訪問看護の業界で競争力を高めるためには、どのようなホームページ作りが求められるのでしょうか?
今後、競争が激化することに備えていますか?
新規参入がしやすいため、年々増加している訪問看護ステーション。
採用や集患、事業の安定化が課題となっている事業所が多い中、ホームページは似たり寄ったりになりがちです。
あなたの事業所が選ばれるよう、ホームページにもネットでの情報発信にも工夫が必要です。
今回は、東京都江戸川区に拠点を置く訪問看護ステーションきなこ様に、ホームページ制作の背景や具体的な取り組み、その成果について詳しくお話を伺いました。
訪問看護ステーションきなこは、地域に密着した訪問看護・リハビリサービスを提供している事業所です。代表の柴田氏は、会社全体のブランディングを強化するため、公式ホームページの刷新を決意されました。
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既存サービス終了を機にブランディング強化を決意
チャコウェブ: ホームページを作成しようと思ったきっかけや目的を教えてください。
訪問看護ステーションきなこ代表柴田氏: 一番の目的は企業のブランディング強化です。
元々のホームページは古いデザインで情報量も少なく、会社のイメージアップに繋がりにくい状態でした。
チャコウェブ: 看護や介護事業者が利用できるホームページサービスでしたね。
こういったサービスは手軽に作れる点が便利です。
ただ、事業所ごとの差別化はしにくいですし、情報もそれほど載せられないという課題もあります。
柴田氏:はい、そのホームページサービスが提供を終了するので、しっかり作り直そうと思いました。
最初は地域密着型なのでホームページは必要ないかとも思いましたが、考え直しました。
同業他社との差別化や求人強化のために、本格的なホームページの必要性を強く感じていますし、実際制作をしてみても実感があります。
よくある訪問看護ステーションのイメージから脱却
チャコウェブ: きなこ様のホームページは、訪問看護によくある温もりやふんわりしたやさしいイメージとは一線を画していますよね。
スタイリッシュで瑞々しいデザインです。
ホームページ制作にあたり、特に意識した点や工夫した点をお聞かせください。
柴田氏:「訪問看護」特有のイメージから脱却し、よりスタイリッシュで洗練されたデザインを意識しました。
社内でデザインやコンセプト作りを積極的に行い、独特なブランドイメージを形成しました。
ホームページのリニューアルをきっかけに、パンフレットや名刺などオフライン媒体のデザインとも一貫性を持たせようと現在動いています。
チャコウェブ中小企業診断士勅使河原(以下勅使河原): 特に重視したのは、差別化とUI・UXの両立です。
訪問看護ステーションは、業界が伸びていますし、開所も増えています。
今後を見据えると、圧倒的なパワーで差別化しないと勝てないと考えました。
単にデザインを美しくするだけでなく、使いやすさや情報の見やすさを意識したことが成功に繋がっています。
応募したくなる、働きたくなるステーションを表現
チャコウェブ: きなこ様は、事業所自体も面白い取り組みをしていますよね。
特に、事務所内でメンバー同士がオープンなコミュニケーションが取れる配慮をしているのは独特だと思います。
柴田氏:事務所内のカフェバースペースですね。
飲み物や雑誌を置いて、休憩や終業後にリラックスしてもらいたいと思って作りました。
実際、バーで飲み物を飲みながら打ち合わせや議論が活発になることもあります。
チャコウェブ:スタッフのモチベーションに配慮していることが伺えるので、差別化になって「働いてみたい」につながりますよね。
ホームページのコンテンツを他媒体で載せたら求人の応募が来るように
チャコウェブ: ホームページ公開後、具体的な成果はありましたか?
柴田氏:他の媒体でホームページと同じコンテンツに差し替えたところ反響がありました。
求人サイトに掲載したスタッフの写真を新しいホームページから転用したところ、2週間で新たな応募があり、実際に採用につながりました。
採用に関しても「他とは違う」という印象を作ることができたことが効果的だったようです。
また、地域の関連事業者にも印象的だったようで、事業説明の際にも興味を持ってもらえるようになりました。
チャコウェブ:ホームページを作る際には、ただキレイに作るのではなくて、いかに興味を持ってもらえるかを徹底的に議論しながら進めますよね。
そうすると、あらゆる場所でこれまでとは違う情報発信になっていくので、変化が起こってきます。
勅使河原:事業の状態をしっかり見せることにもこだわりました。
お忙しい中熱心に打ち合わせにも応じてくださったので、ホームページにも反映できました。
QOL向上のため、新しいサービス事業を目指す
チャコウェブ:きなこ様は、訪問看護・介護事業の新しい側面を見据えて事業に取り組んでいますよね。
今後の展望をお願いします。
柴田氏:利用者様、ご家族のQOLをより向上させるように、既存のサービスにとらわれない展開をしていきたいと考えています。
対話やカウンセリング、クリニック、ケアマネージャーさんとの連携を大切にしながら訪問看護の強みを活かしていきます。
そのためにも、認知拡大は重要です。
今後はパンフレットやインスタグラムなどオフライン・オンライン双方で一貫したブランディングをさらに進めていきます。
まずは「目を引くデザイン」を入り口にし、そこから内容の充実を目指していきます。
Web運用を行いながら事業を成長させるために外部連携も
勅使河原:ホームページリリース後も、運用しながら成長させていきたいですよね。
柴田氏:はい、正直なところ、Webの数値や分析は大事だと思いますが、自社で勉強して実行するにはリソースが足りません。
この辺は、外部の協力が必要だと思っています。
Web関連のことは目的や目標を共有しながら外部の方に協力してもらい、私たちは事業に集中したい。
よりサービスの質を高めるためにも切り分けは必要だと思います。
チャコウェブ:今後は、ひとつの検索エンジンから流入するだけではなく、AIも含めたさまざまな場所で見つけてもらう取り組みが必要になります。
そうなると、どうしても情報発信は欠かせません。
とはいえ本業にも力を入れるとなると、外部委託は選択肢として有効ですよね。
きなこ様はスタッフ皆さまの熱量が高く、制作期間も充実しました。
本日はありがとうございました。
企業努力はホームページでも表現すべき
事業所にカフェバースペース導入など独自の取り組みをしているにもかかわらず、採用に苦しんでいたきなこ様。
理由は、「取り組んでいることが外部から見えない」ことでした。
ホームページ、求人サイト、SNS、パンフレットなど、あらゆる場面で「私たちはどんなことろしているのか」理解してもらう努力が必要です。
素晴らしい取り組みを始めたら、必ず情報発信をしましょう。
「頑張っているのに報われない」
この状態は情報発信が解決してくれます。
まとめ
訪問看護ステーションきなこ様の事例から見えるのは、「ホームページは単なる紹介ツールではなく、事業成長を支えるブランディング基盤」であるということです。
デザイン性や使いやすさを重視しつつ、他媒体との連携や採用強化につなげる工夫が成果を生みました。
競争が激化する業界においては、差別化と一貫した情報発信が欠かせません。
「自社の強みをどう見せるか」を意識したホームページ作りが、未来の事業を支える力になります。