
- 写真がほとんどないと、「中の様子が分からなくて入りにくい」と感じます
- 口コミに一度も返信していないと、「見ていないお店なのかな」と思われます
- カテゴリがざっくりしていると、そもそも探しているお客様の前に出てきません
私たちチャコウェブでも、営業時間と写真を整えただけで、お客様の反応が変わったお店を見てきました。
ですから、完璧を目指す前に、まずこの放置のサインを1つ消すところから始めてみましょう。
あとは、4章で挙げた設定を、一つずつ整えていけば大丈夫です。
8.まとめ
Googleビジネスプロフィールは、地図で見つけてもらう入口であり、AIにお店の情報を渡す窓口であり、お客様が最後に確認する場所でもあります。
無料で使えて、お客様の探し方に正直に応えるほど効いてくる仕組みです。
地域密着で実店舗型のビジネスをしている事業者にはとにかく重宝する集客窓口ですよね。
伸ばすには、順位を追いかけるよりお客様が知りたいことを意識して整えていくようにします。
その積み重ねが、結果として「選ばれるお店」につながっていくと考えています。
Googleビジネスプロフィールは、まだ会ったことのないお客様に向けた、いちばん小さなホームページのようなものです。
今日、営業時間がちゃんと合っているか、確かめるところから始めてみませんか?