お客様があなたのホームページを開いたとき、最初の数秒でこんな風に感じてしまったら、一体どうなるでしょうか?
「なんだか見にくい」
「遅い」
「どこを押せばいいのかわからない」
はい、お客様は離れてしまうかもしれません。
自分だったらどうするか考えてみると、ストレスを感じるホームページは避けたくなる気持ち、わかりますよね。
この「見やすさ・使いやすさ・信頼できる印象」を決めるのがユーザー体験(UX)です。
Googleは「良いページ体験を提供するコンテンツを評価したい」として、ユーザー体験に関するいくつかの指標を設けています。
ユーザー体験の重要性はさまざまな場面で語られますが、ホームページではどうすればよいのでしょうか?
今回は、ユーザー体験向上のためにできる6つの要素を解説します。
Googleマップは集客のチャンスが詰まっています。誰でもできる方法を徹底解説。
1. 速さと反応の良さが第一印象を決める
お店で注文しても店員がなかなか来なかったら、不安になりますよね。
それはホームページも同じです。
クリックしてからページが動くまでの「反応の速さ」が、信頼感を左右します。
技術の進化で、私たちはどんどん「待たない」性質に変わっており、表示までの時間が長ければ離脱してしまいます。
いくら素敵なことをホームページ上で語っていても、見られなければ意味がありません。
2024年からは、クリック後の反応速度を測る「INP(応答時間)」という新しい指標が正式に導入されました。
ページを開いても動きが重い、ボタンを押しても一瞬止まるような状態は改善が必要です。
画像を軽くしたり、不要なアニメーションを減らすだけでも体感速度は大きく変わります。
自分のスマートフォンでトップページを開き、3秒以内に表示されるかどうかをまず確かめてみましょう。
2. 読みやすさは「文章量」よりも「構成」で決まる
「最初に結論を書く」
これを意識していますか?
お客様は、ページ内すべての文を読み込んでくれるわけではありません。
だから、大事なことは最初に持ってきましょう。
「起承転結という言葉もあるし、結論は最後が適切では?」
こんな風におもうかもしれません。
確かに小説や随筆では、この起承転結が良いのだと思います。
しかし、ウェブでは話が違います。
上述したように、お客様は待てません。
ウェブに期待するのは「すぐにパッとわかる」こと。
結論がパッとわからない時も、お客様は迷子になってしまい離脱しかねません。
あなたも、ホームページ情報をすべて読んだことはないのではないでしょうか?
見出しを質問形式にするのも効果的です。
「どうすれば問い合わせが増えるのか?」
「ページを速くするには?」
という形にすると、読み手の関心を引きながら導くことができます。
3. 迷わせない導線設計をする
「次にどこを押せばいいかわからない」
ホームページを見ている時、こんな経験はありませんか?
ユーザー体験の良いホームページでは、知りたい情報に自然とたどり着けます。
トップページには、主要な3つの導線を常に見える位置に配置し、ページの下には電話番号や営業時間を載せておくと安心です。
導線とは、例えば「サービス案内」「事例紹介」「お問い合わせ」のように、お客様が次に取りたい行動を予測して誘導してあげることです。
初めて訪れる建物で、わかりやすい館内ガイドがあると安心しますよね。
移動している時にも程よいタイミングで案内板があると、迷わず移動できます。
ホームページの作り方も考え方は同じです。
また、記事やページの最後に「次に読むおすすめ」や「資料請求」への案内を入れることで、離脱を防ぎながら自然に回遊してもらえます。
導線を整えるだけでも、見込み客が「この会社はきちんとしている」と感じる確率がぐっと上がります。
4. 問い合わせフォームは「気持ちよく完了」するように設計する
フォームが長くて複雑だと、途中でやめてしまう人が多くなります。
ですから、問い合わせフォームはシンプルを心がけましょう。
受け取る側としては、できるだけ詳しく知りたいと思うかもしれません。
しかし、フォーム入力は意外とストレスがかかります。
途中であきらめてしまう人が多いのも問い合わせフォームです。
ここで集客の機会を逃すのはもったいないと思いませんか?
まずはこのような3項目だけにしてテストしてみましょう。
実店舗でも同じです。
「ちょっとすみません」と店員さんに声をかけただけなのに、根掘り葉掘り問い詰められるような質問が続いたら、疲れてしまいますよね。
実際には、お客様に最適な提案をするために詳しく聞かなければ正しく判断できないという事情もわかります。
この場合は、聞きたいこととお客様の体験を快適にすることの両立を探りましょう。
最初は重要事項のみ、段階を踏んで詳しく聞いていくような流れがお勧めです。
フォームはホームページ内で最後の接客です。
ここで気持ちよく送信完了できるよう、親切設計を目指しましょう。
5. 信頼されるのは「顔が見えるホームページ」
「この会社に頼んでも大丈夫だろうか」
お客様は、無意識にこのように考えながらホームページを見ています。
信頼を築くために必要なのは、顔と情報です。
代表者の写真やメッセージを載せましょう。
どんな思いで事業をしているのかを一言添えるだけで印象が変わります。
スタッフ紹介など、事業に関わっている「人」が見えると、より安心してもらえます。
採用ページなら先輩インタビューもお勧めです。
さらに、お客様が安心する情報をしっかり載せましょう。
- サービス内容
- 料金
- 会社概要
- お客様の事例
- サービスの流れ
「誰が、どんな考えで運営しているか」が伝わるホームページは、自然と選ばれます。
6. すべての人に使いやすいデザインに
ここまで網羅したら、もう一押し。
アクセシビリティに配慮したホームページは、ユーザー体験をグッと高めてくれます。
アクセシビリティとは、「すべての人が情報にアクセスしやすく」するための取り組みのことです。
見やすくて使いやすいホームページは、ストレスなく利用できるため体験価値が高まるのです。
- 押しやすいボタン
- 読みやすく認識しやすい文字サイズやフォントの選択
- 適切な配色・コントラストで誤認識を防ぐデザイン
- 画像に適切な説明文を付ける
- マウス操作だけでなくキーボードでもページ全体を操作できる設計
こうした配慮は、高齢の方や障がいのある方だけでなく、すべてのユーザーに優しい設計になります。
検索エンジンもこうした改善を高く評価しています。
7. まとめ
ユーザー体験を良くするには、大掛かりなリニューアルをしなくても実行できることがたくさんあります。
まずはやる順番を整えることが大切です。
速さを整え、次に導線とフォームを見直し、最後に信頼と使いやすさを整える。
このように、徐々に改良を加えていくと、ユーザーが使いやすいホームページに育っていきます。
改善は技術ではなく「おもてなしの再設計」です。
ホームページで接客を磨くと認識すれば、気持ちが上がってくるのではないでしょうか?
お客様にとって「気持ちの良い場所」になるよう、少しずつ整えていきましょう。