「ユーザーエクスペリエンス(UX)」という言葉は、マーケティングについて学んでいると必ず一度は目にしたことがあると思います。
実は、ホームページを制作し目標を達成するにあたっても、このユーザーエクスペリエンスは非常に重要な要素のひとつなのです。
しかし、言葉は聞いたことがあっても、どういう意味なのかいまいちわからない問い方も多いのでないでしょうか。
- ユーザーエクスペリエンスって何?
- どうしてユーザーエクスペリエンスが重要なの?
- ホームページ運営者にとってユーザーエクスペリエンスとは?
など、様々な疑問が湧いてきますよね。
そこで今回は、ユーザーエクスペリエンスについてよくわかるように説明していきたいと思います。
ユーザーエクスペリエンスとは、「ユーザーが体験すること」の総称
まずは、ユーザーエクスペリエンスの意味から紹介していきましょう。
ユーザーエクスペリエンス(User Experience)とは直訳すると「ユーザー体験」となります。ユーザーエクスペリエンスの意味は
“ユーザーが製品やサービスを利用することで得られる「体験」の総称”
のこと言います。
ちなみに、体験とは実際に体験すること以外にも、イメージしたり、妄想したりすることも含まれます。
製品やサービスを通じて得られる総合的な体験すべてがユーザーエクスペリエンスであると理解しましょう。
アメリカのビジネスではユーザーエクスペリエンスこそが最も重要な課題と捉えているとの紹介例もあります。
ビジネスにおけるユーザーエクスペリエンス (UX) の重要性 -freshtrax
ユーザーエクスペリエンスは広い範囲で使われる概念
このユーザーエクスペリエンスという概念は、ホームページ以外にも広く一般的に使われます。
そのため、誰が使うかによって「ユーザー」の意味が変化します。
お客様の満足度という概念がありますが、より広い範囲で考えるのがユーザーエクスペリエンスです。
例えば、ホームページの場合なら「ユーザー=ホームページへの訪問者」となりますし、一企業の場合なら「ユーザー=顧客」ということになります。
顧客になる前の段階から総合的に体験を良いものにして満足度を高めようというのが重要なポイントです。
ユーザーエクスペリエンスが活かされた事例
実際に、ユーザーエクスペリエンスが活かされている事例を見ると、その意味が理解しやすいと思います。
ユーザーエクスペリエンスが活かされた事例として、たびたび紹介されるのが、スターバックスです。同社の会長であるハワード・シュルツは、
「スターバックスはコーヒーを売っているのではない。体験を売っているのだ」
という発言をしています。
スターバックスのコンセプトは「ザ・サードプレイス(=第3の居場所)」とされており、誰もが手にすることのできる少しリッチな空間を演出しています。
コーヒーを飲みに来たお客様は、コーヒーを入れてくれるバリスタの様子を見ながら、ランプの下で商品を受け取り、洗練された店内でコーヒーを楽しむという「体験」をしているのです。
そこでの体験を価値として提供し、その価値をユーザーが体験することで、魅力的に感じる。
これこそがユーザーエクスペリエンスそのものであるということができるでしょう。
ホームページにおけるユーザーエクスペリエンスの重要性
ユーザーエクスペリエンスはホームページにおいても重要な要素のひとつです。では、なぜ重要なのでしょうか。
ユーザーの行動が変化したから
理由のひとつに、マーケティングの手法が変化したことが挙げられます。
従来では「AIDMA」といったマーケティング手法が主流でした。しかし、最近では「AISAS」という観点でマーケティングが展開されています。
【 AIDMA 】
Attention(注意)→Interest(関心)→Desire(欲望)→Memory(記憶)→Action(行動=購入)
【 AISAS 】
Attention(注意)→Interest(関心)→Search(検索)→Action(行動=購入)→Share(共有)
AISASの中でも、検索することと共有することが商品やサービスの購入決定要因であるといわれています。
つまり、検索したホームページの内容・デザイン・使いやすさに加え、情報として共有されている購入者の感想などを通じて、ユーザーが期待する以上の体験を提供することが、ホームページ制作における重要な要素であるということなのです。
デバイスが多様化したから
もう一つの理由に、デバイスの多様化が挙げられます。
スマートフォンやタブレットなど、インターネットを楽しむことができるデバイスが多様化し、それは、ホームページとユーザーとの接点を増やすという結果をもたらしました。
ユーザーは、製品やサービスを購入する前に、さまざまな角度から検討するのが普通になりました。
検索して公式ホームページを見る、口コミを確認してみる、SNSやチャットで質問を送る、などなど…。
例えば、自宅のパソコンで見た公式ホームページはすぐに目的の情報にたどり着けたのに、仕事の休憩中にスマホでアクセスして見ると、なかなか目的の情報ページにたどり着けない…。
これはユーザーエクスペリエンスを損なっている良くある例です。
そのため、現在においては、どんなデバイスを使ってホームページを訪れたとしても、ユーザーに対して期待以上の体験を提供できなければならなくなったのです。
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競合との差別化につながるから
ユーザーは商品やサービスを購入・利用するにしても、その目的をいかに楽しく心地よく達成できるかという体験に価値を求めるようになっています。
そのため、ユーザーエクスペリエンスが競合他社の差別化につながるポイントとして、重要視されているのです。
まとめ
ユーザーエクスペリエンスについて説明してきました。
- ユーザーエクスペリエンスの意味
- ユーザーエクスペリエンスを活かしている事例
- ユーザーエクスペリエンスの重要性
- ホームページおけるユーザーエクスペリエンスはなぜ重要なのか
ユーザーにとっての「体験」を価値のあるものにしなければ、ユーザーに選ばれない時代になってきています。
次回のブログでは、ユーザーエクスペリエンスを向上させる具体的なチェックポイントについて解説をしていきますので、併せて読んでみてください。
アナタのホームページがより良いものになるよう、勉強していきましょう。