日本全国のレッカーサービス・ロードサービス業界では、深刻な人手不足と業界認知度の低さが課題となっています。
24時間365日対応の過酷な労働環境から定着率も低く、各社が人材募集をしても応募が集まらない状況です。
「求人サイトに有料広告を出しているのに応募がなかなか来ない」
「応募は来たけれど、自社に合う人になかなか出会えない」
「面接採用の手間がかかる割に、採用率が良くない」
「入職したけれど、すぐ退職してしまい定着しない」
こんな話を聞くと心が痛くなります。
しかし、採用がうまくいかない原因を丁寧に取り除いていくと、求める人材からの応募が来ることをご存知ですか?
今回は、ホームページ制作とSNSをはじめとした情報発信で、採用の課題を解決する方法をお伝えします。
この記事を読めば、効率よく人材採用ができる会社になれますよ。
1.レッカー・ロードサービス業界の特徴こそ「採用がうまくいかない原因」
あなたの会社は、ホームページを持っていますか?
そのホームページを見れば、会社のことがほぼわかり、イメージできるようになっていますか?
「採用がうまくいかない原因」は、レッカー・ロードサービス業界によくある「情報公開不足」です。
レッカー・ロードサービス業界は、保険会社からの依頼で業務が回るため営業や広告をほぼ必要としません。
その影響で、ホームページを持たない企業も多いのです。
自社を広くPRしたり採用ブランディングを構築したりする必要性を感じないのですから、仕方ないのかなと思います。
しかし、人材確保のためには「レッカー・ロードサービス」という仕事があることをまず知ってもらわなければはじまりません。
2.ホームページを活用して採用のブランディングをする
- ホームページを持っていない
- ホームページはあるが、3年以上変えていない
- ホームページには会社概要や採用情報は載っているが、内容はごくシンプル
- 写真はほとんどないか素材写真ばかりでホームページを作っている
上記のいずれかに当てはまるなら、真っ先にやることは「充実したホームページを作ること」。
自社のホームページ(採用サイト)は、求職者に企業の魅力や仕事内容を直接伝え、ファンになってもらうための重要な「場」です。
そして、「ロードサービスやレッカー業務」と聞いても一般の求職者には具体的なイメージが湧きにくいと思います。
求人サイトの情報だけでは「よくわからない」からスルーされてしまう原因になるのです。
3.ホームページに載せるべき内容
「会社のことがよくわかる」構成にするためのコンテンツを紹介します。
ホームページに何を載せれば良いのかわからない、と悩む方はぜひ参考にしてください。
- 事業内容(ロードサービス概要)
- レッカー車両の種類と特徴
- 対応エリアや主なサービスメニュー
- 代表あいさつ
- 企業理念・ミッション・バリュー
- 会社概要・沿革
- サービスの流れ(業務フロー)
- 先輩インタビュー・社員紹介
- 1日のスケジュール例
- よくある質問(FAQ)
- 募集要項・採用情報
- キャリアパス・成長支援
- 安全への取り組み・コンプライアンス
- お客様の声・導入実績
- エントリーフォーム・お問い合わせ
4.ホームページ制作のポイント
自社ホームページで情報発信を強化し露出を増やせば、「目に留まりやすく応募してもらいやすい」状況を作り出すことが可能です。
しかし、「ただ作れば良い」わけではありません。
仕事環境について理解され、自社の雰囲気をイメージしてもらえるように作る必要があります。
以下は、そんな「採用に成功するブランディング」を目的としたホームページ制作のポイントを紹介しています。
実際に、採用効率が100%まで上昇した支援実績からのコツですから、ここを抑えればかなり良いホームページになるはずです。
4-1.写真や動画を多めに使う
レッカー・ロードサービス業界では仕事内容のイメージがつきにくいため、多くの写真・動画を用いて「現場のリアル」「人の顔」をしっかり見せることが採用成功のカギとなります。
とはいえ、安全面や個人情報への配慮といった観点から、リアルな現場写真を掲載するのは難しいと思います。
現場に向かうスタッフの様子や車両等の出動シーンなど、安全に使用できる場面をしっかり見せるのがおすすめです。
また、レッカー車をはじめとする車両は、各社の特徴やこだわりが出るため、車好きの好奇心を刺激します。
4-2.仕事内容や求める人物像を具体的に示す
一般にはあまり知られていない業務については、詳しく紹介する必要があります。
「ロードサービスやレッカー業務」は、具体的にどんなことをするのか、どんな車両を使いどんな作業をするのかを写真・動画・文章で丁寧に説明しましょう。
給与や待遇が良い点だけで応募する人が増えても、離職率を高めてしまうだけです。
4-3.社員インタビューや一日の流れを掲載する
実際に働いているスタッフの生の声や現場の一日を紹介することで、仕事のリアルを可視化できます。
現場の雰囲気やチームの人柄が伝われば、「この会社で働きたい」と思う応募者を引き寄せる効果があります。
4-4.企業の理念ややりがいを発信する
レッカーサービスは「困っている人を助ける仕事」。
迅速な対応力や忍耐力が求められる反面、大きなやりがいと喜びが得られる仕事です。
スタッフが経験した「やりがい」「喜び」を情報発信しましょう。
