「そろそろ古くなってきたので」
「デザインが、いかにも昔のままで」
「事業が変わってきたので、そろそろ」
リニューアルのご相談でお聞きする言葉です。
その前に、私たちにとって不利なことを書いておきます。
チャコウェブは、ホームページの制作も運用代行も承っている会社です。
作り替えのご依頼は、正直なところありがたい立場です。
それでも、実際には全面的な作り直しまでは要らず、タイトルと見出しを直すだけで足りる会社があります。
自社のブログについても、400本以上を見直して6割以上を統合か削除の検討対象としました。
リニューアルだけがお客様の事業には解決策となるわけではなく、判断は都度させていただいています。
リニューアルが必要かどうかは、作って何年経ったかでは決まりません。
ご相談で多い3つの理由のうち、作り替えが要るものと、そうでないものがあります。
例えば直すだけで足りるのは、タイトル、見出しや文章、ページの追加、コンテンツの修正で済む場合です。
この記事では、その見分け方をお伝えします。
リニューアルしたほうがいいサインについては、別の記事にまとめています。
1.リニューアルのご相談で多い3つの理由
ご相談でお聞きする理由は、だいたい3つに分かれます。
- 古くなったから
- デザインが古いから
- 事業が変わってきたから
似て見えますが、必要な工事の大きさがまったく違います。
1つ目は、中身の更新で足りることがあります。
2つ目と3つ目は、作り替えたほうがいい場合が多いです。
「ホームページは3〜5年でリニューアル」とよく言われますが、この年数はあくまで目安です。
そして「古い」は、こちら側の感想でもあるのです。
お客様側の言葉に直すと、まったく違うものが見えてきます。
- 電話番号が探せない
- 営業時間が書いていない
- スマホだと文字が小さくて読めない
- 知りたいことがどのページにあるのか分からない
ここまで具体化すると、直す場所が決まります。
「古い」で始めると全部を作り替えることになりますが、「見つけられない」で始めると、直すのは1か所で済むかもしれません。
御社の場合は、どちらでしょうか?
2.作り替えたほうがいい3つのケース
2-1.事業を引き継ぐタイミング
経営者が次の代に変わるタイミングでのご相談が多くあります。
私たちは、この場合は作り替えをおすすめしています。
理由は、先代の時代に作られたホームページが、そもそもオンラインを前提にしていないからです。
先代はネットに詳しくないことが多く、既存のホームページが古すぎるケースが目立ちます。
これは弊社での経験からの傾向で、すべての企業が当てはまるわけではありません。
今はどの事業でも、オンラインで信頼を得ることが必要になってきています。
ただ、先代の時代にはその需要が理解されておらず、ホームページの重要性そのものが社内で共有されていません。
引き継いだ方は、このままではいけないという意識を持ってご相談に来られます。
世代交代を機に会社のイメージを新しくしたい、というご要望も多いです。
そして実際に、オンラインに力を入れることで、若い世代の採用が動き始めるケースがあります。
求職者は必ず会社のホームページを見ますし、そこで判断されているからです。
代が変わると、伝えたい相手も変わっていることが多いです。
それなのに、新しい経営者が何を大事にしているのかが、サイトでは表現されていません。
2-2.デザインが本当に古いとき
正直にお伝えすると、ここはほとんど作り替えています。
見た目の好みの問題ではありません。
会社の印象を悪化させる恐れがあるほど古いケースがあるからです。
しかも、古いサイトは中の作りも古いです。
- 見出しが、すべて画像で作られている
- 見出しのタグが正しく使われていない
- CSSで実装できなかった時代のものなので、今の推奨から外れている
- スマートフォンに最適化していない
ここで一つ、実際にあったお話をご紹介します。
古いままのホームページは、放置しているという印象を与えます。
そしてそれだけで、競合他社に差を付けられてしまうのです。
発注先を検討している会社が、プレゼンだけでは決めきれずにいました。
どこか差がつくところはないかと探していた時に、決め手になったのがホームページのメンテナンスの度合いでした。
これで失注されたお客様は、複数いらっしゃいます。
お客様は、更新が止まっているかどうかを見ています。
そして、それを口には出しません。
「AI検索に引用されたいから」で作り替える必要はありません
AI検索に引用されたいので作り替えたい、というご相談も増えてきました。
