ブログを9年間運用してきた経験から実践的なアドバイスを得意とし、コンテンツ発信を活用して企業の価値を高めるサポートをしています。
400件を超える中小企業のホームページ制作に関わり、SEO、コンテンツマーケティング、ライティングの知識を使ったコンテンツ制作で利益につなげる制作ディレクションと利益獲得のアドバイスをしてきました。
ウェブの情報発信力を存分に活用する考え方を基礎からお伝えし、運用能力を身につけていただくお手伝いをしています。
詳しいプロフィールはこちらから
ヤマ編集長のXはこちら
最近、国内トップECモール「楽天」が苦戦しているのをご存知ですか?
店舗数や売上高は伸びているものの、二期連続減益となったことで楽天に一体何が?と様々なメディアで話題になっています。
楽天がこのような状況に陥ったのは、出店店舗数が増える一方で、モール内で目立つために高い広告費用を払うことや顧客へのアプローチも制限を受けることなどにかねてから不満を抱いていた既存店舗が、SNSの流行や安価なプラットフォームの台頭により「楽天に依存しない運営」を目指し始めたことが原因と言われています。
「楽天離れ」が目立つようになってくると、「自前ネットショップの方がいいのでは?」「楽天モールには出店しない方がいいのでは?」という疑問を持つ方や、「楽天から自社ECサイトに移管したい」と早速動こうとする方も出てきているかもしれませんね。
今回は、「モール出店か?自前ECか?正しいネットショップ選びのための判断基準」についてお話ししようと思います。
新しくできたばかりのお店にとって、最大の課題は「集客」です。
利用ユーザーの多い大手ECモールに出店すればお店に来る人も自然と多くなりますし、商品を購入する目的で来ている人たちの集まっている場所で商売するということなので、購入率もグンと上がります。質のいいお客様をたくさん運んで来るという「集客力」においてECモール出店はやはり魅力的です。
しかし取り扱う商品によってはデメリットも多く存在します。
多くの店舗が取り扱う商品(化粧品や衣類)を扱う場合、ECモールではライバルが多すぎます。数百、数千と類似商品が並ぶ中でユーザーが見るのはほんの数点。それをどうやって選ぶかというと商品一覧画面では「標準」表示や「価格が安い順」「口コミ件数が多い順」などの並び替えができるようになっており、一覧の並び替えや絞り込みによって見るものを限定します。
「標準」表示とは様々な要素に重み付けをして掲載順序を決めていますが、一番上に来るのは必ず「広告」商品。口コミは「購入者」がいないと増えていかないため、結局競合が多いカテゴリでお店を開いた場合にECモールに来たユーザーをお店に呼びこむためには、追加でお金を払うか商品を安くするか、安くするかしかない、ということになります。集客による利益がコスト以上でなければ自社サイトの方が良いでしょう。
逆に取り扱い店舗が少ない商品や、人がこだわりを持っている商品であれば、一覧に出てくるもの自体が少なく、また、値段に関係なく探すため、ECモールの流入をうまくお店に呼び込むことができます。
楽天やヤフーショッピングは利用だけで仮想通貨となる「ポイント」付与があるので、お店では絶対に割引されない商品なども向いています。
しかし、値段に関係なく探す商品であれば、自社ECサイトでも良いのではないか?という質問が出そうですね。特にデザイン性が高く小ロット生産のものや受注生産の場合、ECモールでたくさん集客できても供給が追いつかず、あらかじめサイトで告知していても悪意ある口コミをつける購入者もいますのでECモールを使うデメリットが大きそうです。
まとめ:「取り扱い店舗が少なく、在庫が確保できる商品」の場合はECモールの集客力を活かせるが、「在庫が少ない、受注生産が多い商品」の場合は自社ECサイトの方が良い。「在庫も多いが取り扱い店舗も多い商品」の場合は、ECモールにかかるコストと、自社サイトでかかるコストの比較・検討が必要!
ECモールでは、メールマガジンの配信回数や顧客アプローチには制限があります。顧客接触の制限をしているのは「ユーザーが嫌がるから」という点と「情報管理」の面におけるECモール側の配慮があります。
仮に貴方の楽天ショップにメールで問い合わせをしたユーザーの情報が、貴方のお店のスタッフの過失によりどこかに流れてしまったとしても、ユーザーは「楽天で商品を購入して個人情報漏えいされた!」と思うでしょう。
自社ECサイトで同じ問題が起きたら、資本力の小さな会社であれば事業が立ち行かなくなることもあります。
顧客情報の管理はとにかく慎重に。うっかりミスが多い、不安が大きい場合はECモールの利用がオススメです。
しかし自社ECサイトで会員を集めれば顧客の連絡先だけでなく、趣味や閲覧商品なども自社データとなるのでマーケティングにも活かしやすくなります。
ベビー服販売の場合、お子さんのお誕生日登録をすれば、月齢に合わせてオススメ商品を案内したり、アニバーサリークーポンを配布するなんてことも可能です。
まとめ:顧客情報管理をしっかりと行えることが前提であれば、自由度が高い自社サイトがオススメ。不安が大きい方はECモールを利用しましょう。
店舗なし、人脈なし、お金もなしのEC素人の挑戦の場合、初期コストが割けるのであれば、個人的にはECモールの方がおすすめです。初期コストはかかりますが出店コンサルタントに相談しながら構築でき、一通り「商品を売るためのツール・ノウハウ」がまとまっているのでアイデアや知識がなくてもショップを運営していけるという意味で効率が良いのは確かです。
しかし事業を始める時はいろんなこだわりや目標を持っている方も多いはず。
商品特性がECモールに合わない方
ECモールの初期に払う年間出店料も高額なのでまずは自社ECサイトで色々試してみたいという方
トライ&エラーを繰り返しながらも自分であれこれ試したいという強い思いがある方
にはシンプルなEC機能を持ったサイトを立ち上げてみることをお勧めします。
ここで複雑な機能は不要です。なぜならECサイトは日々改善が必要で、運営開始後に「運営してみないとわからない課題」がたくさん見えてくるからです。
参考記事→ECサイトを開設したらまず取りかかるべき4つのこと
参考記事→ECサイトの売上が伸びない時にチェックすること
ECモールに参加しない場合心配なのは集客の部分ですが、立ち上げたらすぐにSNSや家族・知人への紹介などを使って告知すると同時に、SEO対策と、できれば立ち上げ当初少しだけ予算を割いてネット広告を利用してみると良いでしょう。
取扱商品がアパレルや化粧品、雑貨であればFacebookやInstagram広告、日用商品や精密部品などはGoogleのリスティング広告が向いています。
リラックスしているときに探すものか、仕事や必要に迫られて探すものかで使い分けしてくださいね!