こうした使命感や誇りを持てるポイントをしっかり打ち出すことで、共感した人材を惹きつけることができます。
4-5.ネガティブ情報も正直に伝える
応募者に良い面だけを見せようとせず、業務の厳しさや大変さについても開示しましょう。
「楽な仕事ではない」ことを予め示すことでミスマッチな応募を減らし、本当に情熱のある人だけを集める効果があります。
実際、チャコウェブが支援している企業では、マイナス面も隠さず公開人材かすることにしました。
すると、適切な人材からの応募率が上がり、結果として定着率の向上につながっています。
5.レッカー・ロードサービス業界に適したSNS活用方法
若い求職者層にリーチするにはSNSの活用が不可欠です。
特に視覚的な情報発信との相性が良いプラットフォームを選ぶことで、レッカー業界の魅力を効果的に伝えられます。
「レッカー・ロードサービスでSNS採用なんて意味ないのでは?」
そう疑問に思うかもしれません。
しかし、チャコウェブが支援している企業では「Instagramを見て応募しました」と連絡するケースが月あたり3件ほど発生しています。
「SNS発信が採用に与える影響は想像以上に大きい」と言えるのではないでしょうか。
5-1.Instagram(インスタグラム)
写真や短い動画を通じて視覚的に訴求できるInstagramは、レッカー車や作業現場の迫力、社員の姿などを発信するのに最適です。
「自社がどんな企業で、どんなサービスを提供しているか」が一目で分かるよう工夫し、採用情報も積極的に発信することで、Instagramのアルゴリズムが求職者にコンテンツを表示してくれます。
5-2.TikTok(ティックトック)
より若い人に届けるなら、TikTokはリーチに有効です。
大型レッカー車の比較動画をTikTokにアップするなど、車両のカッコよさをアピールできます。
お役立ち資料 ホームページ作成からマーケティングのことまでよく分かる
テキスト中心のXは、お客様からの感謝の声、社内のちょっとしたエピソードなどをシェアするのに向いています。
また、事故や渋滞情報などを発信すれば、地域のドライバーや関係者とのコミュニティ形成につながります。
拠点地域でフォローを増やせば、「あの会社は頑張っているらしい」といった評判が広がり、ひいては採用時の企業認知度向上にも寄与しそうですね。
5-4.Threads(スレッズ)
Threadsもテキストが中心で現在伸びているSNSです。
とはいえ、X利用者とは違う人がThreadsをしていることもあるため、こちらでも積極的に投稿すると良いでしょう。
Instagramと連携し、相互にアカウントへ移動できればより満足度の高いアカウントに成長させられます。
6.ブログは重要なオウンドメディアに成長する
ブログは、「なかなか書けない」と敬遠されがちですが、自社でコツコツ更新を続けることで数年後にはとても貴重な資産に成長する媒体です。
理由は、蓄積型でありSNSプラットフォームに依存しないので長期的に揺るがないメディアを作ることができるからです。
SNSは各SNSプラットフォームに依存するため、規約やアルゴリズムの変更に大きく左右されます。
利用するメリットは大きいものの、不安定であることは認識しておきたいですね。
一方で、ブログは基本自社が運用するため、そのような影響は受けません。
記事を通じて「レッカーの仕事ってこんなことをしているんだ!」と知れば、業界に対する興味・理解が深まり、将来の人材志望者や協力者を増やす効果が期待できます。
7.レッカー・ロードサービス業界の成功事例
兵庫県に本部拠点を持つ株式会社トルク様は、2024年より採用広報に本格的に乗り出し、大きな成果を上げています。
ハローワークや求人サイト経由では月1件応募があるかないかという状況で、人材確保に長年苦戦していました。
2024年にホームページを新設し、SNS発信を強化する採用戦略に舵を切ったところ、月1件だった応募がわずか1か月で約40件近くに激増。
しかし、応募数に対して採用率が低いという新たな課題に直面し、さらに改良を重ねていった結果、月3件程度の応募、採用率はほぼ100%まで改善しました。
「認知度が低い業界の仕事でも、ウェブでイメージしやすく情報発信することで応募につなげられる」ことを実証しています。
以前は1名採用あたり数十万円かかっていた求人広告費がほぼ不要になりました。
8.まとめ:業界全体の課題は、取り組み方で解決できる可能性がある
レッカー・ロードサービス業界全体の課題は、当初は解決不可能ではないかと思うほど深刻でした。
しかし、それは思い込みだったのかもしれません。
業界の共通課題としては、「人材不足の深刻化」と「仕事の一般認知度の低さ」が挙げられます。
高齢化や労働環境の厳しさから「募集しても人が集まらない」状態が全国的に続いていますが、「募集していることも知られていない」のが現実です。
「知られれば応募は来る」ということに気付いた今、やるべきことは情報発信ということになります。
それと並行して、待遇改善や働き方改革を模索していけば良いのではないでしょうか?
ホームページでの採用ブランディング、SNSを駆使した情報発信、動画・ブログによる仕事可視化など、デジタルを活用した取り組みには大きな可能性があります。
人材不足の壁は高く大きいように見えますが、乗り越えられるはずです。
この記事が一人でも多くの方のお役に立てば幸いです。