Googleが2026年に出した生成AI向けの公式ガイド(2026年7月10日更新)に、サイトの作り替えやデザインの刷新は一度も出てきません。
書かれているのは3つです。
- そこにしか書いていないことがあるか
- 技術的に読める状態か
- 来た人が快適か
デザインを新しくすること自体は、この3つのどれにも直接は入っていません。
ただし、見出しが画像で見出しタグが使われていないサイトは、2つ目に引っかかります。
つまり「AIのために作り替える」のではなく、「読める状態でなかったので直した結果、AIにも読めるようになる」という順序です。
2-3.事業や目的が変わったとき
新しい事業を始めたときのご相談です。
- 地域のクリニックが、介護事業や訪問介護を始めた
- 自費診療を開始した
- BtoBの会社で、新しい事業を展開した
ホームページの目的そのものが変わることもあります。
集客のために作ったサイトを、採用の強化に使いたいというご相談です。
逆に、採用中心だったサイトを集客の強化に切り替えたい、というケースもあります。
新しく始めたことが、サイトに置き場所のないまま「お知らせ」に埋もれていることがよくあります。
探しに来た方が、やっているかどうか確かめられません。
事業が変わったのにサイトが前のままだと、届けたい相手に情報が届かない状態になります。
3.作り替えずに、直すだけで足りるケース
一方で、リニューアルとまでは言わなくても、直すだけで足りることがあります。
- タイトルを直すだけで済む場合
- 見出しや文章を書き換えるだけで済む場合
- ページを追加するだけで済む場合
- コンテンツを修正するだけで済む場合
ほかに、次のような部分的な手当ても可能です。
- メインビジュアルの画像を差し替える
- セクションを追加する
- 各項目の中身を書き換える
どういう状態のときに当てはまるかを、表にまとめました。
| 直し方 |
こういうときに |
| タイトルを直す |
検索結果に出ているのに、クリックされていない |
| 見出しや文章を書き換える |
内容はあるのに、探している人に見つけてもらえない |
| ページを追加する |
伝えたいことは決まっているが、置く場所がない |
| コンテンツを修正する |
情報が古いだけで、構造は使える |
ここに当てはまる場合、私たちは作り替えをおすすめしません。
正直にお伝えすると、このケースはあまり多くありません。
ただ、当てはまるなら、そちらが先です。
一番のメリットは、低コストで効果を出せることです。
4.作り替え直後に起きる、検索順位の一時的な変動
作り替えると、しばらくのあいだ検索から見つけにくくなります。
ページの住所が変わるためです。
Googleも、URLの変更をともなうサイトの移転について、公式のドキュメントでこう案内しています(2026年8月20日更新)。
移転中は、サイトの掲載順位が一時的に変動することを想定してください。
中小規模のサイトでも、ほとんどのページの移転に数週間かかることがあります。
私たちも、作り替えたあとに一時的に検索からの流入が落ちることは何度か経験しています。
ですから、着手前に必ずご説明します。
そのうえで経過を見てご報告すると、大体は元に戻っているか、以前より上がっています。
戻らないケースには、技術的な原因があります。
- タイトルなどが適切に指定されていない
- リダイレクトの設定をしていない
ここは、制作会社を選ぶときの判断材料にもなります。
作り替えを相談するとき、この2つを先に説明してくれるかどうかを見てみましょう。
一時的に順位が動くこと、そしてそのあいだに何をするのかの2点です。
聞いても答えが返ってこない場合は、慎重になったほうがよいと思います。
名刺やチラシに載っているアドレスから来る方を、新しいページまで確実に連れていけるかどうかの話でもあります。
5.補助金を待つと、着手は2027年春以降
「補助金が出るらしいので、それに合わせようと思って」というご相談があります。
このお話で気をつけたいのは、日程です。
小規模事業者持続化補助金の第20回公募(公募要領 第8版・2026年7月21日)を見てみましょう。
| 段階 |
日程 |
| 申請受付開始 |
2026年11月5日 |
| 申請受付締切 |
2026年12月15日 17:00 |
| 採択発表予定 |
2027年3月頃 |
| 交付決定 |
採択発表から概ね1〜2か月かかる場合があります |
公募要領には、交付決定前に発注・契約・支払いをしたものは補助対象外だと明記されています。
