保育園、幼稚園選びをする保護者にとって、ホームページは重要な情報源です。
時間をかけて慎重に園選びをしている保護者は多いため、見学前にホームページなどインターネットで閲覧できる情報をじっくり見ているからです。
このような園選びで見学や入園希望を増やすために、ホームページをはじめとした「ネットでの情報発信」はどのようにすべきでしょうか?
本庄市の日の出保育園様は、老朽化していたホームページを全面リニューアルし、同時にInstagramの新規開設にも踏み出しました。
園の理念や日々の様子を「見える化」したことで、保護者・地域への伝わり方が大きく変わったといいます。
今回は、同保育園の間庭園長にリニューアルの背景と成果、そして今後の展望を聞きました。
お役立ち資料 集客できるホームページ作成の方法を解説
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他の園が運営するホームページの良さに気付き、ネット情報の大切さに気付く
チャコウェブ:リニューアルのきっかけを教えてください。
日の出保育園間庭園長(以下間庭園長):前のサイトは作ってから年数が経ち、ブログは放置気味、地図などの情報も古い状態でした。
なんとなく、「何とかしたほうが良いかな」と思っていた時にほかの園のサイトを見て「こんな感じで作れたら」と思ったのが始まりです。
以前のホームページは丸投げに近かったので、「このままでいいのか」という迷いもありました。
チャコウェブ:丸投げでホームページを制作すると、お任せできるので手間もあまりかからず楽ではありますよね。
ただし、しっかり園の魅力を掘り下げて表現するのは難しいというデメリットもあります。
キレイなホームページはできても、特徴がなく凡庸になりがちかもしれません。
ホームページのリニューアルをきっかけに、改めて理念が明確に
チャコウェブ:今回は、ディレクターを立ててページ構成から見直しました。
力を入れた点はどこでしょうか?
間庭園長:園の理念を言語化して整理できたことが大きかったです。
何となくのイメージだった部分が、言葉として形になりました。
中小企業診断士勅使河原(以下勅使河原):制作側としては、間庭園長が理念を明確に示してくださったのがありがたかったです。
日の出保育園様が元から大切にしていることや、自然豊かな環境など、素晴らしい魅力がいくつもあります。
そのような強みをホームページで表現できるようになったのは大きいですね。
チャコウェブ:園選びをする保護者にとっても、特徴がわかると自分に合っているかどうか判断しやすいので、見学や相談の申し込みもしやすくなりますよね。
間庭園長:はい、そうですね。
今回は自分でも園について捉え直す良いきっかけになりました。
園のことがぱっと見で伝わる工夫
チャコウェブ:よくお客様にお伝えするのが「透明化しましょう」ということです。
これは「情報の透明化」を意味しますが、どんな教育方針なのかすぐにわかるように「積極的に見せる」ことを推奨しています。
今回は、園内や周辺環境のマップをイラストで作り直したり、園内の写真もたっぷり使うことで透明化ができましたね。
間庭園長:園内のマップは前のホームページから情報が古くなっていたので、新しくできて良かったです。
「保護者の声」「職員の声」の掲載は、保育園では意外と少ないのですよね。
ただ、こういうリアルな声を載せていると、園選びの参考になると感じました。
勅使河原:写真やコメントの収集はご負担もあったと思いますが、公開リスクに配慮しつつ見せられる範囲を丁寧にすり合わせ、安心して出せるコンテンツに仕上げました
伴走型コンサルで強みが明確になり、あらゆる場所で打ち出し可能になった
チャコウェブ:中小企業診断士が進行に入った良さはありましたか?
間庭園長:外部の視点で話を聞いてもらえたことで、園にいるだけでは気づけない強みや課題に目が向きました。
緑豊かな環境など、差別化できるキーワードも再確認できたのが良かったです。
勅使河原:今回は経営コンサルというより広報・ブランディングの伴走が強くなったと思います。
競合と比べて「どこを押し出すか」を対話しながら整理し、構成に落とし込みました。
チャコウェブ:ここで強みが明確になったので、ホームページだけではなく今回新たに始めたSNSやパンフレットでも強みを出せるようになりましたよね。
「保護者世代はInstagramで検索する」に衝撃
チャコウェブ:Instagramも新規で立ち上げました。
職員の皆さまにもご参加いただき、実際にInstagramを情報収集に活用しているリアルな声も聞けましたよね。
印象に残ったことはありますか?