つまり、いま当てにすると着手は2027年の春以降になります。
金額の面でも、思ったより小さい可能性があります。
- ウェブサイト関連費の上限は30万円(税込)です
- ウェブサイト関連費のみでは申請できません
- 後払いで自己負担が必要になり、審査があるため不採択の場合もあります
補助金そのものを否定する立場ではありません。
正しく使えば、事業にも中小企業の活性化にもつながるものだと考えています。
ただ、「補助金が出るから今」ではなく、日程を知ったうえで決めるほうが確実です。
6.ホームページ運営者側で対応が必要な、期限の決まっている3つ
ここまでとは別に、対応の期限が決まっているものが3つあります。
いつまでに何が起きるかが、すでに公表されているものです。
6-1.「http://」のサイトは2026年10月以降、アクセス前に確認表示が実施される
Googleが2025年10月に発表しています。
2026年10月のChrome 154から、すべての利用者で「常に安全な接続を使用する」が初期設定で有効になります。
2026年4月のChrome 147では、拡張保護機能を使っている10億人以上に先行して適用されています。
これまで「保護されていない通信」は、アドレスバーの小さな表示でした。
2026年10月からは、はじめて訪れるお客様に対して、ページが表示される前に確認が出ます。
よく訪れるサイトでは繰り返し出ません。
つまり、はじめてのお客様だけが止まります。
社内では誰も気づかないまま、新規のお客様だけが減っていきます。
なお「サイトが見られなくなる」わけではありません。
進むボタンはありますので、表示される前に一度お客様の許可を求められる、というのが正確なところです。
6-2.PHPは2026年12月31日にサポートが終わる。更新できるかどうかで判断する
PHP 8.1のサポートは2025年12月31日に終了しています。
PHP 8.2のセキュリティサポートは2026年12月31日で終了します。
更新で済む場合がほとんどです。
ただし、もっと前のバージョンのままだと、様々な場所で不具合が発生する可能性があります。
適切なバージョンに更新する依頼をしてみて、大幅に崩れてしまったり不具合だらけだったりするなら、リニューアルを検討しましょう。
6-3.スマホで崩れているサイトは、その場で離れられる
Googleの生成AI向けガイドにも、すべての端末できちんと表示されることが挙げられています。
スマホで見に来たお客様は、崩れていても「あとでパソコンから見よう」とは思いません。
その場で別の会社を見ます。
7.よくある質問
7-1.ホームページは何年でリニューアルすべきですか?
年数では決まりません。
事業を引き継ぐとき、デザインが本当に古いとき、事業や目的が変わったときは、作り替えたほうがよい場合が多いです。
逆に、タイトルや見出しの修正、ページの追加で足りることもあります。
7-2.リニューアルすると検索順位は落ちますか?
Googleは、URLの変更をともなう移転では掲載順位が一時的に変動すると案内しています。
私たちの経験でも一時的に落ちることはありますが、経過を見ると大体は元に戻るか、以前より上がっています。
戻らない場合は、タイトルの指定やリダイレクトの設定に原因があることが多いです。
7-3.補助金を使ってリニューアルしたほうがいいですか?
小規模事業者持続化補助金の第20回は、申請受付が2026年11月、採択発表が2027年3月頃です。
交付決定前の発注は補助対象外のため、着手は2027年春以降になります。
日程を知ったうえで決めることをおすすめします。
8.まとめ
- リニューアルが必要かどうかは、何年経ったかでは決まりません
- 事業を引き継ぐとき、デザインが本当に古いとき、事業や目的が変わったときは、作り替えたほうがよい場合が多いです
- 一方で、タイトル、見出しや文章、ページの追加、コンテンツの修正で足りることもあります
- 作り替えると、しばらく検索から見つけにくくなります。ただし、事前に説明があり、リダイレクトとタイトルの手当てがされていれば、経過は戻ります
そして、うまくいったかどうかの見方も変わります。
「新しくなったか」ではなく、「お客様が探しているものを見つけられるようになったか」です。
「うちは作り替えたほうがいいのか、直すだけで足りるのか」を第三者の目で見てほしいという場合は、30分の無料相談でご一緒に見ることもできます。
今のサイトの状態を拝見して、直すだけで足りることと、作り替えが要ることを分けてお伝えします。