間庭園長:「保護者世代はInstagramで園を検索する」という職員の声に驚きました。
自分の感覚では情報収集はGoogle検索でしたが、世代間ギャップを実感します。
プロフィールやハイライト、固定投稿を整えてもらえたのも心強いです。
チャコウェブ:はい、今回はInstagramのプロフィールページの整備をご依頼いただき、Instagramメインで情報収集をする方向けに充実させることができました。
勅使河原:園の広告を大々的に配信するよりも、日常のスナップや取り組みを継続的に発信し、紹介やチラシからInstagramに来た人に「ほんとに良さそう」と思ってもらえる導線づくりが効果的です。
間庭園長:実際に投稿を始めてから、保護者からの反応も良いです。
チャコウェブ:現在、リール動画も含めて園の様子がわかる楽しい投稿が増えています。
間庭園長自ら編集・投稿されているのですね!
ご経験がなかったのに、質が高くてびっくりしました。
間庭園長:最初は凝り過ぎて時間がかかったのですが、最近は適度に手を抜いて投稿が続くようにしています。
チャコウェブ:継続のほうが大事なので、程よい力加減ができるのが良いですね。
ホームページリニューアルに併せ、パンフレットも一新

チャコウェブ:ホームページリニューアル、Instagramプロフィールの整備に続いて、パンフレットも作り直しました。
間庭園長:せっかくなので、この機会にパンフレットもしっかりホームページに合わせた雰囲気にしたいと思い一新しました。
勅使河原:パンフレットは、「まず手に取ってもらう」ことがとても重要です。
そのためには、パンフレット自体の差別化をして目立たせることが重要なので、戦略的に設計することにしました。
間庭園長:パンフレットは、市役所で他の園と一緒に並べるので、その時に選んでもらいたいというのが大きな目標でした。
他にも、見学に来られた保護者の方にお渡しするので、何かと配る機会が多いのですね。
チャコウェブ:視覚的な差別化をして手に取ってもらうために、特徴的な形と、日の出保育園らしい雰囲気を表現することにしました。
とっても素敵なパンフレットになりましたね。
あらゆる媒体で世界観を統一し、発信力を上げていく
チャコウェブ:今後、力を入れたいことはありますか?
間庭園長:Instagram投稿の継続と、放置していたブログの再開をしていこうと思っています。
さらに、Googleの地図(ビジネスプロフィール)に写真を追加して、保護者の評価(クチコミ)も意識していきたいです。
問い合わせへの迅速な対応体制も整えます。
勅使河原:園の楽しい日常を淡々と発信するだけでも十分効果があります。
紙のパンフレットやチラシもWebと世界観を統一すると、何かのきっかけで紹介された人がInstagramを見て、そこかホームページを見て問い合わせるという導線がより強くなります。
チャコウェブ:今後の発信も楽しみにしています。
本日はありがとうございました。
強みを明確にすると、オフライン・オンラインどちらも発信力が強化される
日の出保育園様は50年以上続く歴史の長い保育園です。
培われてきた保護方針・教育方針はありましたが、これまで外部に向けて打ち出すことはあまりしてこなかったといいます。
ホームページリニューアルをきっかけに「どんな園であるのか」特徴や強みを言語化する取り組みをしたことで、園内でも認識を明確にすることができました。
このおかげで、紙媒体のパンフレットからホームページ、Instagramなど、オフライン・オンラインどちらも世界観を統一することができ、園の魅力がはっきりしています。
「現代の保護者」の感覚にマッチした情報発信も好評で、ネットに苦手意識を持っていた当初から積極的な姿勢に変わりました。
まとめ
強みの明確化、ネットの活用は保護者にも喜ばれるため、結果的に集客につながっていきます。
「Web活用」と聞いて最初はピンとこない方も多いのですが、実践すると周囲からの反応が変わるため、重要性に気付くことができます。
今回は、しっかりと強みを持ちながら十分に打ち出せていなかった園が変わっていく様子を伺うことができました。
ホームページの制作やリニューアルは、事業そのものに向き合う良い機会です。
ただキレイに作り直すだけではない、事業自体に変革をもたらすきっかけを体験していただければと思います。